就活編
Q.就活禁止令とかありますか?
A.ありません。理系の黒い研究室の事例をきちんと調べているようで安心しました。とにかく早く動いて、とっとと就活終わらせて頂くと嬉しいです。が、就活を特別に考慮した研究スケジュールにはなりません。
Q.エントリーシートの添削はして頂けますか?
A 専門部署があるので、そちらに頼むのが王道だと思います。が、相談して頂ければ、それなりにのります。過去、添削と言うか一緒に時間かけてリライトした学生さんは、比較的早く就活を終えていたり、入社式のときに新入社員の代表として挨拶することになったりしていました。きちんと勉強や研究する学生さんというのが前提でしたけれど。代表として挨拶することになった学生さんとは別の学生さんですが、学会で受賞しましたし。
あと、既卒の人の転職活動を手伝って、履歴書や職務経歴書のチェックなんかもすることがあります。ついこの間、別のゲーム会社へ転職しようとしている人の書類をみました。
Q.就活で推薦書ぽいもの求めらたんですけれど書いてもらえますか?
A.書きます。ただし、信用問題に関わるので、客観的な事実、定量的な評価に基づいた文面になります。
Q.就活が忙しくて研究がすすまない!
A.いくつかの他大学のガチンコ研究室と同様、「特別な」考慮をすることはありません。基本的に、4年の春学期が地味に忙しいスケジュールになると思って頂ければ。遅れは、GWや夏休みを使って取り戻して頂きたいなぁと思います。
一方、就活が長引いた場合でも就活のネタに困らない実績を手に入れられるよう意識して助言しています。ただ、学業について(特に卒研について)聞きもしないし評価もしない企業への就活支援は、あまり考えていません。
Q.早めにシステム実装するスケジュールが基本みたいですが就活でのメリットはありますか?
A.内定頂けること前提ですけれど、配属先(技術系)を決める面談で、「これから後期に入ってからシステム作るんです(キリッ」と 既にシステム作って使用プログラミング言語、使った要素技術(使用ライブラリなど)、アルゴリズムなどの説明ができ、学会発表の実績や予定もある人が1つの席を奪い合う場合、どちらが勝つかは明白でしょう。過去、嬉しそうに報告してくれた学生さんがいました。「早めに卒研進めておいてよかったわー、同じ配属面談うけて、これからシステム作るとか言っていた他大学の人が営業に回されて、俺は希望した部署に行けることになったー!」みたいな報告を、格ゲーの視線分析インタフェースを構築した学生さんから受けました。
一方、なかなか内定頂けず就活が長期戦になった場合には、面接の場やエントリーシート書くネタで「いやー、実は今まで就活あまりしていなかったんですよねー、卒研が面白くて~ 御社の求人票みて、調べて、ここは本気で受けてみようと~」みたいな話を、根拠つき(使っている要素技術の説明や、大学院生じゃないのに学会発表したとか申し込み中とか)でできます。つまり、他のどこも採用したがらない人がダラダラ就活を続けているのではなく、もとから学業に打ち込んでいたから就活のスタート自体が遅いんです、といったストーリーが(ぶっちゃけ後付けであっても)構築可能ということです。言い方変えると、就活苦戦して卒研進捗も遅い人は、お察しということになります。秋くらいになったら、卒研優先した方が良いのでは? と一応助言はしますね……強制ではないのですが。
Q.ゲーム業界へ行きたいです!
