1.鶴見区の感染は、横浜では最悪? 東京に近いから? ~ 根拠のない噂話 ~
2020年11月、毎週発表される横浜市内感染者数で鶴見区の感染者数(累積)が市内最多だったために、鶴見区内で流れた根拠の無い噂話。(2020年12月下旬時点での鶴見区感染者数は横浜市内で3番目)
11月時点で確かに絶対数では最多でしたが、果たして、それで感染が最悪と言えるでしょうか?
鶴見区は人口が多いので、感染者数が多くて当たり前です。
感染の度合い云々と言うのであれば、感染者数を人口で割った人口比で比較するのが適当と考えます。
鶴見区の感染が横浜市内で最悪というのは、一面的な見方です。
絶対数も必要な情報ですが、より重要な情報は人口比のはずです。
【事実】
人口比でみると以下の図になります。
【意見】
鶴見区は 0.21% で、横浜市平均の 0.19% に近い数字です。
鶴見区の感染が最悪という表現は適当とは思えません。最悪は 0.36%に及ぶ二つの区と見るのが自然です。
まして「東京に近いから」という理由づけについて、客観的で合理的なデータに基づくという話を聞いたことはなく、単に想像しただけの内容と思われます。
このような噂話をすることは、デマの拡散にあなたも加担してしまうことになるので、注意しましょう。
札幌医大のように人口比でデータを発表している、科学的に当たり前の対応をしている機関は残念ながら少数派です。人口で割るなど、ごく簡単な計算です。マスコミも行政も各専門家も、なぜ人口比よりも絶対数の発信を優先しているのか、謎です(大部分は絶対数しか発信していません)。
一面的な見方に囚われてしまっては本質が見えなくなり、本当に適切な対応が取れなくなってしまうと危惧します。
2020年8月、アメリカとブラジルの死者数が1位・2位だったことから、テレビでコメンテーターや専門家(と言われる人々)が「大統領がコロナを軽視するから感染が深刻になった」と非難する映像が多々流れました。本当でしょうか?