この場は,'Zakkan',「雑感」として,私が日ごろ考えていること,気づいたことなどを書き留める場です.
20241229
ゲイブ・ブラウン(著),服部雄一郎(訳),2022,土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命,NHK出版.読了.
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20241223
酒井邦嘉,2024,デジタル脳クライシス AI時代をどう生きるか,朝日選書.読了.
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20241219
指数関数exp[x]をx = 0の近傍でTaylor展開して近似する発想と比較すると,対数関数ln(1 + x) をx = 0の近傍でTaylor展開して近似しようとする発想のほうが気づきにくい傾向にあります.一次近似すれば,ln(1 + x) ≈ xとなります.気づきにくいのは,真数部分が何かの複雑な関数Aの場合であり,ln Aをln(1 + a)に変形して,ln A ≈ aと近似することで,lnを解消できます.Aの中にあるaがlnという一見すると越えられない壁をするっと越えて出てきた!という四コマ漫画のようなストーリです.ハードカバーを読んでいると,こうした式変形の巧妙さに感動すること,数知れず.
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20241217
野澤千絵,2024,2030-2040年 日本の土地と住宅,中公新書ラクレ.読了.
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20241216
養老孟司,2024,人生の壁,新潮新書.読了.
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20241211
今週は文献レビューとハードカバーを読むのに専念.最近,オフィスで立ちながら読んでいるためか,早朝に脚のふくらはぎが攣ってしまい,午前中は歩くのを断念.前向きに捉えれば,普段あまり使用していない筋肉を使用しているからかもしれません.もう少し,負荷を継続すれば,脚も攣らなくなるだろうと推察.数学系のハードカバーを久々に読むときは,最初から読むようにしています.経験者はわかるように,第1章を読み進めるのは,正直言うと退屈に思うこと多々.ハードカバーを読み進めていると,毎度よくわからない概念に直面します.ergordicityについて,改めて説明を読んでみると,ようやくイメージできるようになった気がします.算用数字の1を□で囲んだ記号は,長さ1の正方形をイメージすればよいこと,「W↑R^d」は,'converging to infinity'という考え方をするようです.これ,「無限大に収束」を意味するものの,無限大に収束って何?という状況です.思わず,'diverging to infinity'と書くべきところを,誤植しているのではないかと疑ったほどです.
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20241208
今宵の情熱大陸を興味深く視聴.日爪ノブキさんの言葉に共感するところもありました.とくに,休むことの不安,取り残されてしまうのではないかという焦燥感を払拭するために,ストイックに帽子を製作する様子は迫力ありました.
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20241206
午前は測量学(第11回)の講義.今日のテーマは,地形図,国土数値情報,地形測量,そして地籍調査.地籍調査については,12月1日にこの場で記載したとおり.9月20日以降,紙面上の多角形の辺や座標を計測する際の誤差論の話からスタート.中盤では,紙面上での計測の場面から,地上での測量の場面に置き換えるための話(測地系と座標系)をして,後半では,トラバース測量と水準測量における最確値や誤差の扱いを詳述.今回は多角形を「一筆」に置き換えて,地籍調査での場面に帰着させて,私の測量学の講義は完結.次回のテーマは,GISとi-Construction.講義というよりも,受講生に考えてもらう場にする予定.
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午後は,明治大学生田キャンパスにて都市解析特論の講義.今日が最終日.
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20241203
SAGEのジャーナルのacceptance ratioが公開されたようです.Environment and Planning B: Urban Analytics and City Science は21.8%.International Regional Science Review は11.0%.
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20241202
10月末からほぼ連勤状態であったものの,少々時間の余裕ができたので,溜まってしまった論文の査読に専念.
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20241201
科研費の合同研究会への出席のため,約一か月ぶりに本郷キャンパスへ.先生方のご発表を興味深く拝聴.合同研究会の前後は,次回の測量学(第11回)の講義資料の作成に専念.私の専門とすべき分野である,地籍調査について詳しく説明する予定です.白状すると,地籍調査について,どの分野の書籍を読めばよいのか,2010年頃に困りました.いまさらながら,測量学の教科書を読めば,体系的に学ぶことができることを知り,猛省しております.加えて,国土交通省の「地籍調査webサイト」はとてもわかりやすく,資料も豊富で重宝しております.私自身,測量というと,建設施工のイメージが強かったことも猛省.いまさらながら,都市計画分野において,地籍調査とその基礎たる測量について,きちんと教えるべきであると思いました.そのほうが,地理情報システムの習熟にも効果的です.
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20241130
明治大学大学院@生田キャンパスにて,都市解析特論の講義(四日目).今回からは,実質的には演習の時間.受講生の相談に乗りながら,課題を進めてもらいました.東京都オープンデータカタログサイトにて,東京都の「土地利用現況調査GIS」のアクセスランキングは第4位のようです.一見すると,建物現況GISはなさそうに思われます.ダウンロードすると,土地利用現況GISと建物現況GISデータがセットでzip化されています.拡張子で変に絞ると,該当しません.zipにもチェックをいれなければなりません.しかし,とても便利な時代になりました.
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20241129
早朝の岩和田海岸を散歩しながら,JR御宿駅へ.地区の実態認識.集落を散歩するのは楽しいです.駅前のヤックスストアは朝7時から営業.デイサービス事業も展開しているようです.JR御宿駅から,特急わかしお6号に乗車.茂原駅にてほぼ満席.JR外房線を利用したのはたぶん23年ぶり.上り列車ははじめてでした.
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測量学の講義(第10回).今回のテーマは水準測量.前回から二週間経っているので,前回のダイジェストを30分で講義し,続けて水準測量における最確値の計算について詳述.数学的には,前回のトラバース測量の場合と同じです.後半はラグランジュの未定乗数法を使用すると簡単に解ける例題を示し,ラグランジュの未定乗数法を使用しなくても解ける問題,解くのはしんどい問題,実質的に無理な問題などについて,学生に少し考えてもらいました.その後,ラグランジュの未定乗数法を適用すると,機械的かつ簡単に解けることを,黒板でデモンストレーション.改めて,ラグランジュは偉大であると思いました.
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20241128
研究室の合宿ゼミとして,千葉県一宮町などを調査.その後,御宿町にある本学の研修センターへ.BBQに始まり,研究室の卒論生と親睦を深めました.
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20241126
最近,坂本龍一さんの曲をBGMにする傾向にあります.今日も,書類を読んでいると,聴き覚えのある印象的なメロディが聞こえてきたので,曲名を確認すると,坂本美雨,1999,I’ll believe the look in your eyes,DAWN PINKでした.このアルバム'DAWN PINK'に収録されている,'CHILD OF SNOW'という曲は,「鉄道員(ぽっぽや)」の英語バージョンです.'awakening'の転調は病みつきになりそうです.坂本美雨さんのアルバムを購入したのは,2011年にリリースされた'HATSUKOI'以来です.25年前のアルバムをいま名盤として再発見したような感覚です.
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20241125
国際誌 Cities に論文が掲載されました^^
Usui, H., 2025, Morphological dynamics of cost-efficient urban areas: Expansion and shrinkage in greater Tokyo from 2003 to 2020, Cities, 157, 105468. (published online 20241124) (doi: https://doi.org/10.1016/j.cities.2024.105468)
2020年度 - 2023年度の科研費(基盤研究B)の主要な成果です.千葉県,埼玉県,神奈川県,茨城県を対象に,2003年,2008年,2013年,2016年,そして2020年における,建物分布に基づく既成市街地を画定し,その変化(ダイナミクス)を5時点比較により分析および考察しました.
