【血液型で性格判断をしてしまう心理を明らかにする】
「血液型で性格が分かる」ことは、日本では知らない人がいないほど有名であり、かつかなり多くの人が信じてしまっていることです。社会心理学者は、血液型性格判断が誤りであり、血液型の違いにより性格が異なることはないとの結論を出しています。しかし、科学的根拠が存在しないにも関わらず、血液型と性格との関連を強く信じる人たちがいます。では、なぜ血液型と性格の関連に、そこまで強い信念が存在するのでしょう。この疑問には数多くの仮説が存在します。ひとつの可能性として、病気感染の回避に関する心理メカニズムが関連していることが考えられます。すなわち、血液型が異なることは、お互いの免疫機能が異なることの手がかりであると捉えられてしまっているのです。そのため、病気感染に敏感な人ほど、相手(特に異性)の血液型を気にしてしまうのです。この仮説に則ると、血液型と性格に関連があると強く信じる傾向は、妊娠可能性のある女性によく見られると言えます。現在、この仮説の妥当性を検証しています。
【関連する論文・学会発表】
横田晋大 (2013) 血液型と相性(1) -血液型の組み合わせは相性の良さを規定するか?- 広島修大論集, 54, 13-22.
横田晋大 (2013) 血液型と相性(2)-配偶者選択の道具としての血液型ステレオタイプ-広島修大論集, 54, 23-34.
Yokota, K. (2013, July). Blood type screening - The blood type stereotype as a tool for mate selection. The 25th annual Human Behavior and Evolution Society, Miami, FL.