コケムシって、コケ？ムシ？

コケムシは私たちの身近にも生息している水中の小さな動物です。

近年、オオマリコケムシの大発生が話題となったり、ウミウシの餌としてコケムシが注目されることも多くなりました。

しかし、これだけマニアックな動物たちが話題となる現在においても、コケムシについては未だ図鑑やガイドブックすら存在せず、

どんな動物なのかも、どのように調べれば良いのかも、イマイチわからないことが多いのではないでしょうか？

そこで、もっと多くの人にコケムシを知ってもらうことを目的として、このページを作成しました。

ここでは自分の研究紹介を交えて、コケムシとはどのような生物か を紹介し、コケムシの知られざる魅力 に迫りたいと思います。

あと･･･是非ともコケムシに関する本も執筆したいと考えています。

注目されることが少ない動物ですが、その美しさと多様性に魅了される人は多いと確信しています･･･！

NEWS

2024/10/08

箒虫動物門に関する新たな論文が出版されました。沖縄で得られたPhoronopsis californica を形態とDNAの両データとともに報告しました。

本種は日本からのPhoronopsis 属の初記録となります。これにより日本から正式な報告がある箒虫動物門は5種となりました。

Hirose M, Uyeno D (2024) First record of Phoronopsis (Phoronida) from Japan, with a description of Phoronopsis californica Hilton, 1930 from Okinawa. 

Biodiversity Data Journal 12: e131280. DOI: 10.3897/BDJ.12.e131280 

https://doi.org/10.3897/BDJ.12.e131280

2024/04/19

新たな共著論文が出版されました。日本各地の沿岸で得られる穿孔性のコケムシの一種にPenetrantia japonicaという名前が付きました。

この論文では、本種を含む属内の系統関係のほか、櫛口目全体の系統関係についても調べています。

 Decker SH, Saadi AJ, Baranyi C, Hirose M, Lemer S, Sombke A, Aguilera F, Vieira LM, Smith AM, Waeschenbach A, Schwaha T. (2024) 

Boring systematics: A genome skimmed phylogeny of ctenostome bryozoans and their endolithic family Penetrantiidae with the description of one new species. 

Ecology and Evolution, 2024;14:e11276. DOI: 10.1002/ece3.11276

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ece3.11276

2024/02/01

アカリコケムシを含むアカリコケムシ科の内部形態を詳細に観察し種間で比較した共著論文が出版されました。

Schwaha T, Hirose M, Wood TS (2024) 

Morphology of ctenostome bryozoans: 7. Hislopia, Echinella and Timwoodiellina. 

Journal of Morphology 285(2) DOI: 10.1002/jmor.21678 

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jmor.21678

2023/12/13

2022年の国際学会のproceedingsに、日本産チゴケムシの分類に関する論文と軽石に付着して分散するコケムシの論文が掲載されました。

Chihiro Kubo and Masato Hirose (2023) 

Revision of Japanese Watersipora based on microscopic morphology and molecular data. 

In: M.M. Key, Jr., J.S. Porter and P.N. Wyse Jackson (eds). Bryozoan Studies 2022. CRC Press/Balkema, Boca Raton/Abingdon, pp. 65–73.

Masato Hirose and Sota Kaneko (2023) 

Bryozoan dispersal using pumice rafting generated by the submarine eruption in the Ogasawara, Japan. 

In: M.M. Key, Jr., J.S. Porter and P.N. Wyse Jackson (eds). Bryozoan Studies 2022. CRC Press/Balkema, Boca Raton/Abingdon, pp. 41–46.

2023/06/06

共著論文が出版されました。貝殻に穿孔するコケムシの形態を詳細に観察し、その系統学的位置に加えて分布や種分類も再検討しました。

ちなみに、今回観察した日本産の標本は日本中の磯で普通に得られますが、これまで誰も観察してこなかったもので、ほぼ確実に未記載種です。

Sebastian H. Decker, Masato Hirose, Sarah Lemer, Piotr Kuklinski, Hamish G. Spencer, Abigail M. Smith & Thomas Schwaha (2023) 

Boring bryozoans: an investigation into the endolithic bryozoan family Penetrantiidae. 

Organisms Diversity & Evolution. DOI: 10.1007/s13127-023-00612-z 

https://link.springer.com/article/10.1007/s13127-023-00612-z

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