タイプ:フルボディ赤
ヴィンテージ:2020
生産者:ロヤッツ/ROJAC
アルコール度数:13.6%
品種:レフォシュク =レフォスコ、テラン
生産本数:-
土壌:海洋沈殿物の石灰層からなる
5600~3390万年前のフリッシュ
スロヴェニアで一番美味しい赤ワインを造るのはオレだ! by生産者
一部ビオディナミを採用。南東の斜面に植えられた樹齢30年の木。5750kg/ha(1kg/木)の収量で9月の3~4週目にやや過熟気味で収穫される。温度管理をせず(25~30℃)開放型の大樽で15日醸す。その間は4時間おきに手動でパンチングダウン。スラボニア&スロヴェニアの225Lの古樽で18ヶ月熟成(味わいではなく熟成容器として樽を使用)目減り分に補酒をしない。ノンフィル、ノンコラ。カレンダー(?)により2022年11に月光の元でボトリング。 熟れたプルーンの香りとスパイスが鼻をくすぐる。酸が豊かな品種だが、タンニンも豊富なので突出せず美しいバランスを保つ。アフターに濃厚な果実味を感じ飲み応え抜群!コスパ最高! フリー亜硫酸9㎎/ℓ ボトル内のエイジングによる酸化、天然コルクによる酸化を防ぐため、ボトリング前に少量を添加。
★マリアージュ★【18℃】鰻ざく、酢豚、ビーフシチュー、 鹿肉ワインビネガーソース、煮込みハンバーグ、サーロインステーキ。肉とどうぞ。バルサミコ、黒酢など酸味のあるソースが合う。
タイプ:辛口オレンジ
ヴィンテージ:20219
生産者:ロヤッツ/ROJAC
アルコール度数:12.6%
品種:マルバジア50、ビアンケーラ50
生産本数:5000本
土壌:海洋沈殿物の石灰層からなる 5600~3390万年前のフリッシュ
アンフォラ仕込みの極上オレンジワイン!
一部ビオディナミ。南東の斜面に植えられた樹齢40年の木。5500kg/ha(1kg/木)の収量で9月2週目に収穫される。温度管理をせず(14~22℃)1000~1500ℓのアンフォラで9~3月までの7ヶ月で5回の満月を迎えながら醸す。マロラクティック発酵あり。スラボニア&スロヴェニアの225Lの古樽で18ヶ月熟成。(味わいではなく熟成容器として樽を使用)ノンフィル、ノンコラ。カレンダー(?)により2023年1に月光の元でボトリング。 濃いオレンジ色の外観、杏子、マーマレード、アカシアの蜂蜜などの複雑な香り。熟れた果実、タンニンと酸のバランスが絶妙。アンフォラによる酸化や樽のニュアンスより、ぶどう本来の厚みが前面に出ている。赤ワインのようにフルボディで素朴なオレンジワイン。ROJACの個性が光る逸品。エチケット右の男性は当主Uros Rojac、左は親友Boris Novak。二人の名前を合体させてBoris+Rojac=Borac(ボラッツ) フリー亜硫酸3㎎/ℓ (ボトル内のエイジングによる酸化、天然コルクによる酸化を防ぐため、ボトリング前に少量を添加)
★マリアージュ★【15~18℃】鶏ハム、油淋鶏、唐揚げ、西京漬け、豚の角煮、とんかつ(塩)、アクアパッツア、カラスミ、ヘシコ。肉魚どちらでもOK! 旨味が豊かなので味噌や出汁にも合う。 味わいが濃厚な珍味ともおすすめ。
About ROJAC(ロヤッツ)
産地:プリモルスカ、イストラ半島、イゾラ
創業:19世紀
畑・生産本数:15.5ha
有機栽培
補糖なし、瓶内二次発酵も補糖なし
天然酵母を使用
2002年より有機農法
ユーロリーフ・オーガニック認証取得
部分的にビオディナミを採用
遊び心のある気まぐれ野生児
ウロシュ ロヤッツ
"スロヴェニアで最も美味しい赤ワインを造るのはオレだ!" ー Uros Rojac ー
白ワインの銘醸地であえて赤ワインを造るということ
ROJAC(ロヤッツ)は、スロヴェニア西部のプリモルスカ地方、イストラ地区の港町イゾラに本拠地を置きます。海岸から東に進むとなだらかな丘があり、その峰には黒ぶどうの畑が広がります。この土地で何世代にも渡って、ワインを造ってきたのがROJACです。
1980年代は品質が悪くて美味しくないという理由から、スロヴェニアでは赤ワインにコーラを混ぜて飲んでいました。このような飲み方は、いかなる生産者も歓迎しないでしょう。それから半世紀の時が経ち、品質は向上しつつも、大抵のスロヴェニアの生産者は、沢山の白ワインの中に数種類と少しだけ赤ワインを造っています。このことからもわかるよう、スロヴェニアは冷涼なワイン産地のため、7:3で白ワインを得意とする国です。赤ワインは白ワインと比べると、バラエティが極端に少なく、その選択肢の狭さと価格の高さから、現地でもつい白ワインに手が伸びてしまいます。実際、同メーカーの赤白が並んでいたら、90%のスロヴェニア人は白を選びます。そこにはそれぞれ理由があるのでしょうが、スロヴェニアでは白ワイン(オレンジワイン含む)が一般的なのです。それを打破しようと60年前の祖父の時代から奮闘してきたのがROJACです。「〇〇の赤ワイン飲んだ?あんなに美味しい白&オレンジワインを造るのに、赤ワインは所詮あの程度のレベルなんだ」と当主ウロスはお友達のワイナリーを平気でディスります。彼は「美味しい赤ワイン造り」に命をかけてきたのですから、評価がシビアになるのも無理ありません。白ワイン(=オレンジワイン)がメジャーな国で、マイナーな赤ワインを手掛ける。何世代にも渡った、このチャレンジ精神には脱帽です。
