哲学専攻
こちらでは哲学専攻の最新ニュースを中心にお伝えします。
【専攻長メッセージ】
VUCA時代に必要とされる知と実践のてがかりを「哲学」を通して発見する
現代社会がVUCA、すなわちVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)に深く侵食された世界である、といわれてすでに久しくなりました。多くの人が、未来が不確定であることの居心地の悪さを感じているとも思われます。世界を覆う数々の分断や暴力の跋扈も、その不安を強める要因でしょう。
それに対して、西洋に端を発する哲学の試みは、「知についての知」の内実を明らかにしようと2500年にわたる長い伝統を一度も途切れることなく継続的に形成してきました。そうした知の蓄積には当然、時代の制約による限界も含まれています。が、同時に現代では全く顧みられず、忘却してしまった事象の豊かな発見可能性も含まれています。
哲学専攻の大学院では、この長大な歴史と現代の喫緊の課題とをつなぐ紐帯として、多種多様な分野の講義が組まれており、そこでは「テクストの緻密な読解」から「少人数演習による開かれた討論」、「理論的把握を超えた実践的な展開可能性の発見」にいたる豊富な学習機会を見出すことができます。未来の不確定さに押しつぶされそうになることもなく、その逆に過度に安住してしまうこともなく、伝統と現代を知的に往還することにより、理論と実践、認識と存在、論理と日常言語といった数々の二項対立的な思考の罠から抜け出すチャンスも生まれます。
哲学専攻で学びながら、自分自身の力で立ち上がることのできる「知」の形を習得できることを心から願っています。
哲学専攻
専攻長 稲垣 諭
専攻概要
本専攻は理論哲学と実践哲学の区別された統合を理念に掲げ、これを社会で実現できる人材の養成を目的としています。
理論哲学を軸にする場合には、伝統的哲学のテクスト解読と解釈の積み重ねのうえに立って研究を進めます。実践哲学としては、たとえばリハビリテーション医療にかかわる身体論や人工知能の倫理学、SNSテクノロジーからサブカルチャーにいたる現代的課題にかかわる研究に従事することもできます。また、人間の心理に関わる精神医学の講義も受講できます。
理論哲学・実践哲学のどちらを中心においても、両方の統合的な知を身につけることが可能です。
入学定員:前期課程5名/後期課程3名
開講時間:昼間開講
キャンパス:白山
学位:前期課程 修士(文学)/後期課程 博士(文学)
取得可能な資格:高等学校教諭専修免許状(公民)/中学校教諭専修免許状(社会)