既成市街地の画定は,Usui (2019)とその発展版であるUsui (2023)の方法を踏襲しております.インフラ維持管理費用を定式化するために,建物同士を結ぶ道路網をglobal road networksとlocal road networksに分類し,前者は国道や県道等,後者はいわゆる生活道路として扱い,後者は建物分布に依存すると考えて,建物分布に関する可変費用と見なしています.前者は固定費用です.こうすると,インフラ維持管理費用の建物当たり平均費用最小化問題に帰着します.Usui (2023)では,最寄りの建物までの距離rの閾値r_cと集落の規模(集落を構成する建物棟数)mの閾値m_cの二変数関数として,建物当たり平均費用最小化問題を定式化しています.今回,これを,千葉県の1時点だけでなく,埼玉県,神奈川県,茨城県の5時点で計算し,閾値r_cとm_cの変化,建物当たり平均費用の変化とともに,r_cとm_cに応じて決まる既成市街地の範囲の変化を丁寧に考察しました.
加えて,既成市街地が拡大しているのか/縮退しているのかについて,建物の新築(new building generations)と除却(空閑地化,vacant plot generations)だけでなく,集落が分離しているのか(fragmentation)/融合しているのか(aggregation)についても,統計的に評価する方法を考えて,建物の新築/除却の軸と集落の分離/融合の軸で構成される二次元平面上で,個々の集落を分類しました.
私が知る限り,上述のすべてをカバーした研究は世界的にも前例ないと思います.だからこそ,科研費の研究課題として申請し,研究の意義が認められたのだと思います.実際にやってみると,困難の連続で,昨年の今ごろは神経衰弱になりかけていました.しかし,今日,論文として出版されて,とても嬉しく思います.
本論文の着想は,もちろん,既成市街地の拡大と縮退を同時に捉えて,かつ,インフラ維持管理費用との関係を明示的に考えたいという,私の10年来の問題意識に基づくものです.
実はもう一つ,きっかけがあります.2015年11月15日に,NHKアーカイヴズを視聴しました.戸塚洋二先生による闘病記録です.その後,戸塚洋二著,立花隆編,2011,がんと闘った科学者の記録,文春文庫を購入しました.p.87の記述を読むと,石橋蓮司さんのナレーションを思い出さずにはいられません.自らの体内の腫瘍のサイズを測る.そう記すことも躊躇するだろうに,計測するなんて,と思いました.読み進めていくと,下記の一節があり,これが,今回の私の論文を執筆しようと思ったきっかけです.
「ちょっと奇異に感じたことがあります.医師の先生方は,前回のCT写真と今回の写真を見比べて,変わらないなとか,少し大きくなったかな,などの説明してくれます.しかし,前回の大きさは何センチで今回は何センチですよ,とは説明してもらったことはありません.(p.87)」
本書を2020年5月25日に再読了しております.当時の感想を再掲します.
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購入は2015年11月.その後,The Second Three-Monthsまで読み進めたものの,読み進めるのが少々辛くなり,中断したままでした.先週,はじめから読み直し,さきほど読了.
本書では,戸塚さんの科学者としての姿勢が終始貫かれております.
自身のがん細胞の画像を直視しては,がん細胞の大きさを計測し,がん細胞の時系列変化と治療や投薬との関係を(対数軸グラフで)緻密に分析・考察する姿勢には畏怖の念を禁じえません.付箋を貼った個所は多数あるなかで,「(腫瘍)マーカー値の増大と腫瘍サイズの増大の間には比例関係はない.従って,抗がん剤の効果を判定するとき,安易にマーカー値増大を指標に使うべきではなく,CT写真による腫瘍サイズ増大を使うべきである.(p.392)」との指摘は,上述の緻密な分析と考察に基づくものです.
また,立花さんとの対談において,「相手が生き物だと,個体差が大きすぎて数値化して分析しても,あまり意味がない,というのが医学の考えでしょう」という立花さんの問いかけに対して,戸塚さんは「でもね,私は違う意見なんです.個体差がありすぎるから,各個体に対してデータや数値を細かく出して分析すべきなんですよ.そうすれば個体ごとの違いが見えるはずなのに,それをやらない.(中略)個体差を見るためには数値化から始めなければなりません.でないと「個体差がある」で片づけられて,議論が終わりになっちゃいますから(pp.421-422)」と反論.
理想は,戸塚さんのように,CT画像を緻密に計量・分析・考察することかと思います.一時点の画像でなく,複数時点の画像をオーバーレイすれば,腫瘍の形状変化を計測できます.画像解析手法として確立されたものもあるのでしょうけれど,GISの空間分析手法をそのまま適用できそうにも思われます.せっかく高額な医療費で撮影したものなので,より多くを知りたいという戸塚さんの指摘には同感です.反面,昨今の医療現場において,戸塚さんのように緻密に分析するにはマンパワー不足のために現実的でないという立花さんの指摘にも同感.患者さん自らが,戸塚さんのように分析者であり科学者であればよいのかもしれませんが,そもそも自分の腫瘍と対峙できるのかという疑問が立ちはだかります.
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20241123
明治大学@生田キャンパスでの都市解析特論の講義(三日目)も無事に終了.前半は,測地系と座標系について,測量学の講義資料の一部も使用して詳説.後半は,建蔽率という概念の難しさについて講義.地区建蔽率も難しいけれど,敷地建蔽率も意外と難しいです.
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20241122
明治大学@生田キャンパスでの都市解析特論の講義(二日目)は無事に終了.13時半から19時頃まで3コマ分の集中形式.
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20241119
某サードプレイスにて,坂本龍一さんの'Merry Christmas Mr. Lawrence'がBGMとして使用されています.オリジナルではなく,1996年にリリースのアルバム'1996'に収録されている,ピアノとストリングスのバージョンです.いままで,何度も聴いたはず.しかし,某サードプレイスの雰囲気で聴く度に,鳥肌が立ちます.イントロのピアノが流れてくると,その場所に固有の音声が,絶妙な+αとしてベースのように作用し,BGMに息吹というか,リアリティを与えていると思います.イアホンで聴くのとまったく異なる印象です.
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20241116
CSIS DAYS 2024に参加.2019年以来,5年ぶりです.今回は,私ではなく,当研究室の卒論生が5分間プレゼンとポスター発表.はじめての学外発表を立派にこなしていました.会場のみなさまとの議論も盛り上がったようです.私も多くを学びました.驚くことに,優秀共同研究発表賞を受賞.感謝.
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20241115
午前中は測量学の講義(第9回).今回のテーマはトラバース測量.教わるほうも,教えるほうも,ヘビーな内容ではあったものの,無事に終了.途中,三角測量についても解説.解説しながら,スライドの誤植に気づきました.正弦定理において,三角形の辺と角の対応関係の記載に不備があり,休み時間中に訂正.次回のテーマは水準測量.数学的には同じロジックで高低差の最確値を計算できる旨,ストーリーを構成.
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20241113
国際誌 Transactions in GIS に論文が掲載されました.
