北大OG会に参加してみました

北大OG会は、20年あまり前に結成された、学部や卒業年次の障壁なく、広くOGが交流することを目的としたグループです。年に2回、さまざまなゲストを招いて講演を聴き、感想や意見を述べ合いながら、多様な専門分野で活躍する会員のみなさんが、公私の情報交換を図るという会合を開いています。2005年度春期例会は、大学院文学研究科出身で、武蔵女子短大教授の中澤千磨夫さんをゲストに迎え、『小津安二郎と戦争のことなど』をテーマに、小津映画のハイライト・シーンを鑑賞しながらお話を聞きました。同窓会幹事の永井、笠原、小野も、今回の会合に参加いたしましたので、これを文学部OGのみなさんにご紹介いたします。

スクリーンや資料を見ながらお食事。往年の名優の演技を垣間見て、いろいろなご感想が。妻を階段から突き落とすシーンや、「かたづく」「売れ残り」といった差別的用語にはみなさん大変敏感に反応して、非難囂々でした。戦争についてもそれぞれ深い認識をお持ちで、議論が深まりました。

ゲストの中澤千磨夫さん。国文学講座助手のご経歴もお持ちです。文学部ではご存じの方も多いのでは。小津に関しては既に著書を出されています。情緒的に見える映画の表象を腑分けし、小津の手記・語録の発言を絡め、戦争における死の淵を見せてくれるという、文学畑面目躍如のトークでした。

新制女子学生一期生。先輩と仰ぎ見る風格十分です。

文学部出身の会員で、今回の幹事さん。 地方紙に映画のエッセイも掲載されているそうです。

さまざまな視点のお考えを伺ったり、情報をやりとりできる、温かなお集まりでした。母娘二代にわたる会員もいらっしるとか。文学部OGも、このような場で刺戟を受けてみてはいかがでしょうか。 (2005年7月20日、文責:小野芳子)