「美肌」は、バリア機能が発揮されてかゆみなどに悩まされない健康な皮膚
「ふろに入らない」「洗わない」スキンケアは、化粧品などを断つ「肌断食」とは観点が異なります。
皮膚をなるべく水で濡らさないようにして、角層と皮脂膜を維持し、本来のバリア機能が発揮できる状態にするスキンケアだからです。
「肌断食みたいな方法で肌を鍛えたらシミやシワが消える」という内容ではありません。
ぜひ一読していただきたいのは、子どもの頃から皮膚にコンプレックスを持ち続けて大人になった方、そして、子育て中で子どもの皮膚について悩んでいる方です。
「物心ついたときから皮膚がカサカサで、大人になった今も皮膚が猛烈にかゆくなったり、手がひどく荒れたりすることがある」
「子どもを皮膚科に受診させているが、なかなか改善しない」
「思春期の子どもが、ニキビや体臭で悩んでいるようだ」
こうした方に、なにげない生活習慣や思い込みによる「入浴」「洗い過ぎ」という原因に気づいていただきたいと考え、本書を製作しました。
「入浴」「洗い過ぎ」は、言葉による刷り込みや、ストレスで引き起こされます。
例えば、皮膚にホコリや泥が付いていたら「肌が汚い」。
そして、皮膚が乾燥してうろこ状にめくれたり、膿でグジュグジュしていたりしても「肌が汚い」。
汚れが付着しているときも、症状が現れているときも「汚い」と表現することが多いのではないでしょうか。
子ども時代にガザガザの皮膚に対して、親が「汚い」と言う。
さらには、片付けられない子どもに対して、親が「部屋が汚いから、肌が汚くなる」などと言う。
親の語彙の少なさや奇妙な結びつけなどによって、子どもはストレスを受けているかもしれません。
また、「汚れは洗えば落ちるから、皮膚の症状も洗えば落ちる」といった観念が生まれる可能性もあるでしょう。
大人になっても症状が治らない場合、子ども時代に刷り込まれた「汚い」という言葉から、皮膚を洗い過ぎてバリア機能を低下させているのかもしれません。
大人になった今だけに注目するのではなく、子ども時代のスキンケアや親の態度も検討することが皮膚の改善につながると思いました。
皮膚の症状は遺伝する素因もあるでしょうが、それがすべてではありません。
スキンケアを見直すことで、皮膚は健康な状態を保てるはずです。
また、子育てする中で子どもの皮膚トラブルで悩んでいる方は、皮膚科に通ったり、情報を集めたり、さまざまな努力をされてきたことでしょう。
本書は、ストレスをテーマに「洗わない」スキンケアの説明をしています。皮膚に対してちょっと違う見方をしていただければと思っています。