イベント実施後に公開予定
※本レポートは、イベント中の文字起こしデータおよび主催者のメモをもとに、生成AIを用いて作成しています。
今回のGEG Chikuhoイベントでは、北九州市の小学校で体育を専科として指導されている後藤嵩裕先生をゲストスピーカーにお迎えしました。
テーマは「Geminiのキャンバス機能を使って体育の学習ポータルサイトを作る」。
後藤先生が実際に授業で使っているポータルサイトの紹介から始まり、参加者自身がGeminiでウェブサイトを作成し、Google Apps Script(GAS)でデプロイするところまでを体験する、実践的なワークショップ形式のイベントでした。
祝日の夜という時間帯にもかかわらず、先生方が集まってくださり、終始にこやかで温かい雰囲気の中で進行しました。
最初に紹介されたのは「持久走ワールド」と名付けられた学習ポータルサイトです。マインクラフト風のデザインで構成されており、子どもたちが楽しみながら持久走の学習に取り組めるよう工夫されています。
サイトには学習計画が掲載されていて、単元全体の見通しが持てるようになっています。
面白かったのは、走りのタイプを「ウサギ属性」「カメ属性」「ナミ(波)属性」の3つに分類している点です。
ウサギ属性は最初に飛ばして後半落ちていくタイプ、カメ属性はスタートがゆっくりで後半ペースを上げるタイプ、波属性はペースが不安定なタイプ。
理想は7割程度の力で一定ペースを保つことだと伝え、子どもたちが自分の走り方の特徴を理解した上で練習に取り組める仕組みになっています。
属性ごとの課題練習メニューも用意されており、子どもたちがタブレットで確認しながら自主的に学習を進められます。
正しいフォームの動画もサイト内に埋め込まれているので、教師が一人ひとりに付きっきりで指導しなくても、子どもたちが自分で学べる環境が整っています。
特に参加者から反響が大きかったのがAIコーチ機能です。例えば「ウサギ属性で今日は走りたくない」と入力すると、マインクラフト風の世界観でアドバイスが返ってきます。「ねえカメさん、休みたい時は無理に止まらずスライム歩きでペースをグッと落としてみよう。呼吸をゆっくり整えるのは特別なポーションをクラフトするみたいだね」といった具合で、子どもたちもこのAIコーチに色々と質問して楽しんでいるそうです。読み上げ機能も実装されています。
操作音やアニメーションも入っていて、「最初は持久走が嫌だな」という気持ちを和らげ、「自分自身をクラフトしていこう」という前向きな姿勢で学習に入っていける設計です。ルーブリックも掲載されていて、子どもたちが自分の達成度をチェックしながら振り返りができるようになっています。
もう一つ紹介されたのが「テニピン」の学習ポータルサイトです。テニピンとは、テニスを簡易化した小学生向けのネット型ゲームです。
このサイトでは、毎回の授業で行うドリル練習がアニメーション付きで掲載されています。「ラリーを続ける練習」「狙ったところに打つ練習」「キャッチアンドスロー」など、子どもたちがサイトを見ながら課題練習に取り組めるようになっています。YouTubeの練習動画やCanvaで作成したコンテンツも埋め込まれています。
5・6年生の学習指導要領に対応した作戦紹介ページも充実しています。「ドーナツホール(1箇所にボールを集める作戦)」など、教師側からある程度の作戦を提示しつつ、子どもたちが自分たちで考えた作戦も追加していく形です。作戦ボード機能もあり、ペンで描いた内容がページ移動しても消えないよう保存機能が実装されています。パターンAとパターンBを左右で見比べられるレイアウトも工夫されていました。
タイマー機能も搭載されていて、子どもたちが自分たちで試合を計測し、結果をスプレッドシートにコピーして貼り付ける仕組みになっています。
実践紹介の後は、いよいよ参加者全員で手を動かすワークショップの時間です。後藤先生がGoogleドキュメントで手順書を共有し、ステップごとに進めていきました。
まず、後藤先生が作成したカスタムGem(Geminiのカスタムプロンプト)にアクセスします。高速モードを「プロ」に設定し、ツールを「キャンバス」に指定して、作りたい単元のウェブサイトをリクエストします。
後藤先生のデモでは「水泳学習のウェブサイトを作って」と入力。Geminiが4泳法のテクニックガイドやスイムペース計測器なども含んだサイトを自動生成しました。プロンプトが詳しいほど良いものができるとのことで、「小学校高学年の学習」と条件を追加したり、既存の指導案を丸ごと入力して精度を上げるテクニックも紹介されました。
デザインの指定も自由自在です。「子供っぽすぎず、少し背伸びした高学年の心理に合わせた、テック感のあるモダンなデザイン」といった指定や、「Ruby(ふりがな)を振って」という指定、さらには「操作音つけて」「アニメーションを追加して」と伝えるだけでそれらが実装されるのには、参加者から驚きの声が上がっていました。