Usui, H., 2024, Where should additional city benches be installed to reduce continuous walking distance? Comparison of incrementally and simultaneously added installations, Transactions in GIS, online first. (published online 20241113) (doi: 10.1111/tgis.13253)
2023年度に,公益財団法人大林財団から,研究課題「高齢者等の継続歩行距離を考慮したシティベンチの逐次配置方法の開発」のための研究助成を受けました.本論文はその成果です.この場にも記し感謝.論文タイトルに記載のとおり,シティベンチをどこにどのような順序で配置すれば,必要となる継続歩行距離を効率的に短くすることはできるのか?という問いを立て,いっぺんに配置する場合,数か年計画で逐次的に配置する場合を比較しました.対象地は,東京駅周辺の大手町地区と丸の内地区です.シティベンチの設置密度と必要となる継続歩行距離については,2016年頃から研究を継続しており,論文も発表しております.今回は,密度に加えて,「配置」方法を構築しました.現状のシティベンチの配置を所与として,継続歩行距離を短くする観点から,追加配置すべき場所を示すことができます.アルゴリズムごとに,コードも公開しているので,シティベンチの位置情報があれば,どこでも適用できます.
ご高覧頂けますと幸いです.
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20241111
研究室に配属された学部三年生12名と顔合わせ.簡単なオリエンテーションの後,個別面談.卒業後の進路,都市に対する興味,関心などについて,ざっくばらんに.
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トラバース測量の講義資料の作成に専念.ほぼ終わっています.しかし,緯距と経距の最確値を求めるのに,制約条件付きの最小二乗法の行列表現まではしたものの,具体的に解いていなかったので,数値例で解いてみました.解いてみると,一般解を容易に予想できるくらいに,美しい関係式が得られました.測量学の教科書では,この部分の定式化とその説明が難しく非常にわかりにくいので,「難しい」から「やや難しい」内容にレベルダウンするとともに,見通しよく再定式化.まだ,私自身,納得していない箇所があるので,今度の金曜日まで,満足のいく説明を追求.
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20241109
明治大学@生田キャンパスでの都市解析特論の講義一日目は無事に終了.13時半から19時頃まで,3コマ分の集中形式.5年ぶりに中央校舎に行き,吹き抜けの様子など,5年前を思い出しました.教室はBYOD専用.私もはじめて,学生もはじめてとのこと.
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20241108
午前中は測量学の講義(第8回).夜は東大まちづくり大学院の講義を担当.一回のみです.久々の本郷キャンパス.久々にzoomでハイブリッド講義をしたためか,画面共有などの要領は極めて悪く,後半はかなり駆け足になってしまいました.終了後,対面出席のまち大生の3名と雑談.この時間が極めて重要です.気づけば22:30.
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学部三年生の研究室配属が決まり,当研究室には新たに12名のメンバーが加わりました.
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20241102
都市計画学会での発表は無事に終了.発表前に,マイクがぐるぐる巻きに固定されていたので,固定したままのほうが無難かと思い,そのまま話しはじめたところ,やはり聴き取りにくかったようで,慌ててぐるぐるをほぐしました^^; 質疑応答の時間では,研究内容の発展に関するコメントを頂きました.感謝.
発表直前に,2016年のGIS学会での発表における質疑応答のメモを見返したところ,直線距離で140mで計算する場合と,道路距離で200mで計算する場合で比較してみては?という趣旨のコメントを頂いていました.コメントしてくださった先生が会場におられたので,今回の発表にて,8年前に頂いた宿題を提出できました.
発表時に,見覚えのある学生がいたのですが,学部四年生なので,会場にいるはずはないだろうと,半信半疑に思いながら発表しはじめました.ワークショップ終了後に,その学生本人に会いました^^; 元気そうで何より.
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20241101
午前中は測量学の講義(第7回).今日はリフレクションの回.その後,小倉に向けて移動.東京駅にて,おぎのやの峠の釜めしがあり,衝動買い.
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カルロス・モレノ著,小林重裕訳,2024,15分都市 人にやさしいコンパクトな街を求めて,柏書房.読了.小倉駅に到着前に読み終わりました.
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20241028
南京大学にて開催された International Seminar on Urban Morpho-Science にinvited speakerとして出席.ほぼ終日,研究発表を聴くことに専念するとともに,私の講演&round table discussion.オープニングセレモニーでの話によると,南京大学の建築都市計画学部では,2004年と2014年にも同様の国際シンポジウムを開催したようです.2004年には隈研吾先生,2014年には大野秀敏先生がご出席.その流れで行くと,2024年の今回,日本からは私が出席したことになります.そう考えると,いまさらながら,身に余る光栄であり,それまでまったくなかった緊張感も,手に汗をかくようになってしまいました.
司会者曰く,講演はちょうど30分で終わった模様.発表練習を二回したときに,ほぼ30分でしたので,予定通りでした.しかし,毎回アドリブでやっており,今日もその場で思いついて,しかも英語での言い回しに苦労するのを繰り返しました.毎度のことながら,この最中の思考回路にとても興味があります.round table discussionは,慣れていないこともあり,苦手です.どんな質問や話題が振られるのか,毎度ドキドキします.景観の「調和」について,harmoniousという単語,それをどう説明するのか,「美」との関係など,母国語で回答に窮する質問を頂きました.想定内でもあり,今日はうまく乗り切りました.しかし,言葉足らずなことに気づき,'uniformity with variability'という概念に言及.harmonyという概念は,ところ変わればな側面もあり,それだけで議論になるほど,一意には定義しがたいものです.
南京大学の先生方,運営スタッフの学生さんに感謝.
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20241027
朝9時から夜9時まで,南京市内をfield trip.旧市街地から新市街地まで,マイクロバスに乗りながら,要所を案内して頂きました.全体的に強烈な印象としてあるのは,スーパーブロックに林立する摩天楼です.その一方で,NHKの漢詩紀行に出てきそうな,昔ながらの中国の街もあります.摩天楼を見まくった後に,混沌とした街並みを見て,妙にホッとしました.旧市街地の境界をなす城壁の上に行く機会にも恵まれました.日没後に城壁から俯瞰した地区を歩くと,人々の多さで通りは活気に満ちあふれており,何か幻を見ているのではないかと疑うくらい,ものすごいエネルギーを感じました.これこそ,「にぎわい」の正体なんだろうなあと.ものすごいエネルギーに圧倒されてしまい,半ば放心状態に.
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20241026
南京に無事に到着.雨の中,はじめての国,はじめての都市にて,空港から市街地へ向かう車窓を見るのが楽しみの一つです.道路標識を見ながら,中国大陸に来たんだなあと実感.土曜日の夕方ということもあり,道路は大渋滞でした.金曜日の講義をオンデマンドにする見通しも立たず,半日遅れで参加.今日は夕食会から参加.南京大学の食堂のようなところで,個室の円卓を囲んで,南京料理を楽しみました.味付けはさっぱりしています.その後,明日の南京市内のfield tripに向けて,事前の詳しい説明を聴きました.帰朝する頃には,南京の街について,urban formの観点から詳しくなっていることを期待.
