嫉妬感情とは、他人と自分を比較して、他者が優れていたときに生まれる感情です。これまで、嫉妬感情は、他人の足を引っ張るなど、社会的に望ましくない行動を引き起こすとされていました。しかし、近年、嫉妬感情にも「羨望(せんぼう:
Benign envy)」と「嫉み(そねみ:Malicious envy)」があり、それぞれは異なる行動を引き起こすことが明らかになりました。特に羨望は、むしろ自己の努力を促すなど建設的な行動につながることから、その働きが注目されています。本研究では、どのタイプの嫉妬感情を抱きやすいかが、文化特有の行動傾向や認知傾向と関係するかどうかを検討しようとしています。日本文化に見られる「ねたみ」や「そねみ」のような感情はなぜあるのでしょうか。現在、羨望と嫉みを弁別できる尺度の日本語版を作成し、その妥当性を検証しています。
【関連する論文や学会発表】
井上裕珠・横田晋大 (2015) 日本語版羨望と嫉み尺度の作成と妥当性の検証 日本社会心理学会第56回大会(於:東京女子大学10月31-11月1日)