無形資産評価の目的

無形資産の価値評価の目的

本ページは広瀬(2005)、鈴木(2006)(右書籍、文献)を参考に記載している。

無形資産、特に知的財産などの価値評価の目的は大きく「ビジネス目的」と「オンバランス目的」に分類される。
企業会計上の資産としてオンバランスすることを目的として知的財産を価値評価しようとする場合は、誰が入手しても同一のデータをある一定のルールに従って収集、加工し、これを貨幣額で評価するスタンダードとしての価値評価が原則である。


一方、ビジネス目的は、自社実施による特許製品キャッシュフローの評価、他社実施によるロイヤリティの算定、M&A戦略によるタックス・プランニングの際の評価、または買収財産の一部として、評価はもとより、担保化、証券化などの資金調達の手段として評価を行い、ビジネス目的で価値評価するいわばベンチマークとしての価値評価レベルである。
この場合、取引が当事者間の相互合意額、すなわち相対的に行われることが多いことから、必ずしも貨幣額のみによる定量的な評価だけではなく、法的要因、技術要因などの定性要因による評価も加味される。

例えば、民間モデルにはブラックボックスが存在する。オンバランス化には適さないが、ブラックスボックスを持っていなければビジネスにならないことも事実である。


すなわち、下表に示すように、評価者により評価目的も異なり、評価項目も様々であることがわかる。

  • 知的財産の評価目的、評価内容(日本弁理士会(発明等評価検討委員会), 「知的財産評価のニーズ調査報告書」,2002,p2の表より)

評価事項

評価項目

評 価 内 容

技術的価値評価

基礎技術、高度技術、用途技術、改良技術、代替技術

法的価値評価

基本特許、周辺特許、防衛特許、権利の有効性、権利価値

経済的価値評価

事業性、収益性、特許の寄与度、事業の実施性、事業の安全性

評価目的

評価者

評 価 目 的 項 目

裁判所

破産時の評価、債務弁済時の評価(譲渡対価)、損害算定時の評価

企業

発明者補償、譲渡対価、ライセンス対価、資産価値、収益価値、事業価値

金融機関

担保価値、担保処分時評価、融資審査時評価

投資家

投資価値、企業の価値評価

 

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  • このページ記載に関して参考にした書籍、文献

  •  

  • 鈴木公明, 「知的財産の価値評価」, 『特技懇』, 240, pp80-90, 2006.(PDF

  • 日本弁理士会(発明等評価検討委員会), 「知的財産評価のニーズ調査報告書」,2002.