もともと人間の体は、誰でも健康で気持ちよく一生をおくれるように設計されている。ところが、いろいろな理由で、このもともとの正しい設計がくずれ、体の構造に歪み(ひずみ、ゆがみ)ができると病気が発生する。操体法とは、体をうまく動かして歪みを取り除き、もとの正しい設計に戻す方法である。
『ひとりで操体法 愛蔵版』(橋本敬三監修、小崎順子著、農文協発行)を参照。
楽なほうへ
痛くない気持ちのよい方向へ動く。
ゆっくり、フーッと
力を入れず、息を吐きながら(息を吐きながら動くと筋肉がやわらかくなる)、ゆっくりと動く。
ストンと
気持ちのよいところで3〜4秒止めた後、全身ストン(バサッ、グニャッ)と瞬間脱力する。
背筋を伸ばし、あごを引いて、頭のてっぺんからスーッと糸で引っぱられるような感じにする。
体を柔らかくし、歪みのない体にする。
毎日朝夕に行うと、より効果的。
1.両手の左右上げ
①足を肩幅に開き、腰と背骨をゆったりと伸ばして立つ。正面の一点を見つめる。
②息を吸い、次に息を吐きながら、ゆっくりと静かに両手を左右に水平に上げる。
③3〜4秒力をためる。
④息を一気に吐き出すとともに、両手の力を抜いてバサーっと落とす。
⑤一息つく。
3〜5回行う。
✳︎どちらか上げにくい手があれば、そちら側の足に重心をかけるとよく上がるようになる。
2.足踏み
①両足をピタリとつけて立つ。尻はグッと後ろに引き、膝と背骨をピンと伸ばす。あごを引き、正面の一点を見つめる。
②腿が水平になるほど膝を高く上げて、足の裏が地面に平らにつくように強くドンドンと足踏みをする。両手は大きく前(肩の高さ)後に振る。
30〜50回行う。
3.上体の前後屈
①足を肩幅に開き、腰と背骨をゆったりと伸ばして立つ。
②息を吸い、次に息を吐きながら、ゆっくりと静かに上体を前に倒す。このとき、頭と手もダラリと下げる。曲がるところまででよいので無理をしないこと。
③3〜4秒姿勢を保つ。
④息を吐きながら、上体をゆっくりと背骨の下から順に起こしていき、最後に頭を起こす。
⑤一息つく。
⑥息を吸いながら、両手を腰に当て(あるいは、両手はダランと左右に垂らしたまま)、次に息を吐きながら、ゆっくりと静かに上体を後ろにそらす。無理をしないこと。
⑦3〜4秒姿勢を保つ。
⑧息を吐きながら、上体をゆっくりと元の状態に戻す。
⑨一息つく。
3〜5回行う。
✳︎前後どちらかやりにくい方があったら、反対のやりやすい方を1〜2回多く行う。
✳︎どちらか痛みがある場合は、痛い方は止めて、痛くない方を5〜6回繰り返す。
4.上体の側屈
①足を肩幅に開き、腰と背骨をゆったりと伸ばして立つ。
②息を吸いながら、左足に重心をかけ、右足のかかとを浮かせる。それと同時に、左手を頭上に上げ、右手は手の甲を腰に当てる。
③息を吐きながら、重心は左足にかけたまま、ゆっくりと静かに上体を右側へ倒す。このとき、手が顔の前にこないようにする。
④3〜4秒姿勢を保つ。
⑤息を吐きながら、上体をゆっくりと元に戻してから、両手を落とす。
⑥一息つく。
⑦同じ要領で左側への屈伸を行う。
3〜5回行う。
✳︎左右どちらかやりにくい方があったら、反対のやりやすい方を1〜2回多く行う。
✳︎どちらか痛みがある場合は、痛い方は止めて、痛くない方を5〜6回繰り返す。
5.上体ひねり
①足を肩幅に開き、腰と背骨をゆったりと伸ばして立つ。
②息を吸いながら、左足に重心をかけ右足のかかとを浮かせる。それと同時に、両手を体からわずかに離す。
③息を吐きながら、、重心は左足にかけたまま、ゆっくりと静かに上体を左側へひねる。
④3〜4秒姿勢を保つ。
⑤息を吐きながら、上体をゆっくりと元に戻してから、両手を落とす。
⑥一息つく。
⑦同じ要領で上体を右側へひねる。
3〜5回行う。
✳︎左右どちらかやりにくい方があったら、反対のやりやすい方を強く1〜2回多く行う。
6.両手とかかと落とし
①足を肩幅に開き、腰と背骨をゆったりと伸ばして立つ。
②息を吸い、次に息を吐きながら、ゆっくりと静かに両手を頭上に上げながら爪先立ちになる。天と地に引っ張られるような気持ちで行う。
③3〜4秒姿勢を保つ。
④息を一気に吐き出すとともに、両手とかかとを同時にバサーっと落とす。
⑤一息つく。
3〜5回行う。