参加者の先生方もそれぞれの教科・単元でサイト作成に挑戦しました。ある先生は総合的な学習の時間で使うウェブサイトをたった1つのプロンプトで作成。タイマー機能やチェックリストが自動で組み込まれ、「発表5分」という条件を伝えただけでタイマーが5分に設定されるなど、AIの理解力の高さに一同驚きました。数学のウェブサイトを作った先生もいて、関数の公式集や例題が美しくまとめられたサイトを見て、「教科書を開いてやるよりもこっちの方がいい」という声も上がっていました。
Geminiが生成したサイトは、何度もやり取りを繰り返すことでどんどん良くなっていきます。「これ追加して」「これなくして」と調整を重ねていく間に別の業務もできるので、業務改善としても有効だという話も印象的でした。
ワークショップ中、ある先生から「サイト上で生徒が振り返りを書いても、教師側で見られない。保存する方法を教えてほしい」という質問がありました。これは多くの先生が抱えるであろう実践的な課題です。
後藤先生はGeminiに「振り返りがちゃんと保存できるように。保存先をスプレッドシートにしておく。ページが変わっても保存して」と自然な言葉で入力。GeminiはHTMLの更新と自動保存機能、Googleスプレッドシートへの送信機能の追加を提案してくれました。
ただし、スプレッドシートへの自動送信は権限の問題もあり、実際にはうまくいかない場面もありました。代替案として、スクリーンショットを撮って送る方法や、Google Formsを埋め込んでリンクから送信させる方法なども議論されました。
この質問がきっかけとなって、「ウェブサイトで作ったコンテンツをどう児童の学習記録として残すか」という深い議論に発展。一方的な講義ではなく、参加者の実際の困りごとに一緒に向き合いながら解決策を探っていくこの双方向のやり取りが、今回のイベントの大きな魅力だったと思います。
ワークショップ後半では、Geminiで作ったウェブサイトをGoogle Apps Script(GAS)でウェブアプリとしてデプロイする手順を体験しました。
後藤先生が作成したもう一つのGem「GASでウェブサイト作成」を使うと、キャンバスで作ったサイトのコードをGASで動作するように変換してくれます。生成されるコードは「コード.gs」と「index.html」の2つ。Googleドライブから「新規」→「その他」→「Google Apps Script」を選択してプロジェクトを作成し、2つのコードを貼り付けて保存。「デプロイ」→「新しいデプロイ」でウェブアプリとして公開するという流れです。
アクセス権限の設定では、「Googleアカウントを持つ全員」にすることで他校の先生にも共有できます。北九州市内であればGoogleサイトに埋め込んで子どもたちに共有できますが、他の自治体の先生に共有する場合はGASのウェブアプリとして共有する方が確実とのこと。学校のセキュリティ設定で外部サイトがブロックされることがあるためです。
デプロイが完了するとURLが発行され、キャンバスのプレビューよりも大きな画面で自分のサイトが表示されます。参加者の先生方からは「おー!」と歓声が上がっていました。
今回のイベントで何より印象的だったのは、終始にこやかで和やかな雰囲気だったことです。後藤先生の明るいお人柄もあり、参加者同士が自然に話し合い、質問し合い、お互いの作品を見せ合う場面がたくさんありました。「こんな感じでいいのかな?」「おおー、すごい!」「これどうやったんですか?」という声が飛び交う、まさに一緒に学び合うイベントでした。
この「にこやかさ」は、ICTに苦手意識を持つ先生にとっては特に大事な要素だと感じます。初めてのことに取り組む時、安心して質問できる空気があるかどうかで、学びの深さは大きく変わります。今回はまさにそういう場が自然にできていました。
参加者の先生から出た振り返りの保存に関する質問が、より深い議論のきっかけになったことも大きな成果でした。Geminiのキャンバス機能からGoogleサイトへの埋め込み、GASによるデプロイまで、一連の流れを実際に手を動かしながら体験できたことは、参加者にとって非常に実りのある時間だったと思います。
GEG Chikuhoでは、今回のようなイベントを不定期でオンライン・オフライン問わず開催しています。
こんな方にぜひ来ていただきたいと思っています。
「自分はこんなことやってるんだけど、どうかな?」と実践を共有したい方。「他の先生たちとちょっとつながって話してみたい」という方。「学校の中で一人でコツコツやってるけど、これで合ってるのかな」「他の学校の先生はどうしてるんだろう」と気になっている方。どんな理由でも大歓迎です。
GEG Chikuhoは完全にボランティアで運営しています。好きな時に好きな人が参加するだけのコミュニティです。実践発表を求められたり、何か役割が回ってくるということは、ご自身が望まない限りありません。今回のように、ゲストの先生に気軽に質問しながら、みんなで一緒に学んでいくスタイルを大切にしています。
教育×テクノロジーに少しでも興味がある方、ICT活用にちょっと悩んでいる方、あるいはただ気軽に話してみたいという方、ぜひお気軽にご参加ください。
文責:GEG Chikuho 共同リーダー 外﨑