気管支喘息

【気管支喘息】

気管支喘息は、夜になるとゼイゼイ、ヒューヒューする症状がでる病気で有名ですが、最近は咳だけの症状しか無い人も喘息と同じ病態であることが分かってきました。香取慎吾さん、羽生結弦選手、清水宏保選手など、芸能人や一流アスリートの中にも喘息の方は多く居ます。喘息になっても生活が制限されることはなくなってきたのです。

気管支喘息の病態

気管支喘息は、気管支が細く・狭くなる病気です。

細く・狭くなる理由は気管支にアレルギー反応が起きて浮腫むからです。

この結果、狭いところを空気が通るために、ゼイゼイ、ヒューヒューしたり、

狭い気管支を広げるために咳払いをしたり、

アレルギー反応の炎症の結果として痰がでてきたりします。

気管支喘息はアレルギー疾患に含まれるのです。

アレルギー疾患は、治ったと思ってもすぐに再発します。

気管支喘息は慢性炎症性疾患カテゴリーに分類されており、

長期に管理する疾病に位置づけられています。

気管支喘息の診断

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気管支喘息の診断は、万能検査はありません。

詳しく問診をさせていただき、

気管支の可逆性や過敏性、他の病気が無いこと、アトピー体質

などの有無で診断します。

その際に使う検査が、呼吸機能検査と呼気一酸化窒素検査です。

呼吸機能検査では、気管支の狭さ・細さ、

呼気一酸化窒素では、気管支のアレルギー反応 を検出できます。

ただし、結果の解釈には絶対的な決まりはありませんので、

参考にして診断することになります。

気管支喘息の治療

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気管支喘息の標準的治療は吸入治療です。

吸入薬にはいくつかの種類がありますが、

①吸入ステロイド薬

②吸入気管支拡張薬

の合剤が現在の主流になっています。

①吸入ステロイド薬は、気管支のアレルギー反応を

②吸入気管支拡張薬は、気管支の細さ・狭さを

改善し、正常な気管支に戻してくれます。

その他、

③ロイコトリエン拮抗薬(内服)

④テオフィリン薬(内服)

などを併用しながら、症状を抑え治療します。

気管支喘息はいつまで治療するのか

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気管支喘息は慢性の病気であることを再認識することが重要です。

このため、3ヶ月以上の安定した治療効果が得られた場合に、

ステップダウンといって治療薬の強さを落としていきます。

ステップは0が寛解で、1〜4までの4段階あります。

長期に吸入薬を使って安定してくると、中止しても再発しなくなる方も居ます。

一方で、調子は良いがずっと治療をやめられない方も居ます。

気管支喘息で注意すること

1.喘息は長期に管理する疾患なのでゆっくりと徐々に減量していくことが重要。

2.吸入薬はコツがあるので、薬剤師や看護師から上手な使い方を教わる。

3.風邪を引かず、アレルギーの原因を除去することが治癒につながる。

青木 康弘

診療科 呼吸器内科

・・・・COPD、吸入支援

学位 医学博士(群馬大学大学院)

専門 総合内科専門医

呼吸器専門医

睡眠医療認定医

プライマリ・ケア認定医/指導医

結核・抗酸菌症認定医

肺がんCT検診認定医