光らない泥だんご

砂っぽい土を握り固めてようやくだんごができました。次は「しろ砂」。子どもが付けた呼び名で、乾燥した粒子の細かい砂のことです。だんごにまぶしながら手のひらでコロコロ転がします。するとだんごは光り始めました。と言いたいところですが、そう簡単には光りません。

「僕もやりたい」という声に応じ、ひと通り作り方を教えてあげます。「作って」という要望は却下です。自分で作るから楽しいのさ。A君は砂場の砂でだんごを作ろうとしますがうまく固まりません。Bちゃんは小石の混じった砂で磨いていますが光りません。

まん丸のだんごを作りなおかつそれを光らせるのは、結構大変なことなのです。という訳で、今日のところはまったく光らないデコボコのだんごが10個ほどできました。でも子ども達は意外と満足そうです。

お昼に保育教材のカタログを眺めていて腰を抜かしました。「泥だんご製作キット」だそうです。だんご作成用と磨き用の2種類の砂がビニールの小袋に入れられ、ご丁寧に説明書付き。誰でもちょうどいい大きさの泥だんごを作り、ピカピカに光らせることができるというのが売り口上です。

このキットを使って上手に作れたとしても、楽しさは半減だろうな。一番楽しいのは恐らくこれを開発した人でしょう。失敗を繰り返しながら、様々な質と量の砂で試す過程にこそ本当の楽しさがあると思うのです。

さて翌日。牧の原宝保育園(姉妹園)に土を掘りに行きました。あそこの園庭は粘土質のいい土がとれるのです。オレンジエプロンを着けた総勢5名のシャベル部隊が活躍しました。子ども達は大喜びです。いつもと違う感触、違う色、違う固まり具合。C君なぞは体に塗りたくっています。

それはそうと、エンチョー先生が大事にしていた泥だんごがなくなってしまいました。玄関のカウンターにカップに入れて飾っておいたやつだよ。毎日少しずつ磨いて大切にしていたのに(涙)。

おーい犯人よ。怒らないから返して。こっそりコツを教えてあげるから。