micro:bitとマーブルチョコレートのケースでスパイロメータもどきを作りました.
投稿日: 2019/08/29 12:33:53
マーブルマーブルマーブルマーブルマーブルチョコレート♪
三瀬医院院長の片山均です.
8月もあとわずかになりました.子供たちはまだ宿題が残っているようですが,その面倒も見ないで私が取り組んだ,夏休みの自由研究をご報告します.
呼吸器科医なら呼吸機能測定装置の1個や2個,自分で作れなくてはいけません.嘘ですけど.今回はmicro:bitとマーブルチョコレートのケースでスパイロメータもどき(略してマーブルスパイロ)を作りました.
使い方はとっても簡単.思い切り息を吸ってmicro:bitのAボタンを押すと同時にマーブルチョコレートのケースをくわえて勢いよく息を吹き込むだけ.アニメーションの後に呼吸機能が数値(最大値100)で表示されます.Bボタンを押すと呼吸機能の数値を再表示します(動画参照).
タブレットホルダーを自作した時とは違い,自分で作ろうという人のために少し詳しめに紹介したいと思います.工作自体は割と簡単ですが,アルミ缶を扱うときに手を切らないように注意してください.
マーブルチョコレートのケースを見てスパイロメータのマウスピースを連想しない呼吸器科医はいない.
材料:micro:bit 1個,エッジコネクタピッチ変換基板 1個,ブレッドボード 1個,抵抗器(10kΩ 1個,1kΩ 3個),フォトレジスタ(cdsセル) 1個,LED(白) 1個,ジャンプワイヤ 適量,マーブルチョコレートの容器 1個,ジュースのアルミ缶 1個,厚紙 1枚,クリップ 1個,ボールペンのインク芯 1本.ラジオペンチ,のり,瞬間接着剤やテープも使いました.
余談ですが,初めての電子工作だと思い込んでいましたが,これを書いている最中に30年以上前ゲルマニウムラジオを作ったのを思い出しました.
電子部品の準備や工作にはサヌキテックネットさんのホームページが参考になります.
Micro:bitは2000円あまりで買えてプログラミングもできる手のひらサイズのコンピュータです.小学校の授業でも使われているようです.
では作っていきましょう!
① マーブルチョコレートのケースの両端にある丸い紙を外します.
② アルミ缶をこの状態に開いてから2x4cmの長方形を切り出します.
③ まっすぐにして5-6cmで切ったクリップに,1x3cm位のコピー用紙を巻き付けます.
④ 2x4cmのアルミの板を半分に折り畳み,紙をまいたクリップの棒を真ん中に挟んで瞬間接着剤で貼り合わせます.
⑤ 巻いた紙を取り除くと回転翼の完成です.マジックペンで黒く塗っておきます.
⑥ 型紙を印刷して厚紙にのりで貼ります.
⑦ Ⓐを切り抜いて組み合わせます.
⑧ ⑦をマーブルチョコレートのケースの内側に貼ります.
⑨ クリップで作った回転翼の軸を90度に折り曲げ,ボールペンのインク芯を2-3mmに輪切りにしたものと回転翼に通します.
⑩ Ⓑを切り抜いて所定の位置にCdsセル,LEDを挿します.黒い側が内側になるように,回転翼を通した軸を本体の軸受け穴に通して折り曲げ,テープで止めます.
⑪ ⑩にマーブルチョコレートのケースを差し込んで本体は完成です!次はブレッドボードです.
⑫ 今更ながら回路図です.手元になかったので1kΩの抵抗器3個を並列つなぎしましたが,330Ω1個でいいと思います.
⑬ ⑫に従って回路を組みます.ええ,ひどい作りだというのは何となく自覚しています.とにかく回路図を参考にしてください(半ギレ).
⑬ ハードはこれで出来上がり!
⑭ プログラムファイル(microbit-ピークフロー6.hex)をダウンロードしてmicro:bitにコピーしてください.これでマーブルスパイロの完・成・で・す!
この装置の特徴はよくある電子部品で作れるところです.ごらんの通り私は電子工作初心者なのですが,最近購入したmicro:bitとピッチ変換基板以外は以前購入してほったらかしになっていたarduino初心者実験キットに含まれるわずかな部品だけでシステムを作ることができました.また,マーブルチョコレートのケースを使っているので,キャップをマウスピースとして使えば,装置を比較的清潔に保つことができます.
欠点としてはサンプリングのタイミングが回転翼の回転速度に対して比較的遅いため精度があまり高くないこと,呼吸機能の指標が本システム独自のものであることなどです.しかし,安価なスパイロメータもどきがその気になれば1日で作れるのは,かなり魅力的だと思います.
皆さんもmicro:bitを使ったお手軽な電子工作:マーブルスパイロをつくって呼吸器に興味を持ってね!