八段錦気功は合計8つのフォームからなり、各フォームではそれぞれ同じ動きを4回繰り返して行う。
動作の説明に用いた方向(前後左右)は全て八段錦気功を開始したときの方向に基づいている。即ち、開始時に顔の向いている方向が前方、背中側が後方、右側が右方、左側が左方である。
準備
両足を肩幅程度に開いて左右平行にする(両足の爪先は前方に向ける)。背筋を伸ばし、肩の力を抜いて両腕をゆったりと左右に垂らす。口は閉じて歯を合わせ、舌先を口蓋につける。ゆっくりと鼻で腹式呼吸を数回行い、気持ちを鎮めてリラックスする。
1. 騎馬式で組んだ両手を押し出す
左足を左方へ一歩出して騎馬式になり、両手は手の平を合わせて胸の前に立てる。息を吐く。
息を吸いながら、両手を組み両手の平を外側に向けてまっすぐ前方へ水平に押し出す。手は肩と同じ高さにする。この姿勢をしばらく保つ。息を吐きながら、両手を引き手を組んだまま手の平を内側に向けて丹田に置く。
合計4回行う。
2. 坐盤式で片手を押し出す
両膝を伸ばし左足を少し右方へ引いて両足の距離を肩幅程度にして立つ。両足は左右平行にする(爪先を前方に向ける)。両手は拳に変え、拳の平を上向きにして腰に置く。
A. 息を吸いながら、右足を左足の前に出して両脚を交差させると同時に、右手を平手に変えて右下から体の前を通って左方へ上げ、手の平を外側に指先を上方に向けて顔の前を通って右方へ運ぶ。息を吐きながら、右手の平を肩の高さで右方へ水平に押し出す。右手の平を押し出すと同時に、両脚を交差させたまましゃがんで坐盤式になる。右手の平は右方へ向く。しゃがんだとき、右足の爪先は右前方に向け左腿を右腿の下にして左踵の上に座る。上体を前傾させないこと。この姿勢をしばらく保つ。右手首を時計回りに回してから手の平を再び右方へ押し出す。息を吸いながら、右手首の力を抜いて立ち上がる。息を吐きながら、右手を左方へ戻し、手首を反して手の平を上向きにし、拳に変えながら腰に戻す。右手を腰に戻すと同時に、右足を引いて元の姿勢に戻る。目は右手を追う。
B. 右脚と左脚、右手と左手を交換して同様に行う。左手首を回すときは反時計回り。目は左手を追う。
AとBの動きを合計2回行う。
3. 片手を上げて前屈して両足につける
左足を右足によせて両足の踵をつけ、爪先は少し開いて立つ。両手は拳の平を上向きにして腰に置いたままにする。
A. 息を吸いながら、右手を平手に変え、手の平を内側指先を上方に向けて頭上にまっすぐ上げる。手の平を外側に反し、息を吐きながら、右腕を伸ばしたまま左足に向かって前屈し、右手を左足の外側につける。このとき、脚はまっすぐに伸ばしたままにする。息を吸いながら、上体を起こすと同時に右腕も伸ばしたまま頭上に上げる。息を吐きながら、右手を拳に変えながら下ろして元の姿勢に戻る。目は右手を追う。
B. 右手と左手を交換して同様に行う。目は左手を追う。
AとBの動きを合計2回行う。
4. 四方向に平手を押し出す
左足を左方へ一歩出して両足を肩幅程度に開き、左右平行にする。両手は手の平を合わせて胸の前に立てる。
A. 息を吸いながら、両手を分けて手の平を外側に向けて左右に押し出す。手は肩と同じ高さにする。前方を見る。この姿勢をしばらく保つ。息を吐きながら、両手を引いて元の姿勢に戻る。
息を吸いながら、手の平を外側に向けて右手を前方に左手を後方に押し出す。右手を見る。この姿勢をしばらく保つ。息を吐きながら、両手を引いて元の姿勢に戻る。
息を吸いながら、手の平を外側に向けて右手を左前方45度に左手を右後方に押し出す。右手を見る。この姿勢をしばらく保つ。息を吐きながら、両手を引いて元の姿勢に戻る。