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20241025
測量学の講義(第6回).開始直前に,大学院生が講義室の最前列に着席.測地系と座標系について勉強したいとのこと.しかし,それは先週の内容.復習も兼ねて,測地系と座標系について15分で説明.その後,本日のメインであるGNSS測量について講義.後半の干渉測位の説明にて,いきなり方向余弦ベクトルを応用するのは,学生にとって大変だと思ったので,黒板で単位ベクトルについて復習.ベクトルの表記方法(OAの上に右向き矢印,Aを太字で書く,縦で書くか横で書くか)について,簡単に説明.こういう些細なことが,意外と苦手意識を助長するかもしれないと懸念しています.講義終了後,大学院生に感想を聞いてみると,後半は難しかったとのこと.後半,少し急いで説明したのが良くなかったかもしれません.
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20241024
研究室の窓越しに東京湾を望むと,島にも見える何かが浮いています.「海ほたる」にしては,近いし,木更津側の橋梁もない.学生も気づいていたようで,何だろうという話になり,調べてみると,揚土埋戻し船の模様.リンク先に記載の説明を引用すると,「東京港のしゅんせつ土砂を千葉沖に埋戻して有効活用」とあります.平成8年から実施.今日はじめて知りました.
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20241019
箱根駅伝の予選会を視聴.チームで1秒差,一人当たり0.1秒差で,明暗が分かれる現実は,決して他人事ではないと思いました.厳しい現実です.
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20241018
測量学の講義(第5回).前回やる予定だった内容の2/3を今日の前半一時間で講義し,後半50分間で測地系と座標系について講義.無事に終了.しかし,受講生に聞いてみると,行列表現と行列の演算は初年次に線形代数で学んだものの,ラグランジュの未定乗数法は初耳の模様.これは想定内で,講義資料の最後に,補足資料として,ラグランジュの未定乗数法のスライドを1枚だけ載せました.道具としての使い方であればスライド1枚でokです.しかし,ラグランジュの未定乗数法の詳細をスライド1枚で説明するのは至難です.陰関数の定理を理解する必要があり,そのためには様々な準備が必要だからです.それゆえ,多変数の微分積分の講義の到達目標として,ラグランジュの未定乗数法の理解を設定している事例が多いように思われます.
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20241011
測量学の講義(第4回).前回の復習に時間をかけすぎてしまい,予定していた内容の1/3程度で終了.
前回は,間接観測の場合について,誤差(= 観測値 - 真値)の二乗和を計算して,誤差伝播を詳説.誤差の二乗和の期待値Eをとったので,独立性の仮定により,共分散項はゼロになるから,計算を省略できました.しかし,今回はさにあらず.残差(= 観測値 - 最確値)の二乗和から,正規方程式を導出する過程を詳説するも,残差の二乗和を計算するのに時間をかけすぎました.共分散項を含めて最確値を表す変数で偏微分するためです.偏微分とか,行列表現とか,20分で駆け上がってしまったので,次回は丁寧にやらなければなりません.
ここまで書いてみると,とある先生の「三次元の図は描いた人にしかわからない」旨の名言を思い出しました.上述の話もそうで,一度は自分で手計算をするのが大切です.だから,手計算してね!と口頭で話すだけではだめで,そのための時間を講義中にとって,かつ,実演するのです.板書する分,時間はかかってしまうものの,無駄ではないと思います.一見すると複雑そうに見える数式であっても,説明しながら自分で一つずつ組み立てれば,実はそんなに難しくはないことを,今日の講義でシャウトしまくりました.
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20241009
先日にacceptされた論文の校正原稿の確認に専念.これまでの経験上,英単語の誤植は皆無.文のインデント,図表の配置,数式の体裁をチェックして,具体的な修正指示を記載.この作業は意外と骨の折れる作業.
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20241005
松本晃彦,2003,Moon Light (Deep Mix) を久々に再生.名曲です.
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20241004
測量学の講義(第3回).教わる人々はもちろん(?),教える人も四苦八苦な誤差論について,私自身は楽しんで講義しています.
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20241002
サブ機2のプログラム更新をしようとしたところ,4月と同様の事象に直面.intelのwifiアダプターを更新したところ,問題解決.
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20241001
先日にacceptされた論文の校正原稿の確認依頼が昨日未明にあり,within 48 hoursに対応すべく,pdfを印刷.一見すると美しい仕上がりに見えたものの,よく読むと,図の配置に改善の余地ありでした.本文で言及するだいぶ前のページにて,図がそれも多数載っているためです.web版では概ねokにも拘らず,なぜか印刷版ではダメ.理由はよくわかりません.
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20240930
久々に院生とのトランプゲームに混ぜてもらいました.大富豪は大負け.しかし,その瞬間に,Decision on...ではじまるメールを受信していました.8月にresubmitした論文のdecision letter.結果は無事にaccepted.二度の大幅な修正に難航しただけに,喜びもひとしお.
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20240929
下記論文が国際誌 Sustainable Cities and Society (impact factor (IF): 10.5)に掲載されました.IF10以上のジャーナルへの掲載は初めてです.
Usui, H., 2024, Densely inhabited districts in consideration of 3D morphological urban areas, Sustainable Cities and Society, 115, 105668. (published online 20240714) (doi: 10.1016/j.scs.2024.105668)
建物分布に基づいて既成市街地の範囲を画定し,さらに,住戸数,世帯数,人口の関係を精査したうえで,人口密度を推定し,40人/ha以上の既成市街地を人口集中地区として再定義することを試みました.人口密度を計算して人口集中地区を考えるのに,そのベースとなる基本単位区の設定方法について抜本的に再考しなければ,今後の既成市街地の縮退には対応できないだろうと,学生の頃から疑問に思っていました.
本論文を書くに至ったきっかけは2005年頃まで遡ります.当時の私は学部生でした.腰塚武志先生の下記の論文に記載されている一節がずっと頭にあり,腰塚先生の宿題を薄井なりに考え抜いた研究成果が本論文です.その意味では,論文として出版するまでに,約20年を要しました.
腰塚武志, 2005, 密度についての基礎的考察, 都市計画, 54(3), 16-19.
市街地の範囲を建物分布に基づいて画定する研究は2017年頃から取り組んできました.当時から,人口(密度)についても考えなければならないという問題意識はあったものの,まずは建物分布に基づく既成市街地の範囲を画定する方法を構築しなければという問題意識が強く,敢えて人口には触れませんでした.詳細は,下記論文にて掲載済みです.
Usui, H., 2019, A bottom-up approach for delineating urban areas minimizing the connection cost of built clusters: Comparison with top-down-based densely inhabited districts, Computers, Environment and Urban Systems, 77, 101363. (published online 20190710) (doi: 10.1016/j.compenvurbsys.2019.101363).
Usui, H., 2023, Cost-efficient urban areas minimising the connection costs of buildings by roads: Simultaneous optimisation of criteria for building interval and built cluster size, Networks and Spatial Economics, 23(1), 65-96. (published online 20221104) (doi: 10.1007/s11067-022-09579-4) (view-only version)
今回掲載された論文は,2018年にホストとして開催した国際学会にて,私の発表を聴いてくださったJean-Claude Thill先生から頂いたコメントに対する,現時点での薄井の解答でもあります.建物分布といっても,戸建てもあればタワマンもあるので,両者の違いをどう考慮するのか?という至極真っ当コメントでした.それがずっと頭にありました.
