タイプ:泡・辛口オレンジ
ヴィンテージ:2022
生産者:ザロ /ZARO
アルコール度数:11.5%
品種:ビアンケーラ主体、マルバジア、シャルドネ
生産本数:4000本
土壌:石灰質土壌、泥灰岩、堆積岩、フリッシュ
余計なものは使いません。素肌を感じるワイン!一杯目から主役になる、定番 ”オレンジ泡”
発泡性の強いペットナット。2022年8月20日に収穫、数日ステンレスタンクで醸し、9月4日に無濾過でボトリング。青りんご、黄りんご、黄プラムの香り。ドライでフレッシュ。まるで甘くないぶどうジュースのよう。りんご酸がイキイキと感じられる。1日置くと味わいに落ち着きと重厚感が出てくる。ミネラル感もこなれてくる。泡が抜けてもスティルワインとして楽しめるワイン。海から1kmのところに畑はあるので海の影響を受けている。エチケットはヨットと魚。亜硫酸無添加。
★マリアージュ★【6〜16℃】イカやタコのフリット、野菜の天ぷら、アジフライ、魚の唐揚げ、フレンチフライ。揚げ物が無性に食べたくなるワイン。
タイプ:泡・辛口グリ系
ヴィンテージ:2022
生産者:ザロ /ZARO
アルコール度数:13%
品種:ネグラテネラ
生産本数:2000本
土壌:石灰質土壌、泥灰岩、堆積岩、フリッシュ
想像以上に赤ワインの白ワイン!
発泡性がかなり強いペットナット。2022年9月24日に収穫。醸造方法はビアンカと同じ。色合いは薄旨の赤ワインのよう。グリ系品種なので実は白ワイン。アルコール度数が13%あるにも関わらず、さほどアルコールを感じない。ぶどうの質が良いという証。スモモなどの赤系果実を丸かじりしたようなジューシーな風味。ザクロの甘酸っぱさも感じる。シンプルな醸造からストレートに果物のニュアンスが伝わってくる。ワインの原料がぶどうであることが感じられる。亜硫酸無添加。
★マリアージュ★【6〜16℃】ムール貝の白ワイン蒸し、マグロの刺身、ビーフカルパッチョ、サーモンムニエル、カキフライ(タルタルソース)、色のついたシーフードが合う。
タイプ:辛口ロゼ
ヴィンテージ:2019
生産者:ザロ/ ZARO
アルコール度数:12.5%
品種:レフォシュク50、ネグラテネラ50
生産本数:-
土壌:石灰質土壌、泥灰岩 堆積岩、フリッシュ
スパイスと鉄分に大満足!貴方のまだ知らないロゼ。
ネグラテネラは、古くからイストラ半島に育つグリ系の土着品種。イタリア語でネグラは「ダーク」、テネラは「エレガント」の意。フレッシュさを残したいので、赤ワインに用いるレフォシュクよりも早めに収穫する。ソフトプレス後は天然酵母で14℃〜18℃で発酵。ステンレスタンクで滓ごと6ヶ月熟成させる。外観は赤ワインのように濃いビビッドレッド。スミレ、オリエンタルな鼻をくすぐるスパイス香。酸がジューシーで極ドライ。鉄分も感じる。ロゼの概念が変わるほど濃くてスパイシーなパンチのある味わい。
★マリアージュ★【12~15℃】鮪の赤身、オイルサーディン、クミンのサラダ、春雨サラダ、サーモンのフライ、餃子、ビリヤニ、スパイシーチキン。
SOLD OUT
タイプ:辛口白
ヴィンテージ:2020
生産者:ザロ/ ZARO
アルコール度数:13%
品種:マルバジア
生産本数:-
土壌:石灰質土壌、泥灰岩 堆積岩、フリッシュ
ふつうのワイン。スロヴェニア白と言えばコレ!
通称:海ワイン。土壌も気候も風(天気)もテロワールは、余すところなくアドリア海の影響を受けている。海抜220mの畑で根が伸びないため収穫量が少ないが、その分クオリティの高いマルバジアが収穫できる。酸がイキイキと豊富な9月上旬に収穫し、数時間ほど醸してプレス。ステンレスタンクを用いて発酵し、その後は6ヶ月間シュールリーを施す。レモン、グレープフルーツ、白い花の香り。酸はフレッシュでスーパードライなミネラル感。アルコールのボリュームもあり、辛口白にしては軽すぎない程よい骨格。アフターには軽い苦味と鋼のようなミネラルが感じられる。味わいのボリュームに満足な1本。
★マリアージュ★【12℃~】白身魚のオリーブオイルムニエル、鮎、魚貝の塩焼き、山菜おひたし、ハマグリと柚子の吸い物、筍の塩煮、焼鳥(塩)、海鮮の造り。生牡蠣。海の幸と合う。前菜~主菜までOK!
