パラシュートへの誤解

その6

操縦機能がないパラシュートも予定地点へ着地させる

PJ

緊急用パラシュートはラウンド型パラシュートが適しています。

  その3 でも説明したようにコントロール可能なパラシュートは 緊急用に使ってはいけない
では 緊急パラシュートは風下へと流されながら着地点不明なままたどり着く地点に着地するのでしょうか

答えはYesでもありNoでもあります。

風に流されてゆく風下側へ住宅街がある場合、幹線道路がある場合 悪い未来しか想像がで来ません。
幹線道路を走行する自動車のフロントガラスにパラシュートが張り付いてドライバーがあわててハンドルを切りそこなったら!?
そんなことを考えただけで背筋がゾッとします。

まずドローンの緊急事態が必要である状況を予想します。
自由本望にその場その場でコースを飛ぶことなど、仮にできたところで前述のような結果を生む可能性が大です。

アドエアではパラシュートの使用事例をドローン物流に絞り込んで対策を立てています。
ドローンのレベル4運行にあたり国土交通省の指針として河川上空での飛行コースに飛行許可を認める方針のようですが、川幅が広い一級河川の近くでドローンの物流飛行が必要な場所があるとは考えにくいので、川幅は狭く、直線区間よりも蛇行している区間が多くある可能性が高いのですが、同時に平野部ではなく渓谷のような地形が想像しやすいです。
さてそこで何が起きるか
直線区域でなければ緊急事態となったドローンが自然落下して河川に落ちるとは限りません。
直線飛行の慣性モーメントが働いている方向へと投げ出されてゆくことでしょう。

そうした空域を飛行する場合にあらかじめ どのような風向き、風速の風が多く吹き、移動する区間の中で最も気流が悪いのはどの地点とどの地点か、また電波の障害が起きやすいのはどの地点とどの地点か
そうした危険空域を予め調査する必要があります。
アドエアではドローン輸送は定期便となる→定期コースを飛行する という想定をしています。

ではその危険予想空域で風下側には何があるのか
もしパラシュートを開傘させたらどこら付近へ流れついて着地するのかを想像すると、例えば道路などの手前へ着地させたいのか、道路を飛び越して着地させたいのかの二択になります。
ではそこでその危険空域を飛行する際の位置や高度を選ぶ判断材料となります。
航空法との兼ね合いもありますが高度を下げて飛行している時に操縦不能となり緊急パラシュートが開けば 道路の手前に着地する可能性が高くなり、逆に高い高度を飛行している時であれば道路を飛び越してからの着地となる可能性が高くなるわけです。

パラシュートは素材を厳選しているとはいえ、ナイロン生地(布)とポリエステル系ライン(紐)で出来た空気抵抗を生み出すための道具でしかありませんが、その使用者により結果が異なります。
例として楽器の演奏と同じようにイメージするとわかります。これまでバイオリンを触ったこともない未経験者が名機と言われるストラディバリウスのようなバイオリンを買ってきて、翌日の演奏会で演奏をすることなど不可能です。音だけは鳴ることでしょう。楽器は音を出す道具だからです。
パラシュートも同じです。空気抵抗だけは生みます。
パラシュートの場合はどのように使うかは飛行前の仕込みにかかっています。
どのようにしてその仕込みを学び危機を軽減するかアドエアで今後そのノウハウを提供してゆきます。

アドエアではドローンの危機対策全般を扱ううえで、機材に留まらず知識のとしての危機対策を公開するために

緊急パラシュート及びドローン配送用のパラシュート型ドローンスクールを2022年度中に実施予定です。

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