適性編

Q.プログラミングする気ないし、センサ類いじる工作も嫌だし、英語の論文読むなんかも絶対しないけれど、ゲームで遊ぶの超好きだし、映像コンテンツとか音楽コンテンツ作るのは得意です!

A.うーん、なぜうちの研究室に来たがるのでしょうか。「エンジニアリング」ではなく、「アート」方面のデザイン系研究室へ行かれた方がよろしいのでは?

Q.あたし、某ソシャゲでランカーだけれどプログラミング() 数学() 英語()って感じですけれどー??

A.なんだか地雷臭がしますね……。うちの研究室、単にゲーム上手けりゃ良いわけじゃないので。学問をする場であって、ゲーマー養成の専門学校ではありませんし。

Q.あたしフォトショやイラレなどで絵ならかけるよ~薄い本かいていたしーゲーム好きだしー☆

A.手を動かしてものを作れてアウトプットできるのは良いのですが、本研究室での研究活動には向かないかも。デザイン系ぽいですが、比較的本研究室に合うデザイン系の人は、表紙に動物の絵が描いてある本が好きそうな人なんですけれどね。つまり、「技術」にも興味がある人。Webデザイン会社のようなところで、コードゴリゴリ書く仕事をして必要に応じて最新の技術情報を仕入れ、趣味としてお絵かきとか薄い本販売とか。そのタイプなら別に悪くないですが。

Q.俺プログラミングとか数学とかはあまり自信ないけれどもプロゲーマーですが(またはそっち方面に顔がきいて人集め余裕ですが)配属希望だして良いですか?

A.最悪システム実装への貢献がほぼ0でもいいので、うちに来て頂けないでしょうか。別に、格ゲーとかFPSとかMOBAなどの特定ジャンルに限定していません。ただし、あなたのシステム実装能力が壊滅的な場合、同じ研究室のメンバーと交渉が必要かもしれません。プログラム得意な学生さんが格ゲーやFPSの研究したくて、あなたがパズルやカードゲーマーだった場合などですね。

Q.プロじゃないけれどゲームのコミュニティで大会開催したり自身も壇上プレイヤーだったり活動中(または過去に活動経験あり人脈そこそこ維持できている)の場合は?

A.どうぞよろしくお願いします。ただ、成績面で不安がある場合、事前に面談して頂かないと、場合によっては他の研究室へ回されることがあるので要注意ですよ?

Q.ゲーム()とかe-Sports()とかキモくて嫌なんだけれど、結果が全ての価値観は同意(俺様ガチ運動部で全国区だし~)なんだけれど?

A.卒研クリアできるかどうかはともかく、根っこの価値観は似ていて話は合うかもしれません。おそらく、結果を出すためには、結局のところ日々の基礎練習(地味な努力の積み重ね)が重要なのを、体感的に知っているでしょうから。そして、如何ともしがたい才能の差が存在し、努力が報われるとは限らないことも知っているでしょう

 やっぱりプログラミングなどシステム実装まわり、または電子回路工作といったハードウェア方面でのシステム実装、その他、文献読解といった、頭を使う作業に関して苦痛すぎるかどうかが、本研究室に合う合わないの境目になると思います

Q.結果だしていないしレギュラー入りしたりしなかったりレベルだけれど高校のときに地味な練習を最後まで続けましたが……

A.その経験、とても大事。私の指導方針の「研鑽は必要、苦労は不要」の話と絡みますが、結局のところ、コツコツ根気よく作業できると勝手に結果でて俺ツエーできる感じです。過去、運動部で頑張っていた経験のある学生さんは、良い研究して、堂々と学会発表しています

 ただ、やはり、プログラミング他システム実装まわり、または資料集めてしっかり読み込んで勉強する作業の両方が苦痛で苦痛で仕方ない! とかだと、流石にキツいかもです。

Q.性格的に合いそうな学生は?

A.学問上の能力ではなく性格を理由に受け入れを拒むのは、あってはならないことです。なので、受け入れ可否とは関係ないお話をします。

 結局のところ、どこの研究室でも当てはまる話かもしれませんが、人の助言を聞いてすぐ実行に移せる素直で行動力ある性格の学生さんが、実力をつけていっている気がします。誤解されては困りますが、イエスマンが良いと言っているのではありません。卒業研究の主人公は、教員ではなく学生さんです。

 また、人格面がどんなに優れていても、単位取得の条件にはなりません。たまに学生さんに話していることですが「君が、とても礼儀正しく、素直で元気で明るい好青年なのはわかる。おそらく職場でも大事にされそうな人物だろう。けれども、それを理由に卒研合格とするわけにはいかない。提案システムの評価実験を実施し、研究成果をまとめあげないと、成績評価対象の成果物そのものが存在しないことになる。」です。

 逆に、伸びないなぁと思う学生さんの例を、これまで見聞きした範囲で述べるならば、趣味が音楽(バンド)の人にありがちな「自己主張する俺様かっけー!」「センコーに歯向かう俺スゲー!」的な痛々しい人でしょうか。そのタイプは、口ごたえが多いですね。不満をすぐ顔に出しますし、しなくてはならない作業のスピードも遅い、ついでにミスも多い!!みたいな。

Q.ゲーム関係の研究だからオタクっぽいようにみえて実は意外と体育会系だったり?

A.上手く言えませんけれど、オタクっぽいというのが、オドオドして他人と会話するのが苦痛で引きこもるのようなイメージであるならば、うちはそうではなく、体育会系に近いです。ユーザインタフェース関連の研究分野をベースにゲーム研究していますから、研究遂行するご本人だけでは研究が完成しなくて、他の人間(実験協力者など)が絡むんですよ。なので、明るく元気にハキハキ系でないと、むしろ不味いんです。「数学のできる居酒屋バイト経験者が望ましい」といったらイメージつきますか?  何気に、企業から好まれやすいタイプだと思いますが。頭が良くて社交的ですぐ動き体力もある、ですからね。

 一方、全員が集まるコアタイムが強制されず、飲み会や合宿、スポーツ大会など、グループでやるイベントものを私からは企画しませんので、個人主義的なオタク系学生さんが、黙々PCモニタに向かって作業したり論文読んで勉強できる(強制参加イベントがほぼ無く、研究室外の好みのスペースで作業してもOK)という点では、オタクっぽい雰囲気があるかもしれません。

 ちなみに、私含めて教員の多くは、本質的にはオタクだと思います、はい。

Q.頭を使うだけでなく体力勝負みたいなところがあるのですか?

A.ぶっちゃけ、研究力≒体力(持久力)みたいなところがあります。歳とっても現役で活躍されている先生方や、すべての仕事をそつなくこなせるタイプの先生は、体力お化けみたいなところがあります。

 私自身の弱点の一つが、体力の無さですね。1日9時間は寝ないとまともに動けないですし、心肺機能が弱くて、心電図に異常が出たり出なかったり、朝起きるときは目覚まし鳴ってから1時間後くらいにようやく布団から出られる感じ。会社勤め無理ですね。カビゴンやケッキングみたいな生活をしたいです。

 話戻しますが、スムーズに研究を進めるには、教員の助言を聞き入れる素直さと、コツコツとした積み重ねを行う体力(持久力)が必要といった面があります。なので、指導者の助言を聞き入れる癖がついており、また地味な練習を繰り返すことが自分の成長につながるとわかっている運動部経験者が研究遂行に有利となる面があります。

 学部長からは、本学の学生さんは持久力があまりないと聞いています。ひとつひとつ積み重ねて勉強していくのが苦手だとかで、私はとても不安です。