ゼミ担当教員 早野慎吾 教授 専門:言語学(特に音響音声学)、社会心理学、情報工学
担当者は、日本語学・社会言語学を専門とし、方言、音韻・アクセント、言語景観、語用論を中心に、長年にわたるフィールドワークと計量的分析に基づく研究を行ってきました。1990年代より統計的手法を日本語研究に導入し、実証性を重視した分析を継続しています。近年は生成AIやPythonを用いた大規模データ分析、調査票設計の高度化にも取り組み、言語研究の方法論的拡張を進めています。これらの成果は学術論文や研究プロジェクトとして国内外に発信されており、日本語研究の新たな方向性を示しています。
現在、早野研究室では、人間だけでなくロボットが感情を表現することを目指した研究・制作に取り組んでいます。日本の伝統芸能である人形浄瑠璃は、300年以上の歴史の中で、喜び・悲しみ・怒りといった感情を高度に表現する技法を発達させてきました。本研究では、その豊富な表現体系を「文化的ビッグデータ」として捉え、AIに深層学習させることで、感情を表現できるロボットの実装を実現しています。
この成果は、2025年12月に科学技術振興機構(Japan Science and Technology Agency)によって、日本を代表するAIを活用した先端研究の一例として世界に向けて発信されました。
早野研究室では、生成AIを単に「使う」だけでなく、AIの設計・実装そのものや、Pythonを用いたデータ分析にも重点を置いています。言語・文化・芸能といった人文系の対象を、計算機的・統計的に分析し、AIへと接続する点が本研究室の大きな特徴です。
上の画像は、現時点で開発が進められている感情表現ロボットの一例です。
本ゼミでは、ChatGPTやPython、Praatなど、言語研究やデータ分析において不可欠なソフトウェアを活用しながら、実践的な分析手法を学びます。理論を学ぶだけでなく、実際に自分のデータを扱いながら分析を行うため、研究の進め方を具体的に理解できる点が大きな特徴です。
私は卒業論文で、PraatとPythonを用いて、あいみょんの楽曲を対象とした音響分析を行いました。基礎知識がほとんどない状態からのスタートでしたが、自分で収集したデータを、先生がその場で処理・分析していく過程を間近で見ながら学ぶことで、徐々に理解を深めることができました。試行錯誤しながら分析を進めていく経験は、とても刺激的で、研究の面白さを実感できるものでした。
本ゼミでは、学生一人ひとりの興味や関心を尊重し、比較的自由に研究テーマを設定することができます。「好きなこと」を出発点に、それを学術的に掘り下げ、科学的なデータとして検証していく姿勢が重視されています。また、英語が苦手な学生でも、DeepLなどの翻訳ツールを活用しながら英語論文を読み進める方法を学べるため、安心して研究に取り組むことができます。実際、私は英語で卒業論文をまとめました。
写真は、ゼミで行った交流会の様子です。ゼミで学んだ生成AIを活用して、写真の加工にも挑戦しました。このほかにも、合宿や食事会など、ゼミ生同士が交流する機会が多く、学年を越えて親しくなれる点も本ゼミの魅力の一つです。
桃山 美羽(2023年度入学)ひとりではなくチームで研究する
近代語ゼミの大きな特徴は、グループワークを通して研究方法を実践的に学べる点です。私たちの学年のゼミでは、早野先生から生成AIやpythonの活用方法について助言をいただきながら、フィールドワークで使用する調査票をグループで作成しています。研究テーマの設定から調査設計までを共同で進めることで、研究の基礎力を身につけることができます。
また、卒業論文をグループ執筆できる点も、このゼミならではの特徴です。私たちの学年では、北海道札幌市での方言調査を予定しており、音韻やアクセント、同意要求表現や卑罵表現など、各人が関心を持ったテーマについて共同調査を行います。ひとりでは難しい大規模な調査にも取り組める点が魅力です。
ゼミ合宿はフィールドワークのためだけでなく、ゼミ生同士の親交を深める場としても大切にされています。2025年の夏には伊豆半島で合宿を行いました。日頃の授業や合宿、懇親会などを通して、同学年のつながりはもちろん、先輩・後輩との縦のつながりも築きやすい、雰囲気のとても良いゼミです。
A study on Modifier in Japanese Simile Comprehension
Emotional Expressions of Hachioji Kuruma Ningyo Nishikawa Koryu the Fifth:Analysis of Movements and Narration
Figurative Expressions in Aimyon’s Singing and Their Acoustic Characteristics
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ゲームキャラクターの個性としゃべり方の関連性についてゲーム
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アニメ『おねがいマイメロディ』におけるキャラクターの発話と人物像