吸入療法について

【吸入療法】

日本大学医学部で吸入方法に関するHPが作成されました。

→吸入.comを見てみる

群馬県薬剤師会で吸入療法の具体的手順書が作成されています。

→吸入手順書を見てみる

Q1.なぜ、吸入療法をする必要があるのですか?

気管支喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)は、呼吸器疾患の中でも重要な疾患です。

気管支喘息は吸入療法によって健康な方と同じ生活が可能になりますし、

COPDは吸入療法によって生存率が上昇することがわかっています。

もし診断されたら、必ず吸入療法を継続することが大事です。

A1.吸入療法は必ず継続しよう。

Q2.気管支喘息の診断とは?

気管支喘息の診断基準は明確ではありません。

しかし、以下のことが当てはまる場合は、気管支喘息となります。

1.喘鳴(ぜいぜいする、ヒューヒューする呼吸)を経験したことがある。

2.運動時や夜間(日内変動)や季節の変わり目や天気が悪い時(季節変動)に発作がある。

3.何日か経つと、いつもと同じ状態に戻る。

4.風邪を引くといつも咳が長引く

などが症状として当てはまります。

当院では、ガイドラインを踏まえて以下の検査を行っています。

A.呼吸機能検査(スパイロメトリー、特に可逆試験)

B.呼気一酸化窒素(FeNO、高値)

C.胸部レントゲン(他疾患の除外)

1〜4の問診と、この3つの検査で、ほぼ診断をすることが出来ます。

なお、ハウスダストやダニなどの検査も重要です。

A2.問診をしっかり行い、喘息診断の検査を行うことが重要です。

Q3.COPDの診断とは?

COPDの診断基準は明確です。

まず、

1.喘鳴(ぜいぜいする、ヒューヒューする呼吸)を経験したことがある。

2.発作というより、動くと息切れや喘鳴がでる。

3.休憩をとったり、無理をしなければ大丈夫。

などが症状として当てはまります。

ガイドラインを踏まえて以下の検査を行っています。

A.喫煙歴

B.呼吸機能検査(スパイロメトリー、%FEV<70)

C.呼気一酸化窒素(FeNO、低値)

D.胸部レントゲン(他疾患の除外)

1〜3の問診と、この4つの検査で、ほぼ診断をすることが出来ます。

なお、胸部CT検査で肺気腫を診断することも重要です。

A3.問診をしっかり行い、COPD診断の検査を行うことが重要です。

Q4.吸入療法はいつまで続ければよいのですか?

気管支喘息の方は、症状が治まるとやめたくなりますが、

ガイドラインでは、3〜6ヶ月で1つずつステップを落とすことが重要です。

1年程度でやめられるかたもいますし、ずっと継続する方もいます。

やめることを目標にする方ほど、ピークフローメータが重要です。

自宅で喘息の程度を測定できますので、お申し出ください。

COPDの方は、やめないことが重要です。

継続することによって生存率が上昇します。

また、活動範囲も広がることがわかっています。

A4.吸入療法は継続しよう。

わからないことがあれば、

当院の呼吸ケアサポートチームにご相談ください。

診療科 呼吸器内科

・・・・睡眠呼吸障害・COPD・抗酸菌症

学位 医学博士(群馬大学大学院)

専門 総合内科専門医

呼吸器専門医

睡眠医療認定医

プライマリ・ケア認定医/指導医

結核・抗酸菌症認定医

肺がんCT検診認定医

呼吸ケア指導士

インフェクションコントロールドクター

青木 康弘