その後の6年間で,理論の地道な構築とともに,国勢調査基本単位区における人口と世帯数のデータ等が利用できるようになり,冒頭の論文を書く準備は整いました.当初,人口と世帯数と建物分布の関係をダイレクトに考えればよいと思っていたものの,そうはうまくはできないことに気づきました.重要な切り口は住戸数であり,住宅用途に限らなければ,「部屋数」という量です.「部屋数」という量に着目することで,前述の批判に対応し,3D morphological urban areasに間接的に接近しました.
ご高覧頂けますと幸いです.
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20240927
測量学の講義(第2回).なぜ,最確値と残差という概念が必要なのか,学生に向けてシャウトしまくりました.最小二乗法の説明にて,数値例から数式へ移行したときに,突っ伏し始めた学生がちらほら.
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20240924
研究室の環境整備は一段落です.私のオフィスと学生ラボの窓側に,ハイデスクとハイチェアを導入しました.このハイデスクの高さがあれば,念願の立ちながらの作業もできそうです.
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20240920
測量学の講義初回は無事に終了.しかし,140名という数には圧倒.緊張こそしないものの,講義室に140名も収容できるのかどうか,準備しながら心配.まったく問題はなさそうです.
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先日にacceptされた論文は校正段階にあり,昼過ぎにインドのproduction editorからメール.曰く,figure 9がないので,データを送ってほしいとのこと.acceptされた原稿のfigure 9を検索すると,該当なし.精査すると,figure 8と次の図はfigure 10となっており,図のナンバリングの不備でした.至急,原稿全体を精査し,figure 10以降のナンバリングを-1して,production editorに原稿ファイルを提出.経緯として,revision段階で,図を二つ追加する予定であったものの,一つで済みました.しかし,図のナンバリングを+2したまま,resubmitし,accept.
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20240913
昨日と今日は,JSTさきがけ(社会変革基盤)の第4回領域会議(合宿)に出席.私は2期生なので,今回で2回目.領域の研究者の方々の発表を興味深く拝聴.毎度のことながら,質疑応答からも多くを学びました.感謝.
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都市計画論文集に下記論文が採用されました:
薄井宏行, 2024, 直線距離と道路距離に基づく東京23区の消防活動困難区域とその変化 -2007年と2015年における二段階の広幅員(6mと12m)道路網に基づく二時点比較 -,都市計画論文集,59(3),掲載決定.
11月2日の午後に,北九州国際会議場にて発表予定です.
消防活動困難区域に関する研究はピリオドを打っていたものの,今年の1月15日に,2019年の拙稿の図がNHK総合「おはよう日本(7時台)」で使用されたことを機に,再開しました.2019年の拙稿では,2007年時点の道路網データを使用しています.今回,2015年の道路網データがあるので,二時点比較を行いました.
放送後,道路距離に基づく消防活動困難区域も計算し,直線距離に基づく場合とも比較し,改善している/していないところはどこか,丁寧に考察しました.サブタイトルにも記載しているように,二段階の消防活動困難区域なるものも提唱しました.二段階に分ける発想は,10年以上前からあったものの,この機会に,きちんと計算し可視化しました.詳細は,10月25日に掲載予定の論文をご高覧ください.本論文をより多くの人に読んでもらえるように,数式はもちろん,notationも使用しておりません.
査読者ならびにご担当頂いた委員の方々に感謝.
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20240909
エールフランス,成田~パリ線,10月26日の運行をもって運休.エアカランの成田~ヌーメア線の運休が影響しているようです.コロナ禍,羽田~パリ線が運休であっても,成田~パリ線は運行を継続していました.伝統ある路線の運休を残念に思います.
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20240907
未明に,Decision on...ではじまるメールを受信.先日にresubmitした論文は無事にaccepted.拙稿を担当して頂いたeditorとreviewersに感謝.
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20240906
NHK総合の「ドキュメント72時間」を視聴後,その流れで「時をかけるテレビ」も視聴.1997年当時,「ドキュメントにっぽん」が放送されており,そのメインテーマを聴いて,一気に引き込まれました.当時,曲名がわからず,苦労しました.作曲は加古隆氏,曲名は「青の地平」です.早速,音源を探すと,見つかりました.しかし,収録されているアルバムは「熊野古道」であり,2007年にリリース.音源を購入して聴いてみると,確かにTVで聴いた旋律と同じであるものの,異なるバージョンであることにすぐ気づきました.ドラムがないのです.もう少し調べてみると,2009年に「NHKテーマ曲集 ドラマ&ドキュメンタリー」がリリースされており,「青の地平 (「ドキュメントにっぽん」)」が収録されています.CDを購入するか.
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最近,久石譲さんの「風のとおり道」とそのバージョンである「塚森の大樹」,「君をのせて」とそのバージョンである「空から降ってきた少女」の良さを再発見し,様々なバージョンも聴いています.2022年に,麻衣さんとLittle Carolがカバーしており,今日のような暑い日に聴くと,清涼効果抜群です.
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20240903
論文の修正に専念.昨日の夕方から根詰めてやりはじめたところ,気づけば夜明け.いまのうちにやらないと,タイミングを逃すだろうという危機感からか,妙に悪あがきをしたくなります.経験上,考え抜いてようやく見えてくる,というか,論理の筋がスパッと見えてくるのです.問題は,どこまで考え抜くかという程度の問題です.少なくとも,昨日には見えませんでした.頭をリフレッシュして,論文の修正に専念するも,考察の執筆はまったく捗らず.概念の補足説明とともに,新たな計算結果と考察を既存の文章にどう組み込むべきか,原稿の部分の修正が想定よりも全体に影響することもあり,メスをいれるのに難航しました.原稿と対峙し続け,日没後にようやく,という感じです.一通り推敲を終えて,resubmit.
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20240830
映画「天空の城ラピュタ」をがっつり鑑賞.サントラをじっくり聴きたくて,「空から降ってきた少女」と「破滅への予兆」の音源を購入.前者は,映画のオープニングで使用されている作品であり,ストリングスは何度聞いても耳に心地よいです.後者は,複数の作品が一つのトラックになっています.とくに,後半の作品は,ドーラが「竜の巣だぁーっ!」と絶叫する場面で効果音として使用されています.私の記憶では,カセットテープ時代のサントラでは,「竜の巣」という作品で一つのトラックであったはず.映画「となりのトトロ」のサントラに収録されている「塚森の大樹」と「風のとおり道(インストゥルメンタル)」,映画「風の谷のナウシカ」のサントラに収録されている「メーヴェとコルベットの戦い」の音源も購入.
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20240823
中断していた研究と論文執筆に専念中.今年度に入って,理論を拡張しなければならないことに気づいたものの,いったん精緻に構築した理論をきれいに増築するのは,精神的にも難工事です.notationを抜本的に見直し,場合によっては新規導入かつ既存のnotationを再定義をする時間と気力に乏しく,原稿を読むだけという状況が続きました.数日前から,原稿と対峙しはじめて,今朝から原稿の理論の部分を大幅に加筆修正.拡張ゆえ,既存の定式化とnotationとの関係を矛盾ないよう明示しつつ,繰り返しな記述を最小限にすることができました.
