【外集団脅威への適応心理メカニズムを明らかにする】
これまで、様々な分野の研究者が明らかにしてきたことは、人は集団間葛藤状況に直面すると、自分の所属する集団(内集団)に対して好意的・協力的になり、同時に、自分の所属しない集団(外集団)に対して非好意的・非協力的になることでした。しかし、この現象が、「なぜ」起こるのかについては、未だに謎のままです。本研究では、集団間葛藤が協力行動を促進させるとの現象が、進化の過程で人々が獲得してきた適応的な心理メカニズムの表れであるとの仮説を立て、その実証を行っています。特に、集団間葛藤という状況の手がかりがあるだけで、半ば自動的に協力行動が引き出されてしまうような心理メカニズム(心の仕組み)が備わっていることを実験室実験で検証しています。
【関連する論文や学会発表】
横田晋大・結城雅樹 (2009) 外集団脅威と集団内相互依存性-内集団ひいきの生起過程の多重性 心理学研究, 80, 246-251.
坪井翔・三船恒裕・杉浦仁美・横田晋大 (2013) 外集団脅威は男の外集団攻撃を引き起こすか?-最小条件集団を用いた実験的検討 日本行動進化学会第6回大会(於:広島修道大学 12月7-8日)