息を吸いながら、手の平を外側に向けて右手を右前方45度に左手を左後方に押し出す。右手を見る。この姿勢をしばらく保つ。息を吐きながら、両手を引いて元の姿勢に戻る。
B. 右手と左手を交換して同様に行う。目は左手を追う。
AとBの動きを合計2回行う。
5. 手首の向きを変えて腕を大きく動かす
両足は肩幅程度に開いたまま、両手は手の平を合わせて胸の前に立てたままにする。
息を吸いながら、両手を頭上に伸ばす。伸ばしたとき手の平は前方を向く。両手を見る。息を吐きながら、手首を曲げて指先を下向きにし、両腕は伸ばしたまま、腰を直角に曲げ上半身が地面と平行になるように前屈する。それから、指先を内側に向けて両手を胸元に引いてから、左右に分けて脇の下を通って背中に回し、手の甲を背中につけて腎臓を通って臀部に向かって擦り下ろして両腕をそろえて伸ばす。息を吸いながら、腰を曲げたまま両手を左右に分けて水平に前方へ動かし、左右の手の甲を前方で合わせてから、両手を反転させて手の平を合わせて上体を起こす。息を吐きながら、両手を胸に引いて元の姿勢に戻る。
合計4回行う。
6. 腕の力を抜いて回しながら腰を回す
両足は肩幅程度に開いたまま、左手の平を丹田に置き、右手の平で左手の甲を覆う。
A. 息を吸いながら、左手を左方下へ引き抜き、息を吐きながら、左腕の力を抜いたまま体の前を通って反時計回りに右上方へ向かって大きく回し上げる。左手が頭上を通り越すときに上体を少し反らせ、手首を反転させて手の平を前方へ向ける。左手を左方へ大きく回し下ろし、息を吸いながら上体をまっすぐに戻して左手を右手の甲に重ねる。息を吐く。目は左手を追う。
B. 左手と右手を交換して同様に行う。目は右手を追う。
AとBの動きを合計2回行う。
7. 手の平を上下に押して腿を上げる
左足を右足によせて両足の踵をつけ、爪先は少し開いて立つ。両手は拳に変えて拳の平を上向きにして腰に置く。
A. 息を吸いながら、右手を拳の平を上向きのまま丹田の前に置き、左手は拳の平を下向きにして右手の上方に置く。両手を平手に変えながら、右手の平は反転させながら頭上に上げて、手の平を上向き指先を左向きにして手の平を押し上げる。左手は体の左側に下ろし、手の平を下向き指先を前向きにして手の平を下に押す。それと同時に、左腿を上げて左膝をできるだけ高く上げる。両手と左脚の動きをそろえる。この姿勢を保つ。息を吐きながら、右手首を時計回りに回して手の平を後方に向け、左手首は反時計回りに回して手の平を上方に向ける。両手を拳に変えながら引いて腰に戻すと同時に、左腿を下ろして元の姿勢に戻る。
B. 右手と左手、左脚と右脚を交換して同様に行う。
AとBの動きを合計2回行う。
8. 四方向に蹴り上げる
両足はそろえたまま、親指が背中側にくるように両手を腰に置く。
A. 息を吸いながら、左脚をまっすぐにしたまま前方へ高く蹴り上げて下ろす。動作は素早く行うが、蹴り上げる勢いを利用するのではなく脚の筋肉を使って上げる。右脚を同様にまっすぐにしたまま前方へ高く蹴り上げて下ろす。
左膝を曲げ左足を後方へ高く上げてから下ろし、右足を同様に後方へ高く上げてから下ろす。
息を吐きながら、左膝を曲げて左足を左後方へ高く上げてから下ろし、右足を同様に右後方へ高く上げてから下ろす。
左膝を曲げて左足を右脚の前を通って足の裏を上向きにして右方へ高く上げてから下ろし、右足を同様に左方へ高く上げてから下ろす。
B. 右脚から蹴り初めて同様に行う。
AとBの動きを合計2回行う。
閉じる
両足はそろえたままで、両手を左右に垂らす。