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20240822
'Anything Can Happen'というタイトルの曲.長さは僅か48秒.もう少し長く聴いていたくなる作品であり,ロングバージョンが欲しいです.この曲は,映画'The Holiday'というサントラに収録されており,その一曲目である'Maestro'と試聴してみると,これまたBGMとして頻繁に使用される作品であり,欲しかった一曲です.主旋律のこうなるだろうという予想に反することが多く,それが曲の幅を豊かにしているように思われます.ところどころで微分不可能な連続関数のような作品.
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20240819
論文その1の英文校閲は予定より一日早い納期.早速,内容を精査し,resubmit.7/1から続いた論文の修正ラッシュは今日で一段落.
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20240818
飲食店にて,久々にbayfm 78のBAY SIDE FREEWAY.この飲食店では,いつもbayfm 78が流れています.大昔,bayfm 78のAIR LINE UPDATESが流れてくると,各国のエアラインと都市名を聴きながら,わずかな時間,非日常を味わうことができました.BGMが素敵です.たまに,「大幅に遅れ,明日到着の予定です」と聴こえてくると,何があったのだろうと,考えたりもしました.皮肉にも,私が国際線に搭乗するときに,bayfm 78のAIR LINE UPDATESを聴いたことは一度もありません.
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20240813
昨日は論文の査読×3に専念.昨夜に3本分の査読報告書をsubmitし,to do listはゼロになったのも束の間,先ほど某国際誌から査読依頼.
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JL407の運行のイレギュラーさに興味津々.NRTを離陸後,HND経由でFRAに向かっています.いろいろ調べてみると,未明から続いたNRTのA滑走路の閉鎖が影響しているようです.
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20240812
大朏博善,2024,ソニーを創ったもうひとりの男 岩間和夫 四代目社長,WAC BUNKO.読了.
岩間和夫氏(以降,「岩間さん」と記します.)の評伝としてだけでなく,戦後の日本における半導体とくにトランジスタやCCD(電荷結合素子)の開発についても,読み応えのある一冊です.
本書を読んで,岩間さんは地球物理を専攻され,海軍技術大尉を経て,戦後は東大の地震研究所の研究者であったことを知りました.その後,ソニーの前身である東京通信工業(東通工)に引き抜かれ,研究者としての才能とともに,研究機器の自作を背景に技術者としての才能,その両者の優れたバランスに基づく先見の明の卓越性を備えた稀有な経営者としてもご活躍された方です.
私が岩間さんの存在を知ったのは,ソニーの五代目社長を務めた大賀典雄氏の自伝「SONYの旋律:私の履歴書」です.p.211に1972年当時の岩間さんがソニーの中央研究所を訪れているときの写真が載っています.2003年に「SONYの旋律」を読んだ際に,この写真を見たことがあり,ソニーの技術を支えた人として理解しました.しかし,当時,岩間さんに関する評伝は出版されておらず,私の中ではベールに包まれた凄い人という印象でした.その後,2006年に,冒頭の書籍が単行本として刊行されたものの,当時の私は卒論等で余裕が全くなく,18年目にして本書の存在を知りました.
本書を読むことで,岩間さんの凄さとともに,20世紀後半の半導体の研究開発の歴史を大変面白く学べます.半導体に関する専門的かつ高度の内容も随所にあるものの,著者である大朏博善氏の筆致の妙により,読み手は興味を低下させることなくグイグイと読み進めたくなります.とくに,CCDを研究開発過程から生産過程に移す際の,バランス感覚とそれに基づく経営者としての適時適切な判断は目を見張ります.
もし,岩間さんがいまの日本の半導体産業の凋落ぶりを目の当たりにされたら,どのような檄を飛ばすのか,いろいろ想像しながら読むと,本書を今日に読む意義はますます高いと思うのです.
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20240810
午前中から,論文その3を推敲し,resubmit.論文その2も英文校閲内容を精査し,resubmit.8/12がextended due dateなので,なんとか二日前に終えました.
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20240809
彬子女王,2024,赤と青のガウン オックスフォード留学記,PHP文庫.読了.
オックスフォードで博士号を取得する過程での大変さと楽しさを読みとることができました.p.374にて,「いままで何度も書いてきたが,論文の執筆というのは孤独である.どんなに丁寧な指導を受けたとしても,文章を書き,論文の形にするのは自分でしかない.だからこそ,たった一人で戦っている気持ちになり,(後略)」は,論文を書いている人,これから論文を書く人,とくに博士論文を書く予定の人にとっては,エンカレッジされると思います.この孤独を克服する工夫として,カフェに通ったことも詳述されています.とくに,「パソコンをもち込み,カプチーノを飲みながら,人の話し声をBGMに論文を書く.部屋で書くより筆が乗るのが不思議だ.(中略)よい言い回しを思いついたり,新たなひらめきが生まれたりするのである(pp.312-313)」という一節には,大いに共感いたします.本書の至るところで,彬子女王殿下のユーモアさに富んだ筆致を楽しみました.笑ってしまうことも多々.
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20240808
飯田美樹,2024,インフォーマル・パブリック・ライフ 人が惹かれる街のルール,ミラツク.読了.
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20240805
論文その1の推敲に専念.文献レビューを通じて,(以前からきちんと勉強したいと思っていたもののサボっていた)理論を学ぶ機会を得ました.もう数日寝かせます.その間,論文その2の推敲に専念.
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20240803
針貝有佳,2023,デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか,PHPビジネス新書.読了.
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20240801
プレミアム冷しそば@津田沼必勝軒。イベントに参加。一連の論文の修正が一段落してから、と思っていたものの、イベントは間もなく終わってしまうので、「燃料補給」と称して参加。シングルサイズに、チャーシュー、サラダ。¥1250です。見た目のボリュームのわりには、さっぱりしているので、ペロっと平らげました。タレに酸味はほとんどないので、備えつけの酢を加えると、よりおいしくなると思います。来シーズンかな。
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論文その2の修正に専念.日没後にようやく捗りはじめました.経験上,decision letterを受け取ってから,コンスタントに修正方針を検討し続けても,3週間は経たないと,原稿の修正は捗りません.今回も同様です.もちろん,修正の質と量にもよるものの,今回の修正の質と量の場合はそうです.換言すれば,3週間も考え続ければ,途方に暮れる状態からは確実に脱却できます.検討初期段階ではひたすら受身の姿勢であっても,赤入れを始めてみると,攻めの姿勢に転じる瞬間があります.それでも,難所が連続しはじめると,勢いも弱くなり,再び受身になってしまうこともあります.この数日間,まさに再び受身な状況でした.いま,攻めの姿勢に転じつつあるので,着陸態勢へ移行.
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20240730
夕立を経て,気温は約10℃低下.
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20240727
都市のORサマーセミナー2024@麗澤大学に参加。特別講演と研究発表から多くを学びました。関係者のみなさまに感謝。最寄駅はJR常磐線の南柏駅です。私は東武アーバンパークラインの新柏駅から徒歩で麗澤大学に行きました。空間認知の実験をやると面白そうなくらいに、道路網パターンの特徴づけは難しく、道に迷いそうになりました。直感でショートカットしようとした道から救急車が出てきたので、直感は確信に。
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20240726
WBSを視聴していると,花火大会の分散開催により,運営費は半減となる事例の紹介を興味深く思いました.分散開催でない場合,観客を誘導する警備員等の人件費が嵩む一方で,会場を敢えて分散することで,混雑は軽減.警備員等の総配置数も減少.人件費も減少.しかし,分散しすぎるとかえって費用は嵩むはず.最適配置の問題として研究すると面白そう.
