「ブレイン・ストーミングをやったことはあるけどたいして役に立たなかった」、とか、「たくさんアイデアは出たけど、それだけだったよ」、とか言われる人もおられるのではないのでしょうか?
先ほどの連想の項で
「(1)知っている言葉の中から想いを連ねて(連想して)いるのが考えている状態で、
(2)この中から話すまたは書く内容を選択した結果が考えではないでしょうか?」
と言いましたが、ブレーンストーミングは前半 (1) 部分です。
考えを出すには、後半 (2) の選択する部分が必要です。そこまでされましたか?
選択するには、KJ法に類似した手法が使われることが多いです。これも、解説したホームページが色々ありますのでそちらをご覧下さい。
また、「ブレイン・ストーミングをやったけど全然アイデアが出なかった」と言われる方、それはおそらく「ブレイン・ストーミング」になっていなかった可能性が高いと思われます。
先程、「ブレイン・ストーミングは前半 (1) 部分です。」と何気なく書きましたが、これが重要な部分なのです。普通、人は、後半 (2) の選択をした結果を考えとして出します。それをさせないのがブレイン・ストーミング。それぞれの人が、選択してしまうとそこで連想の繋がりが切れてしまいます。選択せずに、想い連ねたままに書き出す、あるいは、言い合って連想の繋がりをメンバー全員で共有・実行するのがブレイン・ストーミングです。
とはいっても、「こんなこと出来ないよ」、「絶対無理だね」、「ありえない」と思ったら言い出せないもの。(ブレイン・ストーミング・ルール1:自由奔放になれ)
また、思い切って言ったものの、メンバーから同様の批判を言葉や態度で示されたら、やはり次から言えなくなるもの。(ブレイン・ストーミング・ルール2:批判厳禁)
まして、上司がいたら、下手なことはいえなくなるもの。「私の目の前でも、部下は何でも言える。」と自信のある方でもブレイン・ストーミングの場は、席を外されたほうが良いでしょう。それくらいの自信がおありなら、信頼できる部下が一人や二人いるはずです。その人達に任せてみましょう。もちろん、後半 (2) の選択する部分には出てもらってもかまいません。
ブレイン・ストーミングを知っているという人でも、日頃使っていないとルール 1, 2 を大抵破っています。分析・判断能力の優れた人(上司になられる方は大抵そうですよね)ほど、その傾向にあります。ルール 1 と 2 はお気付きのように、ルール 1 が自分に対して、ルール 2 が他者に対しての分析・判断の抑制要請なのです。
ブレイン・ストーミングを実施する前に、このことをメンバーに周知してもらうことが重要です。