総合呼吸抵抗測定装置モストグラフ02について
投稿日: 2017/04/03 3:02:13
三瀬医院では総合呼吸抵抗測定装置モストグラフ02による呼吸抵抗測定を開始いたしました.広域周波オシレーション法によって総合的な抵抗指標(粘性抵抗,慣性抵抗およびインピーダンス)が短時間でわかります.
従来の呼吸機能検査(スパイロメトリー)と違い安静呼吸での測定であり,小児,高齢者,呼吸不全患者様でも苦痛なく測定できます.
呼吸抵抗の測定により気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の補助診断,治療効果判定などが可能です.
以下に当院における検査結果をご紹介します.
健常者では全体に粘性抵抗は低く,周波数が低くなっても抵抗の増加はわずかであることが,全体的に平坦な緑色の波形で表示されます.
気管支喘息の患者様では粘性抵抗が高くなり吸気,呼気での抵抗値の変動が健常者と比較して大きくなっていることが,赤から紺色の高低差のある波形からわかります.
これは喫煙歴のある気管支喘息患者様の粘性抵抗波形です.上記の波形よりも全体の抵抗値が高くなり周波数が低くなるにつれて抵抗値が高くなる様子が赤から黒の奥に行くほど傾きが急になる波形からわかります.
以上のようにモストグラフ02は気管支喘息をはじめとする様々な呼吸器疾患の診断・病態評価に有用です.