(2) Research topics

現在進行中の研究テーマ(補足として、(4)Research fundの研究タイトルも参考にしてください)Update @ Oct-2023

 国外の研究テーマ(主に熱帯地域で研究を展開しています)

ー>アフリカで伝統的に行われている混作(マメ科作物とトウモロコシを一緒に栽培する作付け)について研究しています。混作が、なぜ、どう、面白いのか?というのは簡単には語りつくせませんが、異なる作物種の根が同じ場所に存在し、相互作用を起こすことにより、色々なこと(=根滲出物量の増加、根圏微生物相の変化、等)が起きることが先行研究からわかっており、我々のグループも、根圏で起きている植物ー微生物側のアクションが、実際に土壌中でどういう物質循環を引き起こしているのか?という部分に着目して、海外の研究グループと共同で研究を行っています。

ー>土壌有機物を分解する土壌微生物の働きは、分解者、として非常に重要だと認識されています。近年の技術革新により、土壌微生物のDNA・RNAを解析する技術が飛躍的に発展した結果、土壌中で実際に分解に携わっている(あるいは携わっていないけどそこには存在している)土壌微生物を比較的安価に評価することが可能となっています。ここで大事なのは、そこに誰がいるのか?という土壌微生物群集に関する定性的な情報の蓄積が急激に進んでいる一方で、そこにいる誰かは、だれがどれだけ分解したのか?という土壌微生物群集の”機能”に関する定量的な情報の蓄積は進んでおらず、大きなギャップが生まれています。我々のグループでは、このギャップを埋めるべく、土壌微生物群集が持つ機能の評価に着目した研究を行っています。具体的には、土壌微生物群集がもつ炭素同化能(Carbon Use Efficiency)や代謝回転(Turnover)、酵素活性(Enzyme activity)といった指標に着目しつつ、特に土壌炭素分解の早い熱帯地域をターゲットに、その持続的な管理技術の創出を目指した研究を展開しています。


国内の研究テーマ

→植物の根に共生する菌根菌が養分を獲得する機能は世界的に注目されていますが、土壌中のどんな形態の(使いやすいものなのか、使いにくいものなのか)養分を、どれくらい菌根菌が獲得しているのか、またその獲得能はどういう土壌環境条件で左右されるのか、に関しては良く分かっていません。我々のグループは、微生物を専門とする研究グループ(北大G)とタッグを組みながら、土壌科学的側面から見た、菌根菌の役割の解明とその利用に向けた研究を進めています。現在は沖縄の圃場に加えて、農工大の圃場や、岩手などでも実験を行っています。

ー>保全型農業の1つである不耕起栽培やカバークロップ栽培の効果を解明するために、茨城大学と共同で研究をしています。不耕起やカバークロップを導入することで、土壌炭素動態がどう変化するのか?を解明し、よりよい保全型農業を創出することを目指しています。我々のグループは、国内でもまだあまり利用されていない、同位体で標識した残渣を自作する技術を有しています。この標識残差を用いた様々な研究を行うことで、どのような土地管理をすると、より炭素が溜まるのか?そしてそれはなぜなのか?という疑問に答えるための研究を進めています。これに加えて、上でも述べている、土壌微生物の群集・機能にも着目した研究を行うことで、よりよい保全型農業の在り方を考えていきます。現在は茨城大学に加えて、農工大の圃場や、岩手などでも実験を行っています。


過去の研究テーマ