ゼミ担当教員 早野慎吾 専門:言語学・音声学、社会心理学、情報工学
現在、早野研究室では、人間だけでなくロボットが感情を表現することを目指した研究・制作に取り組んでいます。日本の伝統芸能である人形浄瑠璃は、300年以上の歴史の中で、喜び・悲しみ・怒りといった感情を高度に表現する技法を発達させてきました。本研究では、その豊富な表現体系を「文化的ビッグデータ」として捉え、AIに深層学習させることで、感情を表現できるロボットの実装を実現しています。
この成果は、2025年12月に科学技術振興機構(Japan Science and Technology Agency)によって、日本を代表するAIを活用した先端研究の一例として世界に向けて発信されました。
早野研究室では、生成AIを単に「使う」だけでなく、AIの設計・実装そのものや、Pythonを用いたデータ分析にも重点を置いています。言語・文化・芸能といった人文系の対象を、計算機的・統計的に分析し、AIへと接続する点が本研究室の大きな特徴です。
上の画像は、現時点で開発が進められている感情表現ロボットの一例です。
本ゼミでは、ChatGPTやPython、Praatなど、言語研究やデータ分析において不可欠なソフトウェアを活用しながら、実践的な分析手法を学びます。理論を学ぶだけでなく、実際に自分のデータを扱いながら分析を行うため、研究の進め方を具体的に理解できる点が大きな特徴です。
私は卒業論文で、PraatとPythonを用いて、あいみょんの楽曲を対象とした音響分析を行いました。基礎知識がほとんどない状態からのスタートでしたが、自分で収集したデータを、先生がその場で処理・分析していく過程を間近で見ながら学ぶことで、徐々に理解を深めることができました。試行錯誤しながら分析を進めていく経験は、とても刺激的で、研究の面白さを実感できるものでした。
本ゼミでは、学生一人ひとりの興味や関心を尊重し、比較的自由に研究テーマを設定することができます。「好きなこと」を出発点に、それを学術的に掘り下げ、科学的なデータとして検証していく姿勢が重視されています。また、英語が苦手な学生でも、DeepLなどの翻訳ツールを活用しながら英語論文を読み進める方法を学べるため、安心して研究に取り組むことができます。実際、私は英語で卒業論文をまとめました。
写真は、ゼミで行った交流会の様子です。ゼミで学んだ生成AIを活用して、写真の加工にも挑戦しました。このほかにも、合宿や食事会など、ゼミ生同士が交流する機会が多く、学年を越えて親しくなれる点も本ゼミの魅力の一つです。