イゾラのプレイボーイ
マテーシュ ザロ
“全てのワインはぶどうからはじまる!"ー Matej Zaro ー
ZARO家はスロヴェニア南西部のイゾラという港町(イストラ地区)で、1348年からワインを造り続けています。創業700年の歴史を誇る、イストラ半島では最古のワイナリーです。設立当初は2haのオリーブ畑からはじめて、今やワイン産業がメインとなりましたが、ぶどう畑とオリーブ畑を合わせて20haほど所有しています。0.5ha以下の畑が一般的で、小規模な生産者が多いスロヴェニアでは、20haともなれば規模が大きいと言えるかもしれません。それでも全ての工程を家族で切盛りしています。
先祖から代々受け継いだ伝統を今に伝えます。畑の耕作や醸造においては、より良いワイン造りを求めて、現代的なアプローチでアップデート&アップグレードを繰り返します。ZAROの長い歴史の中で、ワイナリーのあるべき姿は、時代ごとに変化してきました。スロヴェニア共和国が誕生する以前の社会主義国家時代は、生産者の元詰めが禁止されていました。1991年に旧ユーゴスラビアから独立すると、同ワイナリーでも1994年より栽培からボトリングまでを一貫して行うことになりました。近年では2015年に父から長男へ世代交代。現在は30代半ばの若きマテーシュを頭に、家族でワイン造りに精を出しています。
春から秋にかけて、ZAROの畑は色とりどりの花畑と化します。蝶々や小鳥が飛び交い沢山の生き物の住処となります。雑草(カバークロップ)は表土を守り、土壌の水分を保ちます。畑はPH7~7.2の中性の土壌で、貝殻も見られます。海岸からわずか1キロメートルの距離で、昔はこの一帯は海の底でした。そのため土壌にはミネラルが豊富で、それらはワインにも影響を及ぼしています。80%の畑が35~45°の丘の傾斜の中腹に広がり、全て南に面しています。1日(10時間/日以上と)長きに渡り太陽を浴び、十分な日照量が確保されています。斜面を海風が吹き付けるので、湿度は低くぶどうはカビなどの病気からも守られます。ぶどう栽培には絶好の場所で、またぶどう畑を登り切った丘からの眺めは絶景で、眼下にイゾラの街並みと地中海が望めます。アドリア海にオレンジ色の太陽が沈む時、それはまるで映画のワンシーンのような、スペクタクルな光景です。マテーシュはガールフレンドをここに連れて、スパークリングワインで乾杯するのだとか。ワインを飲むにも、恋人同士が語るにも最高のロケーションです!
アドリア海に沈む夕日とイゾラの街並み
ZAROは各々のキュヴェで、目指すワインのスタイルによって、ぶどうの房数や葉の枚数をコントロールしています。また、畑の区画、収穫のタイミング、選果基準を変えています。例えば黒ぶどうのレフォシュクでは、フレッシュなロゼワイン用には、酸味がピークの9月上旬に収穫します。同じ品種でも上級キュヴェの赤ワイン用には、糖度が最高になるまで待ち、水分が凝縮されて果皮にシワがよるまで待ちます。果汁は糖度計で計ると30度あります。とても甘いのですが、この品種は酸が豊かなので、実に良いバランスです。「全てのワインはぶどうからはじまる」とZAROは信じています。
どんな理由でオーガニックワインを造っているのか質問しました。ワインを哲学する時、好きが根底にあることが大切だとマテーシュは語ります。食品に厳しいスロヴェニアは、オーガニック産業の先進国です。自然に沿ってぶどうを育て、ワインを造るのが重要だと彼は答えました。熱心に先輩たちから学ぶ若者の姿勢、困った時にはお互い助け合い、イストラの生産者ネットワークには、現代では希薄になってしまった人間関係が密に感じられます。チャレンジ精神が旺盛なこの世代が、これからもスロヴェニアのワイン界を牽引していくことでしょう。イゾラ一のプレイボーイと囁かれているZAROマテーシュもその一人と想像します。今後、ますます気になる造り手です。