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20240725
学長の講話を興味深く拝聴.テーマは「生成AIと教育」です.西洋と東洋におけるAIとの付き合い方の違いに関するお話は面白いです.西洋では,人間とAIは上下関係に捉える傾向にある一方で,東洋では,人間はAIとうまく共存する道を模索しようとしているという趣旨のお話です.人間の自然との付き合い方とも通底します.学長曰く,少し脱線的な話題とのこと.むしろ,脱線的な話題のほうが面白いです.
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20240723
論文の修正に専念.論文その1の修正を終えようと試みたものの,新たに設ける節の作文に難航.夕方から,論文その2の修正に着手.ようやく燃料満載なB777-300ER級のヘビーな機材(原稿)を離陸させることができました.複数のコメントが複雑に関連していて,これまで以上に原稿の部分的な修正と構成の見直しに難航し,時間を要しているものと自己分析.新たに節を設けるべきかどうかの判断,一部をスクラップすべきかどうかの判断など,原稿の部分と全体をとらえなければできません.これまで経験してきたなかで難しさはトップクラスです.ようやく,拙稿をバサバサを切り貼りできるようになりました.何事も,勢いって大事です.
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20240722
論文その2の修正に専念しようとするも,なかなか専念できず.経験上,一回目の修正(R1)よりも,二回目(R2)のほうが手強いです.時間だけが過ぎていくのも惜しいので,論文その1の修正のために,文献レビューに専念.ある程度inputしたら,考えていることを絞り出すかのように,紙面に書く(output).紙面に書くことで,アイデアはより具体化.
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20240721
昨日から論文の修正に専念.明日締切の論文その2の修正進捗率はほぼゼロ.皮肉にも,締め切りはだいぶ先の論文その1の修正のほうが大幅に捗っており,大半のコメントについては,昨日と今日で修正を終えました.論文その1のdecision letterを受け取ったのが今月初めなので,赤入れに着手するまで約三週間を要しました.経験上,この程度の修正要求に対して三週間程度の期間がないと,原稿の部分の修正と全体への影響を考慮し,論文全体で一貫性のある修正をするのは難しいと思います.
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20240717
朝から昼過ぎまで,論文その2の修正方針の検討に専念.締め切りは来週月曜日.与えられた修正期間は2週間.しかし,修正方針の検討に10日を要しています.今日,ようやく原稿に赤を入れはじめました.夕方からは,論文その1の修正に向けて,レビューのための文献収集にも専念.こちらは,修正期間に余裕があります.
学生時代の記憶では,試験問題をよく読め!と,いろんなところで見聞きしました.論文の修正も同様かもしれません.拙稿ではなく,査読者のコメントをよく読め!と,自分に言い聞かせています.decision letterを受け取った後,読むべきは拙稿ではなく,査読者のコメントです.まずは,査読者のコメントとしっかり向き合って,関連するものはその旨をメモしたり,修正方針を簡単にメモしたり,複数の査読者,場合によっては同じ査読者の複数のコメントを関連づけたりします.こうすることで,査読者のコメントを著者(私)なりに咀嚼できます.
難しいのは,査読者のコメントを読み込んで咀嚼した状態で,拙稿を読み込みはじめるタイミングです.咀嚼が不十分だと,拙稿を読んでもなかなか赤入れできません.decision letterがメモだらけになる頃には,拙稿を批判的に読めるはず.そして,赤入れも割と捗るはずです.
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20240716
International Seminar on Urban Form(ISUF)のpresidentであるVitor Oliveira先生の最新のbook chapterにて,a new generation of urban morphologistsの一人として,薄井に言及して頂きました.とても嬉しく思うとともに,この分野で国際的にリードしていきたいと思います.
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職場のオフィスから最近隣の自動販売機コーナーに行くと,4台中3台は稼働停止中.夏期休暇中かつ節電のためとのこと.困ったことは二点.第一に,稼働停止中の自販機にあるお気に入りの飲み物を購入できないこと.第二に,稼働中の自販機は交通系ICカード非対応のため,財布を忘れたらアウトなこと.
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20240714
今朝,メールチェックしたところ,Decision on...ではじまるメールを受信.先月にresubmitした論文は無事にaccepted.昨晩,少し飲みすぎたのですが,一気に目が覚めました.initial date submittedは昨年の11月末なので,final decisionまでの期間は約7か月間です.5月はこの論文ともう一つの論文の修正でほぼ終わりました.この論文については,無事に採用され,嬉しいとともに安堵.
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20240713
学生ラボのフリーアドレス環境は概ね整いました.
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20240710
裸眼で窓越しに路面を見ると,何かがトボトボしているのでスズメと推察.しかし,眼鏡越しに改めてそれを見てみると,窓上を自在に歩くアリでした.同じ二次元平面上でも,前者は路面上と思い込み,後者は路面に対して垂直な平面上を動く物体です.後者を前者と認識してしまったことから,世の中もぼやけた見方しかできておらず,同様の思い込みをしてしまい,気づかないことが多いのではないかと,推察とともに反省.
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20240709
神田司町の八ツ手屋にて,天重箱.13時を過ぎていたので,暖簾が出ているかどうか心配であったものの,天重箱を注文できました.天重箱,以前から気になっていました.天丼(上)よりも気持ち高めであり(といっても数百円です),なかなか注文できず.美味い!以上!
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20240707
橋本幸士,2024,物理学者のすごい日常,集英社インナーナショナル新書.読了.
本書も,面白すぎて,この週末に読み切ってしまいました.日常のごくありふれた問題に対して,著者が物理学の視点で思考実験を愉しむ様子を追体験できます.重要なのは,ありふれた日常を素朴に観察することであり,少しの疑問でもそれを些細なこととは思わずに,徹底的に考える姿勢であると,著者の「すごい日常」から学びました.
私自身が高校生の頃から疑問に思っているのは,高校物理の範疇の狭さです.著者が書くように,「そもそも物理学とは,あらゆる「物」がどのような「理」屈でそのように動いたり形取ったりするのかを知り,極める学問(p.106)」であり,その対象は身近にあふれています.そう考えると,たとえば都市の様々なものごとも,物理学の対象になります.著者の「通勤の物理」を読んで,改めてそう思いました.その意味でも,本書は高校生に読んでほしいです.
とくに面白かったのは,「阿房数式」の章です.本章は,これから卒論を書かなければならない人たちに是非読んでほしいです.
研究者としては,著者の「徒歩思考術」に共感しました.私も学部時代から実践していることであり,研究成果の多くは「徒歩思考術」の産物です.
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20240706
橋本幸士先生の新刊「物理学者のすごい日常」にて,研究室紹介(オープンラボ?)のやり方の失敗と工夫に関するエッセイは面白いです.
最先端の研究成果を説明しようとするも,来場者からは「難しそうなことを研究されているんですね」と言われてしまう.子供の親御さんは,「とりあえず握手してもらいなさい」と子供に話し,とりあえず握手.
