たから保育園、今日も元気にやってます

地震から3日たった月曜の早朝、保育園の電話が鳴りました。

「あのう、保育園は今日、やってますか?」

受話器の向こうから、Rちゃんのお母さんの遠慮がちな声が聞こえてきました。布佐にも大きな被害を受けた場所があるので、果たして保育園が開いているのかどうか、心配だったのでしょう。

いつも通り保育していることを告げると、「よかったあ」と安堵した様子です。


あの日、あの瞬間、どこで何をしていたか。覚えていない方はいないでしょう。揺れがおさまった後、真っ先に思い浮かんだこと、「わが子は無事か」。

一向につながらない電話。園にたどり着くまで不安な時間。家までの長い道のり。あんな思いをするのは、もう二度といやですよね。

午前中に、避難訓練を行ったばかりだったのが幸いしました。パニックに陥ることなく、みな職員の指示通りに避難することができました。大人だって恐かったのですから、子どももさぞ恐ろしかったと思います。みな良く頑張りました。

翌日の土曜日は、建物の点検のため、多くの方に家庭保育のご協力を頂きました。幸いどこにも異常は見つかりませんでした。様々な地震対策を講じながら、これまで一日も欠かさず、保育をおこなっています。保育士はいつも以上にやる気に溢れ、園庭にはいつもと変わらない子どもたちの笑い声が響いています。

困ったのは給食です。食材が予定通りに配送されません。そこへ来て計画停電の追い打ちです。給食先生が休み返上で食材を買い集め、それでも間に合わない時は献立の変更で対応しました。おかげで、給食室から湯気が立ちのぼらなかった日は一日もありません。

「こんな時こそ保育を」「こんな時こそ給食を」。私たちの胸に秘めた思いです。新しいお友達も、進級したお友達も、何も心配はいらないよ。安心して保育園においで。

おや、また電話がかかって来ました。

「はい、たから保育園です。今日も元気にやってます。」