国民の健康増進のために練り上げられた体操。いつでも、どこでも、誰でも、手軽にできるように作られた。約90年の歴史を持ち、毎日テレビやラジオで放送されている、日本で最も知られた体操で、ラジオ体操第一、第二、みんなの体操などがある。
腰痛やVDT症候群の予防に効果があり、それぞれの動作の意味を意識しながら行うと、運動効率がより高まる。
子供から高齢者まで、誰もが行えることを目的とした体操。13種類のエクササイズで構成されている。有酸素運動、筋トレ、ストレッチ、バランス運動と約400カ所の全身の筋肉をくまなく使い、体幹も鍛えられる。
かんぽ生命<図解>ラジオ体操第一・立位、かんぽ生命<図解>ラジオ体操第一・座位、NHKラジオ体操の図解(第1・2)立位、NHKラジオ体操の図解(第1・2)座位を参照。
かんぽ生命によるビデオ
全国ラジオ体操連盟によるビデオ
1.伸びの運動
目的:背筋を伸ばし良い運動姿勢をつくる。
ポイント:
手は軽く握る。
腕をよく伸ばしてゆっくり高く上げ、背すじを伸ばす。
腕を上げたとき、耳の横にくるように上げる。
かかとは上げない。
効果:正しい姿勢づくり、肩こり予防、リフレッシュ効果。
2.腕を振って脚を曲げ伸ばす運動
目的:腕の振りに合わせて脚を元気よく動かし、全身の血行を促す。
ポイント:
お尻を突き出さない。
腕は真横まで上げる。
かかとの上下運動は、腕の振りに合わせてリズミカルに行う。
あしの屈伸とかかとの上げ下ろしを十分に行い、あしの関節や筋肉を和らげるようにする。
効果:全身の血行促進、肩こり予防、転倒予防。
3.腕を回す運動
目的:腕を大きく回して肩を柔らかくする。
ポイント:
肘をよく伸ばし、肩を中心に大きく円を描くように腕を回す。
腕や肩の力を抜き、遠心力を使って大きく回す。
腕は体の横へ回し、後ろへ回さない。
かかとは上げない。
効果:肩こり予防、血行促進、首の疲労回復。
4.胸を反らす運動
目的:正しい姿勢をつくり呼吸器官の働きを促進する。
ポイント:
足は肩幅よりやや広く開く。
腕を斜め上にあげたときには、指先を伸ばして手の平を返して後ろに引く。
腹を出さないように注意して、胸を反らせる。
深い深呼吸を心がけ、顔が上を向きすぎないようにする。
膝を曲げない。
効果:呼吸機能アップ、正しい姿勢づくり、血行促進。
5.体を横に曲げる運動
目的:普段動かすことの少ない脇腹の筋肉を伸ばし、背骨と胸の横を柔らかくする。
ポイント:
開脚姿勢をしっかりとる。
腰を動かさないようにして、腕を早めに振り上げ、背骨の上部を真横に曲げる。
前かがみにならないように、腕は真横から上げる。
効果:柔軟性アップ(背骨と胸の横を柔らかくする)、正しい姿勢づくり、消化器官の働きを促進。
6.体を前後に曲げる運動
目的:背中と腹部の筋肉を伸ばし、背骨の前後への柔軟性を高める。
ポイント:
前屈は首・肩の力を抜き、上半身の重みで弾みをつけて、深く前に曲げる。息を止めない。
後ろ反りは両手で腰を押すようにして、ゆっくりと反らせながら息を吐く。首の力は抜いて頭を後ろへ反らし、視線は後ろに向ける。
ひざを曲げない。
効果:背・腹部の柔軟性を高め腰痛予防、疲労回復、内臓器官の働き促進。
7.体をねじる運動
目的:腕の振りを利用して体をねじり、背骨の圧迫を取り除いて動きを柔軟にする。
ポイント:
体が前後左右にぐらつかないように、開脚姿勢をしっかりとる。
腕の振りを利用して体をねじる。体の軸が曲がらないように。
腕の勢いにつられて脚が動かないようにする。
初めは腕を体に巻きつけるようにして体をねじる。
体をねじる時、顔も後ろへ向けて首もよくねじる。このとき、視線は手先に。
効果:正しい姿勢づくり、内臓器官の働き促進、腰痛予防。
8.腕を上下に伸ばす運動
目的:素早い動作で瞬発力を高める。
ポイント:
腕を曲げた時はわきを締め肩を後ろに引く。肘はわきの下につけ、後ろに引くようにする。
腕を上に伸ばす時は勢いよく肩幅で指先まで伸ばし、かかとを高くあげる。
全体に力強くきびきびと行う。号令をかけながら行うことで、より力強く素早い動作に。
効果:瞬発力アップ、肩こり予防、リフレッシュ効果、筋力アップ。
9.体を斜め下に曲げ胸を反らす運動
目的:背中から脚の後ろ側を伸ばし、呼吸器官の働きを促進する。
ポイント:
足は大きく開く。
斜め下に曲げる時は息を吐き、弾みをつけて柔らかく伸ばす。足先に両手をつけるような気持ちで曲げる。膝が緩みやすいのでしっかりと伸ばし、脚の後ろ側を伸ばす。
胸を反らせる時は正面を向き、肘を伸ばし、手の平を返して、大きく息を吸って胸を開く。お腹を出さない。
効果:正しい姿勢づくり、呼吸機能アップ、腰の柔軟性アップ。
10.体を回す運動
目的:背筋と腹筋を伸ばして腰周辺の筋肉をほぐし、腰の柔軟性を高める。
ポイント:
腕の振り回しをよく使い、上体を特に横から後ろに大きく回す。
肘を曲げない。肘を伸ばして体を回すことで、胴体全体がほぐれる。
ひざを曲げない。
息を止めない。
効果:腰痛予防、正しい姿勢づくり、内臓器官の働き促進。
11.両脚で跳ぶ運動
目的:リズミカルに跳ぶことで全身の血行を促進する。
ポイント:
初めは上体の力を抜いて軽く跳び、後半の開脚跳びは大きく息がはずむくらい活発に跳ぶ。強弱をつけて行う。
腕を上げた時は横に伸ばす。肘を曲げないように。
あごが上がらないように。
効果:全身の血行促進、リズム感アップ、呼吸器官・循環器官の働き促進。
12.腕を振って脚を曲げ伸ばす運動
目的:整理運動の役割として呼吸をととのえる。
ポイント:
腕の振りを伸び伸びと行い、呼吸をととのえるように行う。
効果:血行促進、肩こり予防、転倒防止。
13.深呼吸
目的:体をゆっくりと平常の状態に戻す。
ポイント:
腕は指先までよく伸ばし、前から上まであげて胸を大きく広げ呼吸を調整する。
腕の動きにとらわれず、深い呼吸を意識する。
効果:リラックス効果、正しい姿勢づくり。