コケムシWeb図鑑
未完成ですが、整い次第順次公開していきます。
今後、写真やイラストもより良いものに差し替えつつ、最新の研究状況に合わせて更新していく予定です。
概要
ここでは、日本の淡水域や沿岸域で比較的よく得られるものについてのみ掲載しています。
検索結果を科や属にとどめているものも多数ありますが、これは種分類に走査型電子顕微鏡(SEM)による観察が必要となるためです。
水辺や海岸、あるいは市場や居酒屋でみつけたコケムシが、どんなグループなのかを大まかに調べる際にご利用ください。
ページの最下部に形態形質の名称を記した模式図もありますので、同定の際にご活用ください。
Ⅰ.分類体系で検索
ー補足-
現在では櫛口目は側系統群であるとされていますが、櫛口目の名称はそのまま採用しています。また、唇口目の中の系統関係についても、現在では無嚢類と有嚢類はそれぞれ単系統群ではないことが明かとなっていますが、ここでは古い文献との対応をわかりやすくするため、便宜的に古くから用いられたこの名称も使用しています。
裸喉綱 Gymnolaemata
狭喉綱 Stenolaemata (ここでは現生種が知られている分類群のみを示しています)
被喉綱 Phylactolaemata
Ⅱ.特徴で検索
1.池や湖にいるコケムシ
1ー1.クチクラの虫室をもつ
(個虫の境界が明瞭・触手冠が円形・虫室表面がキラキラすることも)
= 裸喉綱櫛口目
1ー2.虫室は柔らかい
(個虫の境界が不明瞭・多くの場合、触手冠は馬蹄形・群体は管状やブヨブヨ)
= 被喉綱
2.海にいるコケムシ
2ー1.虫室は石灰化
(硬い、もしくはパリパリやジャリジャリしている・死んでも虫室の一部が残る)
= 裸喉綱唇口目 or 狭喉綱円口目
2ー2.虫室はクチクラ
(柔らかい・虫室が透明で中が透けて見えることが多い)
= 裸喉綱櫛口目
Ⅲ.形態形質の名称
コケムシの分類によく使う重要な形態形質の名称です。
同定を進める際にご利用ください。
(「新・付着生物研究法」より)
淡水コケムシ(被喉綱)の休芽の各部名称
休芽の背腹殻
縦断面模式図