葉っぱのウロコ

(平成30年4月)

「鯉のぼりを作ってみようよ」

新年度が始まってすぐのことです。担任の先生がぞう組(年長児)さんに提案しました。そこからは、みんなで話し合いを重ねました。どんな鯉のぼりにするか。大きいの、小さいの? 材料は何を使うか。紙、布? 意見を出し合って決めていきました。

鯉のぼりを見たことがないお友達もいます。先生は慌てません。得意の釣りで培った知識を披露したり、絵を描いたり、紙芝居を見せたりして、子供たちの想像力をかきたてます。

ぞう組さんが鯉のぼりを作ると聞きつけた乳児組のS先生から、シーツの提供がありました。ちょうど使っていないのが家にあったのです。(ご安心ください、未使用です)鯉のぼりにうってつけのシーツです。大きくて真っ白なシーツを眺めていると、イマジネーションが広がっていきます。


ウロコは葉っぱで作ることにしました。園庭には、生え変わりの季節を迎えたシラカシの葉っぱがたくさん落ちています。大きなビワの葉っぱや、名前の分からない葉っぱもあります。ボンドを使って貼り付けると、ちょうどいい具合のウロコができました。

ちなみに裏側は、絵の具でウロコの模様を描きました。黄と青と緑のコントラストが若葉のようで、春らしい色合いになりました。

「口のところは、竹を使おう。竹はしなるからいいんだよ」

Y君が素晴らしい提案をしてくれました。布佐探検(という名の散歩)に出かけた際、竹林を見つけました。使えそうな細い竹を見つくろいます。口の部分に取り付けると、大きく開いた口ができあがりました。これで断然、鯉のぼりらしくなりました


ぞう組の鯉のぼり、完成です。一報を聞いた園長が見に行くと、Sちゃんが誇らしげに教えてくれました。

「あたしたちが、じぶんで考えて、じぶんで作ったんだよ。すごいでしょ!」

あまりの誇らしさに、鼻の穴が鯉の口のように広がっています。


他のクラスをのぞくと、壁面には様々な鯉のぼりが飾られていました。どのお部屋も、個性豊かな鯉たちが泳ぎ回っています。保育園がにわかに水族館になったようです。

お迎えにいらしたときは、お子さんのクラスの鯉のぼりを見るついでに、ぜひ2階のホールにも足をお運びください。葉っぱのウロコを光らせた大きな鯉がお待ちしています。(ただしエサはやらないでください!)