スロヴェニアは国土の46㎞をアドリア海に面しています。イストラ地区は地中海性気候の影響を受け、多雨で暑いのが特徴です。真夏の照りつけるような日差し、朝晩の寒暖差、海風が吹き付ける丘の斜面。ここでは豊かな酸と糖を含んだ、良質なぶどうが栽培できます。好条件が揃いにも揃い、イストラはスロヴェニアの赤ワイン全生産量の46%を誇っています。赤ワインに使用されるレフォシュクは、スロヴェニア作付け面積ナンバーワンの品種です。ローマ時代より前に、タジキスタンやウズベキスタンから伝わりました。のちにイタリアに伝播してレフォスコと呼ばれるようになりました。ウロシュはリュブリャナ大学のバイオ工科学部で(バイクで通学し、時に事故を起こした)、レフォシュクについての論文で物議を醸しました。レフォシュクは彼に取って特別です。畑の平均樹齢30年。果粒は果皮の色が濃く、酸がとても豊かです。果汁は糖度計で30度と甘いのですが、この品種は酸がしっかりとあるので、実に良いバランスです。また鉄分にも恵まれている品種です。ぶどう木1本から約1kgの収量を守ります。
天然酵母を使用して温度管理をせず(25~30℃)、開放型の大樽で2週間ほど醸します。4時間/日かい棒を使用して、手動でパンチングダウン(二酸化炭素によって液面に浮いてきた果帽を果汁に沈める作業)を行い、果皮の色と成分を果汁に抽出させます。その後、キュヴェによって18ヶ月あるいはもっと長くフレンチオーク&スロヴェニアオークの古い小樽とステンレスタンクを併用して熟成させます。畑のテロワールとぶどう品種の個性を引き出すため、新樽は使用しません。樽の風味が全てをマスキングしてしまうからです。また、熟成期間中、樽から蒸発してワインは目減りしますが、その分を補酒(リザーブワインを使って補填)するのを控えます。更に6ヶ月ステンレスタンクで熟成させます。自然沈殿で清澄するのを待ち、上澄みだけを移し替えます。フィルターはかけません。カレンダー(種まきカレンダー?ビオディナミカレンダー?)により、月光の元でボトリングして出来上がりです。
「スロヴェニアで1番美味しい赤ワインを造るのは ROJACだ!」そう、ウロシュはキッパリ断言します。スロヴェニアでここまでのものを造り上げるのは、並大抵なことではありません。恐れ入りました。だって彼のワインは、思わずニヤけるほど、美味しいのですもの。ウロシュの赤ワインに向き合う真摯な姿勢に心撃たれました。今飲んでも、もう少し寝かせても楽しめる極上の赤ワインです。
最後にウロシュについて少しだけ言及しましょう。彼と出会ったのは2017年10月。リュブリャナで開催されたワイン展示会でウロシュの弟であるプリモッシュと知り合いました。率直に「この赤ワインはとても美味しい!この造り手をもっと知りたい」と感じました。スロヴェニアで群を抜いての赤のクオリティだったので、驚きを隠せません。兄がコペルでワインを造っていると言うので、その衝動から「鉄は熱いうちに打て」です。すぐさまアポイントを入れてROJACを訪問しました。当時はまだ若かったウロシュ。細身ですらっとした、なかなかのイケメンでした(!ビフォーアフター!の写真を参照ください)セラーを見学して試飲後は色々と語り、この人ホンマもんや!「いつか必ず注文するから!待っていて!」と約束をしました。というのもその時の365wineは、力不足だったのです。輸入および販売力がなかったため、直ぐには取り扱えなかったのです。その3年後に会社を整え、初めてオーダーを入れました。それからコンスタントにお取引ができるようになりました。
さて、この男ウロシュ、ただ者ではありません。一緒にいるといつもハラハラ、ドキドキ、スリル満載です。スピード狂だし、口は悪いし、喧嘩は早いし、酒癖も悪いし、4回ぐらい結婚もしているし、相当ぶっ飛んだ男性なのです。おふざけが過ぎることも多々ありますが、自由な精神で知られています。ワインのこととなると一転します。それは真剣です。全くの妥協はありません。セルビア人の労働者たちにも、親分からビシバシと鞭が飛びます。不仲なKABAJのジャンも、「彼のワインは一切のミステイクがないホンモノ」と密かに称賛しています。ROJACの赤ワインは絶対に試して欲しいです。このワイン飲まずしてスロヴェニアの赤ワインは語らないで頂きたいです。それぐらいおすすめです!
また、アンフォラを使ったオレンジワインも絶品です。誰が飲んでも頷く、とても素晴らしいワインに仕上がっています。
是非ご賞味下さいませ!
東京ワインショップガイドに掲載されたスロヴェニアワイン特集ページでもROJACのワインを紹介しています。
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