録音の方法

※このページは,音声学を学んでいる学生のために作成したものです。音声学を研究する人のための専門的な情報ではありませんので,あしからず。

録音をする方法は様々にあります。録音機器を使い,カセットテープやMDに録音するというのは,一つの方法です。より高音質でとるために,DATやソリッドレコーダーを利用することもあります。また,別の方法として,パソコンで直接録音という方法もあります。ここでは,パソコンで直接録音をとるために必要ないくつかの情報を紹介します。

録音するためのソフトウェア ―Audacity―

音声を録音するには,何らかのソフトウェアが必要です。いろいろありますが,Audacityというソフトが特におすすめです。以下のページから無料でダウンロードできます。

Audacityの使い方

Audacityを起動させると,以下のようなウィンドウが表示されるはずです。

まず,音量のチェックをします。入力レベルメータ(下の図のA)をクリックすると,赤いバーが現れます。これを見ながら,マイクに向かって発音をしてみましょう。音が最も大きいときで-6~-12の間あたりにおさまるようであれば,適切な音量です。絶対に0に届かないようにしましょう。(0を超えることを「クリッピング」といいます。これは録音において絶対に避けるべきことです。)音量が大きすぎたり小さすぎたりするときは,録音レベル(下の図のB)を調整します。音量チェックが終わったら,入力レベルメータをもう1回クリックすると,赤いバーが消えます。

音量チェックが済んだら,いよいよ本番の録音です。録音ボタン(上の図のC)を押すと録音が始まります。四角いボタン(上の図のD)を押すと終了します。録音すると,下の図のようなトラック(中に音声波形が表示された箱)が現れるはずです。録音が終わったら,緑の三角の再生ボタンを押して,音声がちゃんと録音されているか確認してみましょう。

録音が終わったら保存します。(もし後々音声を音響分析するのであれば)WAVファイルとして保存するのがお薦めです。Audacityでは,ファイル>別名で書き出し WAV...で出来ます(下の図を参照)。なお,複数のトラックが表示されている状態で「別名で書き出し」をすると,複数のトラックが重ねあわされた状態で保存されてしまいます。特にそうしたいのでなければ,必要ないトラックは閉じた上で書き出しをしましょう。

その他の参考情報

ソフトウェアによっては,録音する際にいろいろと設定が必要な場合があります。(Audacityの場合,デフォルトの設定で問題ないはずです。)

  • サンプリング周波数(sampling rate):20kHz以上であれば,通常の音響音声学的分析においては問題ありません(目的によっては,もっと小さくても大丈夫なこともあります)。Audacityの初期設定は44100Hzで,これはCD(つまり,我々が普段聴く音楽のCD)で採用されているものと同じです。
  • 量子化(quantization):16bit以上にします。Audacityの初期設定では32bitです。
  • モノラルかステレオか:通常の音声学の分析においては,モノラルで十分です。

上に出てきた用語について,ここでは特に説明しませんが,以下のページが参考になると思います。

もっと体系的に勉強するのであれば,以下の本が参考になります。

  • (2nd edition). Oxford: Blackwell.
    • (上の話と関連するのは第2章ですが,ちゃんと理解しようと思ったら第1章から読んだ方がいいでしょう。)