9月25日より、大阪府議会が始まりました。
児童文学館の移転に関連する質問と回答を掲載します。
9月定例議会 代表質問 Q&A 堀田議員(共産)
2009年10月5日
○堀田議員
次に、国際児童文学館の移転問題です。昨年9月の9月議会で現地存続を求める請願が全会一致で採択されましたが、知事が中央図書館への移転方針に固執し、2月府議会に廃止条例を提案して可決されました。
この間、鳥越信さんら資料寄贈者から、資料の返還を求める訴訟が起こされました。さらにテレビ取材から、書庫設置や撤去費用について疑問が出されました。これに対し教育委員会から訂正した経費比較試算が提出されています。
財団法人大阪国際児童文学館は、現地存続をしても経費を圧縮すれば、運営経費は土地使用料を含めても、年間1億円あまりで済むと提案しています。訂正された府の経費比較試算と、財団の提案や児童文学館の書庫増設時期を適切にして計算すると、現地存続の方が、10年間で約10億円安くなります。2月議会の際の資料が訂正されたのですから、廃止条例も再審議すべきではないですか。
これまで児童文学館が果たしてきた児童文学資料の収集、保存、活用という機能は、移転すれば3年程度の移行期間だけ、財団の専門員4人のうち、一人を任期付き、一人を非常勤で雇い、中央図書館の司書4名に引き継がせることとされていますが、児童文学館が25年に渡って築いてきた蓄積がそんな簡単に引き継げるのでしょうか。
出版協会などからの寄贈が、引き続き受けられる保証があるんでしょうか。内外からの多くの反対を無視して、いったい何のために、しかも大きなお金をかけて移転するのか、あらためて問いたいと思います。以前から出ています、地元吹田市からの申し出や、民主党政権になった国の協力も得て、現地存続の道をさぐるべきではないでしょうか。ここで答弁を求めます。
○知事
国際児童文学館についてでありますが、戦略本部会議での経費比較資料は、現時点で考えられる限りの事項を盛り込んで試算したものであり、移転した方が効率的であることに変わりはありません。
また議員ご指摘のテレビ取材で疑問が出されたという点ですが、戦略本部会議現在すべてオープン、メディアの皆さんにも入っていただいておりまして、このときにですね、疑問を呈された記者の方にですね、新しく作り直したこの資料で疑問は晴れましたかということをその場で確認をしましたら、この表であれば疑問は晴れましたという回答をいただいております。回答をいただきました。その場で。先の2月定例会における附帯決議を重く受けとめまして、その実現に向けて、円滑な機能の移転等を進めていきます。
また、児童文学館の専門員を中央図書館で一定期間活用し、司書の児童文学に関する専門性を高め、児童文学館が培ってきた「子どもの読書支援センター」、「児童文化の総合資料センター」としての機能を引き継ぎ、今まで以上にですね、この大阪の子どもたちに、この児童文学館が保有していた児童文学書、これを広く楽しんでいただきたいというような思いを強く持っておりまして、そのためには中央図書館への移転というものが最適であるというように判断をしました。これによって、寄贈継続について出版協会などの理解を得られるものと考えております。
また移転につきましては、財政面での効果に加え、先ほども申しましたように、より多くの子どもたちや府民に利用していただくとともにですね、子どもの読書活動の一層の振興を図るためのものであります。内外から多くの反対、確かに反対の意見も多く聞いておりますが、賛成の意見も、それよりも多くの声を聞いておりまして、先の2月定例会の附帯決議をふまえながら、中央図書館への移転を進めていきたいと考えています。
○堀田議員
国際児童文学館は、他府県との競争に打ち勝って大阪が誘致した子どもの読書支援センター、児童文学の総合資料センターです。ワッハ上方も国際児童文学館も、大阪の文化的値打ちを高める大阪の文化の誇りです。まず現地存続で経費削減を図るのが当然の順序です。しかしこれまでの経過は、はじめに移転ありきで、現地存続で経費大幅削減の検討が真剣に検討された形跡は見あたりません。こんな強引な移転は許されるのでしょうか。お答えください。
○知事
今のままでは、税金に見合うだけの効果は発揮していないものと判断をいたしまして、移転に伴ってですね、今以上の効果を発揮するように、府民の皆さんにその文化的な行政サービスが提供できるように、その最善の策として移転案をお出ししました。
○堀田議員
ワッハ上方も国際児童文学館も、もっといいものになるように、もっと安くで運営できるようにと、関係者の皆さんが一生懸命努力して頑張って智恵ひねったはるんですよね。そういう声を大事にするっていうことが、知事という仕事にとって非常に大事なことではないかということを指摘して次にいきます。