葉菜類

立澤 文見 准教授

1)研究材料

アブラナ科ラン科

アルストロメリア科

ツユクサ科ヒルガオ科

ケマンソウ科その他

2)発色機構について

ストック、ラン類、アルストロメリアなど

加藤 一幾 助教

1)マメ科植物

2)トマト

3)グミ科植物

4)葉菜類

5)組換えトマトによる

ミラクリン生産

6)ダイコン類のアントシアニン

4)葉菜類の品質向上と環境保全のための栽培に関する研究

葉菜類はビタミン類やミネラルを多く含むが、硝酸イオンを蓄積しやすい性質を持っている。硝酸イオン自体には人間に害はないが、硝酸イオンは植物体内で硝酸還元酵素により亜硝酸イオンに還元され、亜硝酸イオンはメトヘモグロビン血症や発ガン性物質のニトロソ化合物の元となるため、人間に害を及ぼすといわれている。また、植物体内硝酸イオン濃度を低減することは、ビタミンCや糖含量を上昇させるため、高品質化へとつながる。

植物が吸収する土壌の窒素源としては、無機化窒素(畑作では主に硝酸態窒素)、有機態窒素がある。無機化窒素には肥料として施肥された窒素、有機態窒素が無機化した窒素がある。肥料の多施肥により、硝酸態窒素が多く蓄積する傾向にあり、雨により地下に浸透し、地下水汚染を招く元凶となっている。

本研究では、適切な施肥管理として、施肥前に土壌中の硝酸態窒素量を測定し、基準施肥量から差し引くという診断施肥を行った。材料はコマツナを用いた。施肥窒素量は診断施肥により大幅に削減することができた。一方、植物体内硝酸イオン濃度は夏作では診断施肥の基準施肥と有意差はなかったが、秋作では診断施肥により有意に低減した(加藤ら2008a)。また、養液土耕により、施肥管理を行い、レタス、ハクサイの植物体内硝酸イオン濃度を低減した(植田ら2009)。

ブドウ糖と亜リン酸溶液の葉面散布により、ミズナの体内硝酸イオン濃度の低減技術も確立した(加藤ら2008b)。

加藤一幾・植田稔宏・松本英一 (2008a) 黒ボク土地域の高温期コマツナ施設栽培における可食部 硝酸イオン濃度の低減化 園芸学研究 7 : 345-350.

植田稔宏・池羽智子・安 東赫・加藤一幾・河野 隆・松本英一 (2009) 葉菜類の露地栽培における点滴灌水施肥(養液土耕)栽培が収量・品質と施肥効率に及ぼす影響 日本土壌肥料学雑誌 80:477-486.

加藤一幾・植田稔宏・松本英一.(2008b) 葉面散布によるキョウナ(ミズナ)の可食部硝酸イオン濃度の低減化.茨城県農業総合センター園芸研究所研究報告.16: 13-18.

加藤一幾*・植田稔宏・松本英一(2013)コマツナのハウス周年栽培における窒素施肥量と可食部硝酸イオン濃度の低減を目的とした窒素診断施肥.園芸学研究.12(1): 43-49.

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