研究室概要

 2016年4月に、対話的可視化システム研究室(別名eスポ研)として岡山理科大学総合情報学部情報科学科でオープンし、2019年4月よりデジタルゲーム競技(e-Sports)研究室として、文教大学情報学部情報システム学科に移りました。

目指す世界

 本研究室の使命は、デジタルゲーム競技(e-Sports)の文化的価値向上です。e-Sportsを取り巻く世界が、囲碁や将棋のような伝統的な盤上ゲーム、野球やサッカーのようなメジャースポーツなどを取り巻く世界と類似し、発展していくことを目指します。

取り組む課題

 本研究室では、既存の大衆に認められている競技文化には、3つの特徴があると考えます。「上手いプレイをするには練習や頭を使うことが必要≒上手いプレイヤーは凄い人と認識されている」「プレイの上手さが他者へ伝わりやすい、またはプレイの上手さを伝える仕組みがある」「理論に裏打ちされたプレイ技術の上達方法論が存在する」です。

 本研究室では、これら3つの特徴をふまえ、e-Sportsに関して以下の3つを、取り組むべき大きな課題としています。

    • ゲームプレイにおける知的活動の特徴を明らかにする

    • ゲームプレイの分析や観戦支援の仕組みを構築する

    • ゲームプレイの汎用的かつ知的創造活動に関する上達方法論を確立する

方針と特徴

 本研究室では、人間が有益な「情報」としてデータを理解・分析・活用するための情報可視化インタフェースに関する研究を下敷きにし、e-Sportsにおける人間の知的創造活動を支援します。前述した3つの課題を解決する鍵が、他者へわかりやすく情報を伝えることにあるからです。あまりe-Sportsに詳しくない人に対して、「ほら、今のプレイってよく考えられているでしょ?」とか「今のプレイはココが凄いんだよ?」とか伝えたり、少し興味をもってゲームをプレイし始めた人に「次はこうしてみたら?」といったことを伝えるのが重要です。このサイトみたいに文章だらけでなく、直感的に理解しやすい図的な表現を用いる情報可視化技術とそれを応用したインタフェースに関する研究は、前述した課題の解決に適していると考えます。

 本研究室では、あくまで人間の情報分析作業や意思決定作業を支援する技術といった、人間中心主義で研究を行います。データから特定プレイヤーやチームなどに向けた、戦略・戦術情報推薦技術を主な課題とするものではありません。また人間の意思決定の代理をしたり、CPUキャラクターを構築するための人工知能技術を主な課題とするわけではありません。

 主導権が人間にあることに重点をおき、人間の情報活用能力をコンピュータに置き換えるのではなく、拡張する意識で研究を行います。そのため、本研究室で行う研究は、コンピュータサイエンス分野の知見だけでなく、心理学や認知科学といった人文系学問の知見も応用した研究になります。

関連分野

    • エンタテインメント・コンピューティング

    • ヒューマンコンピュータインタラクション

    • 意思決定支援