インド哲学仏教学専攻

ちらではインド哲学仏教学専攻の最新ニュースを中心にお伝えします。

カリキュラムや時間割等、履修に関する情報は「大学院 在学生ポータル」で公開しています。

【専攻長メッセージ】

長い伝統をもつインド哲学および仏教学を学び自己の「智慧」を磨く

 市場経済発展にともなう急速なグローバル化が進展しているなか、現代の地球社会では独自の文化をもった諸民族間の相異も浮き彫りになり、かつてのような大規模な衝突ではないにせよ、各地域での民族あるいは宗教の間の衝突のニュースがマスメデイアを賑わしています。価値観の一元化と、それに抗する諸民族のアイデンティティの衝突ともいえるかも知れません。こうした状況のなかで、私たちインド哲学仏教学専攻は、“人は如何にして生きるべきか”という根本命題を考究しています。それは、インド古代から中世にかけて培われ、インドを含めた南アジア、チベットなどの内陸アジア、中国・日本などの東アジア、そして東南アジアに連綿として受け継がれ、各々の民族的・文化的独自性をもつ人々の生きる指針となっている智慧とその体系を真摯に学び、現代の問題として再認識することを通してです。

 本専攻の具体的な研究領域は、古代インドに発生し世界宗教となった仏教の各地域・各時代における思想、そして、古代インドの諸思想や哲学体系およびその後に発展したヒンドゥー教などの思想が中心となります。したがって、仏教の研究を志す学生は、サンスクリット語、パーリ語、古典チベット語、漢文などを学びながら、それらの言語で残されている文献資料を主に研究することになります。また、インド哲学や文化研究を含めたインド学の研究を志す学生は、サンスクリット語を軸としつつもヒンディー語などの近代インド諸語にも留意しながら研究していきます。文献研究が中心となりますが、文献に描かれた事象を当該の現地に赴いて実際に見聞し経験して確認する方法も、国際化時代の今日において必要といえます。

 情報技術の進歩、とりわけ生成AIの発達によって、私たちの研究環境は大きく変化しています。しかし、溢れんばかりの情報を取捨選択して知の体系として提示できるようにするのが研究主体であるみなさんであることは、今も昔も変わりません。それゆえ、私たちの専攻は、「仏教思想と文化、またはインド思想と文化に関する豊かな学識を有し、それらを実社会で活用できる人材を養成することを目的とする」と宣言するのです。大いに歓迎します。


インド哲学仏教学専攻

 専攻長 堀内 俊郎 

専攻概要

 本専攻では、インド古代・中世・現代の思想・文化、およびインドで開花した初期仏教・大乗仏教、そしてアジア各地域で各々の地域の民族の思考方法により新たに構築された仏教にいたるまでの、インド学仏教学全般を広く研究対象にしています。

 原典を厳密に追究したいという本格的な研究者ばかりでなく、インド思想や仏教思想を人生の指針にして社会において活躍したいとする高度教養人育成も大きな目標としており、社会人の方々の参加も歓迎しております。               

 特定の宗派にとらわれず、各自が自由に知りたいことを探究できる研究環境で、是非一緒に学んでみませんか。


    入学定員:前期課程4名/後期課程3名

    開講時間:昼間開講

    キャンパス:白山

    学位:前期課程 修士(文学)/後期課程 博士(文学)

    取得可能な資格:高等学校教諭専修免許状(公民)/中学校教諭専修免許状(社会)