お片付け

毎週木曜の夕方に職員の園内研修を行っています。今回のお題は「お片付け」です。「使っていたおもちゃを片付ける場面で子どもとどのように関わったらよいか」ということを話し合いました。

進んで片付けると「褒められる」、きれいになると「気持ちがいい」、さらに次に使うときに「見つけやすい・出しやすい」。こうしたプラスの体験を繰り返し積ませてあげることで、「おもちゃで遊んだらお片付け」という流れを習慣化する。私たちの基本的な考え方をまず再確認しました。

「捨てちゃうよ」などと怒られながら、マイナスの動機付けでお片付けの習慣がつくほど人間はカンタンじゃありません。「そうそう、私なんか未だに怒られているもんなあ」などと思っていると、討論の中心は「どのような手立てをしたらよいか」ということに移っていました。


  • 頑張っている子の名前を呼んで褒めてあげる。
  • ゲーム形式にすることで楽しみながら片付ける。
  • 片付けに入る前に一度集まり、散らかった庭の様子を眺めてから片付け始め、終わったら再び集まってきれいになった庭を見る。

などといった工夫が紹介されました。三番目に挙げた手立ては、一度集まることで「遊び」から「片付け」への行動の切り替えをスムーズにし、成果を視覚で確認することで快感・達成感を味わいやすくできるという効果があります。

白熱した意見交換が終わり、書類の散乱した机をコソコソと片付けていると、日の落ちた園庭にいるMちゃんの姿が目に入りました。庭に残されていたシャベルを片付けているのです。傍らにはお迎えに来たお母さんが立っていました。

早く帰って夕飯の支度に取り掛かりたいかもしれないのに、急かすこともなく、代わりにやってしまうこともなく、辛抱強く待っています。しばらくすると得意顔のMちゃんの頭をなでながら門を出て行きました。

よい子育ての見本を見せてくれたMちゃんのお母さんに心の中で拍手を送りながら、私も誓いました。

明日からは「読み終わった新聞はきちんとたたむ」。まずはそこから始めるとします。