近代文学ゼミ
(吉田ゼミ)
本ゼミについて
担当教員の専門は近現代詩です。 近現代の詩歌を研究したい人はもちろん歓迎しますが、本ゼミではジャンルにこだわらず近現代の幅広い文学を研究対象にすることが可能です。
とは言え、先行研究が少ないマイナーな作家や作品を研究するには戦略が必要となるでしょう。なぜそれを卒論のテーマに選ぶのか、たとえ担当教員に難色を示されても説得的な理由と展望を示せるなら、何を選んでどう苦しむも自由です。
吉田ゼミでは、さまざまなジャンルを選ぶ人たちと作品の読みをめぐって真剣に議論する中で、どんな作品であっても研究に値するテーマを見出し、解釈し批評できる力を鍛えてほしいと思います。
担当教員 吉田恵理
これまでの卒業論文題目
2023年度卒業論文
村田沙耶香作品における「正常」—— 「コンビニ人間」を中心に
夢野久作『ドグラ・マグラ』における「精神」—— 同時代の精神医学に関連づけて
石垣りん詩における〈食〉
寺山修司『毛皮のマリー』における「変装」
小川未明童話における〈移動〉
凪良ゆうBLにおける恋愛と家族
坂元裕二『大豆田とわ子と三人の元夫』における〈雑談〉と〈脱家族〉コミュニティ
〈愛〉と〈拒絶〉の関係性—— 最果タヒ詩論
中原中也「月の光」論—— ヴェルレーヌと中也の月下世界
辻村深月『冷たい校舎の時は止まる』論—— 成長しない生徒たちと学校空間
森見登美彦『熱帯』論—— 小説をめぐる小説について——
朝井リョウ作品における「多様性」と「性」の正しさ—— 『正欲』を中心に
2022年度卒業論文
川上弘美『神様』における「私」の変容と異種との共存
芥川龍之介『桃太郎』論
三島由紀夫における「文武両道」—— 『太陽と鉄』を中心として
「だまされる才覚」の正体 —— 『プラネタリウムのふたご』論
大江健三郎『「雨の木」を聴く女たち』論
近現代の怪異・ホラー小説の系譜における澤村伊智『ぼぎわんが、来る』の特異性
「堕落論」と読む「桜の森の満開の下」
角田光代『八日目の蝉』論 —— 母性について
辻邦生『夏の砦』に見られるイマージュの手法
窪田空穂『土を眺めて』における挽歌の性格と長歌の興り
2021年度卒業論文
虚実の狭間に —— 『孤島の鬼』から見る乱歩作品における空想と現実
山田詠美『放課後の音符』論
桜庭一樹の少女少説の世界 —— 『青年のための読書クラブ』論 ——
梨木香歩『西の魔女が死んだ』論
三秋縋『君の話』論
野崎まど『バビロン』論
組み込まれた物語性 —— 谷川俊太郎『トロムソコラージュ』論
長野まゆみ『テレヴィジョン・シティ』論 —— 解放をめぐる闘い
言葉によらない対話の表現 —— 瀬尾まいこ『僕の明日を照らして』を中心に——
太宰治「女生徒」論 —— 矛盾する「私」の有り様——
綿矢りさ作品における女性像 —— 『勝手にふるえてろ』を中心に——
桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』論—— ジェンダーから見る桜庭一樹——
2024年度ゼミ長より
研究分野について
幅広い時代、ジャンルから研究対象を選択することができます。近代はもちろん、現代の作品を研究対象にするゼミ生も多くいます。ジャンルも小説だけでなく詩歌、戯曲、脚本など多岐にわたっています。
ゼミについて
3・4年生合同で90分×2コマのゼミです。その週の発表に対してゼミ生が意見を出し合う形で進められており、長いように感じるかもしれませんが意外とあっという間です。ゼミの時間だけではもの足りず、休憩中にも議論のようなことをしていたり、延長戦に突入したりすることも多々あります。ルールや決まりはないので、それぞれが考えたことを思い思いに話せる雰囲気があります。
先生について
近現代詩が専門で、特に中原中也について研究されている先生です。どんな研究に対しても親身になって適切なアドバイスをくださり、とても頼りになります。やるときはやる、楽しむときは楽しむという方で、ゼミ中の鋭い指摘からは想像もつかないようなギャップを感じられることもあります。
さいごに
吉田ゼミは個性豊かなゼミです。このゼミに入っていなかったら出会えなかっただろう作品にたくさん触れることができますし、自分では思いつかないような視点を持つ仲間たちがたくさんいます。決まった型がないからこそ悩むこともありますが、そこも含めてこのゼミの良いところだと思います。悩み、楽しみ、充実した素敵なゼミを一緒に作っていきましょう。
Gallery
2022年度ゼミ合宿
2022年度卒業生追いコン
2023年度 文学フリマ
2023年度 ゼミ合宿
𠮷田ゼミネット係作成