はじめに

「戦争参加法制」賛成派にも、

「憲法9条」維持派にも、騙(だま)されるな!

『日本国憲法』第9条をめぐる議論は守旧派の罠!

「国体擁護」を訴える右翼も、「人権擁護」を訴える左翼も、

なぜか、憲法論議では「9条」の是非と解釈しか語らない。

守旧派エセ保守政権と反日左翼勢力の不毛な論議に騙されてはならない!

国民のための憲法論議を行うために、知るべきこと。

はじめに

現在、日本では「憲法論議」が盛んにおこなわれています。しかし、実際に行われているのは、ほとんどが『日本国憲法』第9条をめぐる議論です。確かに、『日本国憲法』第9条をめぐる議論は、日本の国防に直結する問題ですから、重要な議論であることは事実です。

しかし、そもそも、憲法というのは、「国のあり方」を決めたものです。明文化された憲法のことを「憲法典」といいますが、「日本の国体」や「国民の人権」について記すことが、憲法典の第一の目的です。ところが、日本では、日ごろは「日本の国体を守れ!」と叫ぶ右翼の人たちも、「国民の人権を守れ!」と叫ぶ左翼の人たちも、憲法論議について口を開けば「9条改正に賛成!」「9条を守れ!」「憲法9条はこう解釈すべきだ!」という、話ばかりしています。

自衛隊は『日本国憲法』第9条に違反している、という人がいるかと思えば、安倍政権が強行採決した「戦争参加法制」が憲法には違反しない、という人もいます。そして、多くの国民はそういう議論ばかりを聞いていますから、憲法論議の「本当の争点」に気付いていないのではないのでしょうか?

いわゆる「9条論議」は、国民の目を憲法論議の本当の論点からそらすための罠です。憲法論議は、国民の生活に直結する問題です。そもそも、「法理論上の憲法論議」と「政策論上の憲法論議」では、全く異なります。それを混同しないことも、憲法論議では重要な論点です。

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