メッセージ(2013年)
八十嶋龍三が、生前にお世話になった皆様から頂戴したメッセージをご紹介いたします。
ルドルフ・ワインスハイマー 氏
北村 恭子 氏 (東京ゴーシュの会)
相澤 さな美 氏、長山 まゆ美 氏
2012年5月20日に突然逝ってしまった、私の弟子八十嶋龍三を追悼するメモリアルコンサートにお集まりの皆様へ
今から35年も前、私の弟子になった龍三への思い出は尽きることはありません。
私は彼の熱意、野心、率直性、信頼性、そして何よりも人間性などにいつも感服していたものです。
彼はいつもたくさんの僕の孫弟子のことを嬉しそうに伝えてきました。
そして、私は彼らのすべてと知り合いになり一緒に合奏し、カザルスホールではご一緒にコンサートを開きました。
彼のチェロへの愛情、レッスンへの喜び、優しい心遣いはお弟子さんたちの心を一生捉えていくことでしょう。
私は今日、すべての皆様に、そして誰よりも、素晴らしいメモリアルコンサートを計画した洋子に、思いを馳せています。
どうか皆様、今日のコンサートへの私の心を込めた挨拶を受け取ってください。
私の心はいつも皆様と龍三のそばにいるのです。
皆様のルドルフ・ワインスハイマーより
”ゴーシュ先生の教えは永遠”です。
龍三先生がお亡くなりになって、一年がたちました。
心が揺さぶられるような気品あのある先生のチェロをもう一度聴きたい、という思いは、日がたつごとに強くなっていきます。
私は、40歳の時、龍三先生の門をたたき、18年に渡ってチェロを教えて頂きました。
チェロを一緒に選んでいただき、ボーイングから手ほどきを受け、まだほとんど弾けないうちから合奏への参加も勧めてくださり、
チェロを弾く楽しさは、私にとってなくてはならないものになっていったのです。
先生の弟子たちは皆、先生によって”チェロ弾きの至福の世界”へと知らず知らずのうちに導かれていったのではないでしょうか。
この一年、洋子先生は、悲しみの真っただ中にいらっしゃるにもかかわらず、
フリーデル、ゴーシュのためにたくさんのことを企画・実行してくださいました。
私たちゴーシュのメンバーは、洋子先生を支える立場でありながら、その凛とした姿に励まされ、支えられてきたように思います。
ゴーシュの弟子たちは今、洋子先生と鈴木先生を中心に、楽しく充実した合奏練習を行っています。
天国で、龍三先生はきっと喜んでいてくださるはず!!
そして、「うん、なかなかいいアンサンブルだね」と言っていただけるよう、気持ちを合わせて練習を重ねていきたいと思います。
ゴーシュ先生の教えは永遠”です。
東京ゴーシュの会 北村 恭子
龍三先生、どうかいつまでも洋子先生と私たちを見守っていてくださいね。
龍三先生が天国へ旅立たれてから、一年が過ぎました。
今年もこのメモリアルコンサートで、龍三先生を思いながらフリーデルの皆さんと一緒に過ごすことができ、本当にあたたかい気持ちでいっぱいです。
この一年、龍三先生がどうしてこんなにも早く・・・と悲しくなってしまう日々の中で、私は一つの詩と出会いました。
お子さんを亡くされたアメリカ人女性が書いた「最後だとわかっていたなら」という詩です。
ネットで共感を呼び、世界中に広まったというその詩の中にこんな一節がありました。
わたしたちは忘れないようにしたい
若い人にも 年老いた人にも
明日は誰にも
約束されていないのだということを
愛する人を抱きしめられるのは
今日は最後になるかもしれないということを
(中略)
「ごめんね」や「許してね」や
「ありがとう」や「気にしないで」を
伝える時を持とう
そうすればもし明日が来ないとしても
あなたは
今日を後悔しないだろうから
私はこの詩を読み終えたとき、ハッと気が付きました。
龍三先生は私たちに、この大事なことを身をもって教えてくださったのだと・・・。
でもきっと、洋子先生はもうとっくにわかっていらしたのですね。
だからご自分がどんなにつらいときでも、私たちに「ご家族を大切にしてね」と笑顔で声をかけてくださるのですね。
龍三先生、大切なことに気づかせてくださって本当にありがとうございます。
先生から教えて頂いたことをしっかりと心に刻み、身近な人たちをいつも大切に、そして今日という一日を悔いのないよう一生懸命生きていきたいと思います。
龍三先生、どうかいつまでも洋子先生と私たちを見守っていてくださいね。
相澤さな美 ・ 長山まゆ美