A.結構マジな話で、私の助言を聞き入れていれば行ける確率は高まると思います。ただ、これまでの経験上、途中で諦める学生さんが殆どです。エンジニア系でゲーム会社入った人は、すぐにこちらの要求したプログラムを書いてみせてきました。アート系の人の場合、「この絵じゃ売れないと思う、理由は~~」とか「君の描きたいものを描くんじゃなくて、売れるものを描いてくれる?」といったコメントに凹まずに、私の助言に沿って描きなおす作業を何十回もしました。基礎的なデッサンの勉強も自習しつつ、デッサン教室にも自費で通っていました。
結局、理系とか文系とか、エンジニアリングだろうがアートだろうが関係なく、「勉強する」人が生き残っている感じです。また、アート系でも、3Dやる人の場合、高校数学(ベクトル関係)復習したり、PythonやC#の勉強もしていました。自分は文系なんで~とか言い訳しない人です。
ちなみに、勉強「しない」タイプでも、運よくゲーム会社(小さめの会社ですが)へ入れた人はいます。私が面倒見た学生さんでもなんでもないですけれど。
あと、私のこの回答は、新卒採用に限定した話ではないので注意してください。もちろん、文教大の卒業生の話でもありません。それから、企業の規模や職種、ご自身の将来をあまり考慮せず、とにかくゲーム会社へ就職するだけだったら、意外と簡単な面があるかもしれません。
Q.やっぱり大手のゲーム会社へ行きたいです!
A.学生さんの考える「大手」の意味するところが何かわかりませんが、研究者・技術者としては研究開発部門(R&D)にどれだけ力を入れているかで、企業を評価しています。なので、学生さんが高く評価する「有名企業」「大手企業」と、私の評価が一致しない可能性があります。そのうえで、技術者として就職することを想定してコメントするならば、「大学院を出ておきましょう、大学院在籍中に論文業績を増やしておきましょう」となります。
応募先の企業や配属希望部局にもよりますが、研究テーマなんてゲームと無関係でも構いません。情報系と言いますか計算機科学(コンピュータサイエンスですね)関連のガチ研究経験と実績が重要になるでしょう。
Q.エンジニアリングではなくアート方面で大手に行きたい場合でも大学院へ行った方が良いですか?
A.正直、履歴書上でアドバンテージとれるかどうかはわかりません。作品実績や「勉強するタイプかどうか」が効いてきそうな気がします。上の項目で挙げた話と絡みますが、知人で2D絵描き(プロとしての実績あり、普通にゲーム会社勤めしてスタッフロールに名前のっていた)から3Dに手を出し勉強した人がいますが、出身はここと同じ文系ベース学部でした。が、大学ノート5冊分くらい、数学とCG開発ツール、ゲームエンジンに関する勉強をしていました。そもそも、センター試験で数学受けていますし、学生時代も、ここでいうシステム開発領域の科目をとっています。プログラムとか、データ構造とかそういうの。つまり、「勉強の仕方を知っている」人です。機会があれば、うちへお話に来て頂いてもよいかなぁと思っています。
Q.潰れそうな会社に行くことになったかも……というか10年したらヤバいかも……
A.仮にそうなっても、すぐ次の職場を見つけられる地力を、研究活動を通して身に付けて頂きたいんですよ!! 上の方でも書きましたが、ぶっちゃけ、どこかに就職するだけだったら、かなりイージーモードな面があると思います。まだ若いのに(30代とかで)、会社と共に滅びの運命を受け入れないといけない人には、あまりなって欲しくないです。
Q.もしかして最初の就職先から速攻転職する場合のネタに……
A.転職狙う先によりますが、個人の業績(学会発表、受賞など)は、武器のひとつとして使える場合があるでしょう。後付けでも「実は今の職場、経済的な理由と履歴書に空白を避けるために入社したんです。実は在学中、御社の技術開発と関連のある研究をしていて、そちらに熱中しすぎてしまって……大学院じゃなくて学部のときに〇〇学会に論文通しまして~」みたいなストーリーが作れます。
Q.先生は口が上手い方ですか?
A.ま、エピソード作りっていうんですかね、ストーリー構成力にはそれなりに自信ありますし、面接は比較的得意ですね(ま、面接落ちしたことありますが)。ある程度得意でないと、より良い待遇(職場の立地や給料など)もとめて、コロコロ職場うつれませんので。研究業界は、カタログスペックに関しては丸裸みたいな業界ですし。
とはいっても、年齢や体力的に、コロコロ職場変更が難しくなってきました。
Q.模擬面接とかの相手してくれますか?
A.専門の部署に依頼するのが王道ですけれど、時間つくってお相手してもよいです。積極的にしたいわけじゃないですけれど……今まで頼まれた回数は、多分2回です。