高齢者に代わり被験者となる二足歩行ロボットの開発
高齢者の増加と歩行支援器の評価に対する課題
近年では、要支援・要介護認定者や一人暮らしの高齢者など、支援を必要とする高齢者が増加しています。これに伴い変形性膝関節症などの疾患が増加し、杖や歩行器などの歩行支援器の需要が高まり性能の向上も求められます。
しかし高齢者を対象とする杖や歩行器などの歩行支援機器の評価は、転倒などの危険性より高齢者自身による実施が難しい現状があります。
この問題を解決するために本研究では高齢者の代わりの被験者となりうる二足歩行ロボットの開発を目的とします。
二足歩行ロボットによる支援機器の評価の利点
二足歩行ロボットによる歩行支援器評価のメリットは以下の点があります。
・同じ歩行プログラムを使用することで同条件による比較が可能である
・関節に加わるトルクや力をセンサで計測でき定量的な評価が可能である
・転倒などによるけがの危険性がないため倫理的問題が発生しない
小型二足歩行ロボット
人間を模倣したロボット足部の開発
小型サーボモーターを関節として3Dプリンターでフレームを設計し、ロボット足部の開発を行っています。高齢者のように歩く二足歩行ロボットという目標に向け、ハードウェアでのアプローチとして人間の足部機能や足部機能障害を再現したロボット足部を開発しています。
開発したロボット足部
二足歩行ロボットによる杖歩行評価
杖は歩行支援器として古くから使用されているものの、変形性膝関節症に対す支援効果は明らかではありません。そのため二足歩行ロボットを用いて杖の使用方法の妥当性や杖の種類による支援効果を定量的に示すことを目標としています。
小型二足歩行ロボットの歩行シミュレーション
二足歩行ロボットの歩行動作の生成にはmatlabやPythonを用いた物理シミュレーションを用いています。シミュレーションを用いる利点として、実際のロボットで行うよりも短期間で繰り返し検証が可能なことが挙げられます。
本研究では人間らしい歩行動作を生成することを目指し、逆運動力学を用いた理論や機械学習を用いて歩行動作を生成し、物理シミュレーションを行っています。
歩行器を使用した
シミュレーション