たから広辞苑 ‐缶けり(動詞)編

【決める】

子供が集まると、「缶けり」と「ケイドロ」のどちらにするかで揉めることがある。最近は、「多数決」をおぼえたぞう組さんの主導により民主的に決まることが多い。きりん組のK君はどっちもやりたいので、必ずどっちにも手を挙げる。

【かぞえる】

オニは目を閉じて数をかぞえる。たからルールでは30までかぞえることになっている。まだ30までかぞえられない場合は、10までを3回でもよい。かぞえるスピードが早すぎると参加者から猛烈な抗議をうけることになる。

【隠れる】

それぞれお気に入りの場所があったりする。たとえば、A君は井戸の後ろ、Bちゃんは石塔の台座のかげといったぐあいに。ただ隠れているだけでも意外と楽しい。Rちゃんは、缶はねらわずにずっと隠れたままでいるのが好き。

【入る】

オニに見つかると牢屋に入らなければならない。牢屋は境内のベンチを柵で囲って作られることが多い。看守はおらず、囚人による自治がおこなわれている。なので、たまに脱獄がある。

【見つける】

オニは隠れている子を見つけたら、(1)名前を呼び、(2)缶を踏まなければならない。両方が完了していない時点では、隠れていた子に缶を蹴る権利が残る。オニが缶から離れ過ぎると「名前は呼んだけど缶が踏めない」という事態が起き、これが缶けりをおもしろくする要素にもなっている。

【見つかる】

一人で隠れていると、にぎやかな牢屋がうらやましくなることがある。そんな時Lちゃんは、草むらから顔を出してわざとオニに見つかる。見つけてもらうのもまた嬉しい。

【蹴る】

缶を蹴るのに成功するとオニの負けになり、その回は終了となる。ぞう組の缶けり名人は、猪突猛進のN君、足の速いY君、オニの隙をつくのがうまいMちゃんなど。最近はきりん組のT君、H君の成長が著しい。来年が楽しみ。