お外に出られない日は

冷たい雨が園庭を濡らしています。今日はお外に出られません。でも大丈夫、お部屋の中にも楽しいことはたくさんあります。

積木にブロック、あやとり、お絵描き、線路をつなげて遊ぶ鉄道おもちゃ。年長児になるともう少し高度な遊びも加わります。数人の子が一緒に行なうテーブルゲームといわれる遊びです。

この時期の定番はかるたでしょう。他にもトランプの神経衰弱、ババ抜き、七並べ、それからドミノにウノなんていうのもあります。


わたしが子供たちとよく遊ぶのがドミノです。といっても並べた牌をパタパタ倒すドミノ倒しではなく、本来の遊び方でやるのです。

ドミノの牌はサイコロの目が二つつながったような形をしています。この牌を同じ数字どうしが並ぶようにつなげていき、手持ちの牌が早くなくなった人が勝ちになります。ゲームを楽しみながら、数の概念や足し算の基礎もごく自然なかたちで身についているようです。

最近はウノが流行っています。ウノならまかせとけと鼻息荒く参戦したものの、初めて一緒にやった時には「ぞう組ルール」の多さに閉口しました。

わたしを憐れむような目で見つめていたA君がおもむろに口を開きました。

「園長先生、いまはそのカード出せないよ」

諭すような口調がよけい傷つきます。子供たちが噛み砕いて教えてくれたおかげで、複雑な独自ルールもなんとか理解することができました。


一見ただ遊んでいるだけのように見えますが、なかなかどうして、こうしたテーブルゲームをするにはそれなりに力を必要とするのです。他者と協働しながら、遊びの場を形成し維持していく力です。

ルールを理解してそれを守るというのは当然のこと、想定外の事態には全員の同意を得ながら柔軟に解決策を探るという大人顔負けの対応さえします。

どんな子も排除せず(いれて・いいよ)、新参者には根気よくルールを教え(これが出たらカード2枚出してもいいの、わかった?)、理解力の劣る子には特別ルールを適用し(もう一回やり直してもいいよ)、許すことで争いを収める(ごめんね・いいよ)。

ああ、子供の方がよっぽどうまくやっているなあ。