それをヒントに,研究成果やその内容ではなく,研究者を知ってもらう必要性に気づき,翌年度からは,普段の研究している様子をそのままオープンにする方針に変更.文字通り,「オープンラボ」です.著者の机もオープンにして,来場者は誰でも座れるようにすると,著者(橋本先生)は何を見て「すごい日常」を送っているのか,疑似体験できそうです.
研究分野によっては,普段の研究している様子が「絵」にならないこともあり,普段の装いとは異なる何かを企画しては,かえって逆効果,自己満足に陥るかもしれません.ただ黙々と計算している様子,工作している様子,よくわからない絵を描いて眉間にしわを寄せている様子,ノートPCとにらめっつこしているかと思いきや何かに駆り立てられるかのように打ち込みはじめる様子,何やらよくわからない計算の話をしている様子のほうが,かえって新鮮で,ラボの様子が(うまくかどうかはわかりませんが)的確には伝わるかもしれません.
研究成果という完成したものをアピールするよりも,それまでのプロセスをオープンにして,「何をやっているんですか?」という来場者の興味を引き出す感じです.そう考えると,まちなかのサードプレイスは,オープンラボとして可能性を感じます.研究がラボではなくサードプレイスのほうが捗るという是非はさておき.
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20240705
暦本純一・落合陽一,2024,2035年の人間の条件,マガジンハウス新書.読了.
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20240704
国際誌から査読依頼.化学工学系の内容であり,四酸化三鉄がキーワードのため,お断り.アルファベットで同姓同名の研究者が化学系でいるのは知っており,たぶん,その方へ査読依頼したものと推察.その旨を回答.
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20240702
午前中はJSTさきがけのサイトビジット.研究領域の総括の先生やアドバイザーの先生方に本学までお越し頂き,研究環境をご覧頂くとともに,研究の進捗状況をご報告.様々な視点から重要なアドバイスを頂きました.感謝. 午後は都内へ.本郷から,春日通りではなく,三組坂を通って東に移動しました.実は,この坂を含む通りを歩くのは初めてでした.魅力的なパン屋,洋菓子店,喫茶店,レストランが交差点の角に面しており,機会を見て,訪れてみたいと思います.中央通りを越えて,練成通りに進むと,ジュエリー街へ不連続に変化します.面白いです.
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20240627
職場の学食にて,「カレーライス,カレー多め,ライス少なめ」という選択肢が欲しいと思うこと多々.吉野家でいう「アタマの大盛」のような感じです.銀杏メトロにて,カツカレーを注文したときに,「ごはんは少なめで」とお願いしていたところ,厨房の方曰く,「小」もありますと.「小」にすると,カツが一枚減ってしまう旨,事情を話したところ,納得してくれました.
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20240622
夕方,職場の周辺を歩いていると,建築物の屋上の縁にて,無数の点群が動いているのに気づきました.ムクドリの群れです.職場の樹木や公園の樹木を寝場所にしているのは知っていたものの,建築物の屋上の縁を寝場所にしているのは知りませんでした.職場の中廊下の突き当たりにある踊り場の手すりを見ると,鳩サブレーのシルエット(?)をよく見かけます.いたずらのオブジェかと思ったら,本物のハトでした.ハトは16階(地上約60m)にも飛来することに驚きました.
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20240621
今年はウグイスの鳴き声をよく耳にします.定番のホーホケキョだけでなく,ホーホケ(⤴)というバージョンもあります.駅のプラットホームにて,ウグイスが呼応し合っているのて,本物かどうか疑心暗鬼になったものの,しばらくして鳴き止みました.どうやら本物だったようです.
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20240615
国際誌へresubmitしていた共著者の論文は無事にアクセプト.とても嬉しいです.
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20240614
畳み込み演算を直方体ブロックの集合として可視化したものを見ていると,地震の規模を表すマグニチュードの大きさを可視化したものを思い出します.後者は震源域の面積と(プレート境界や断層面の)ズレの積なので,直方体として可視化する合理性はわかります.しかし,震源域の大きさに比べてズレの大きさは小さいので,ズレの大きさが誇張されデフォルメされたものを見ると,かえってマグニチュードという概念はわかりにくくなると思います.同様に,畳み込み演算を直方体ブロックの集合として可視化したものも,初学者からすると,かえってわかりにくいと思います.批判はすれど,対案は示せず.
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20240612
論文その2の修正も,英文校閲とその後の推敲を終え,resubmit.論文を修正する過程では,論文を書きはじめて投稿するまでとは異質な大変さがあると思います.修正を終える頃になると,まるでスポーツをした後に心地よい汗をかいて,そよ風に当たっているかような爽快感を味わえます.
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20240611
論文その1の修正は,英文校閲とその後の推敲を終え,resubmit.
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20240610
10年以上もの間,ずっと探していたサントラの名前がようやくわかりました.ドラマ「温泉へ行こう5」などでも使用されている作品でもあり,「温泉へ行こう」シリーズのサントラという認識でした.そうではなく,安川午朗,2000,オリジナル・サウンドトラック 地雷を踏んだらサヨウナラ,カルチュア・パブリッシャーズです.映画「地雷を踏んだらサヨウナラ」のサントラです.私自身,この映画を見たことはなく,サントラが映画においてどのような場面で使用されているのか,わかりません.track01のメインテーマは,ふとしたときに思い出すくらいに,強烈な印象として残っている作品であり,その高揚感は半端ないです.イントロは強めのストリングス,徐々に打楽器系も加わり,サミット手前で再び強めのストリングスが加わり推進力を得て,中盤にサミットまで上昇しきった瞬間,ピアノソロで滑空していく,そんなイメージの作品です.track02のプロローグ~メインタイトルのラストパートも病みつきになります.アルバム全体を通じて,同じ主旋律のバージョンを楽しめます.数あるサントラの中でも,私にとってはトップ3に入る名盤中の名盤です.
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20240604
昨夜から論文の査読×6に専念.昨夜に3本分の査読報告書をsubmitし,今宵に3本分の査読報告書をsubmit.今回も多くを学びました.感謝.達成感はmax .
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20240602
先週の日曜日から,ウグイスの鳴き声が聞こえるようになりました.先ほど,二種類の鳴き声を聞きました.一つは,定番の「ホーホケキョ」,もう一つは警戒時の鳴き声でしょうか.定番のほうが私にとっては珍しく,むじろ警戒時の鳴き声のほうが耳慣れているのに気づきました.(リンク先の頁の左上,「NHK for school」の「oo」の部分に注目!)
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20240601
測量機器の据え付け試験.おつかれさまでした.
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欧州の国際高速列車「Thalys(タリス)」.2023年9月に列車名称が消滅し,車体のカラーリングはThalysのまま,しかし,ロゴはeurostarに変更された模様.
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20240531
論文の修正(2本分)は完了.修正要求に対応するには,一か月間では足らない(三か月間でも足らない)だろうと,一か月前は途方にくれました.それも2本分を同時に.しかし,何とか一か月間で終わりました. 未明にカバーレターの執筆に着手し,午前中に推敲.数日間,原稿を寝かせます.その間,査読依頼×6の対応を進めなければ.
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20240528
論文その2の修正に専念.今宵の天候と同じく,強風かつ視界は不良のため,舵取りにやや難航.数時間,原稿を寝かせることに.その間,論文その1の修正を再開.
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気分転換に時刻表を眺めていると,千葉駅から安房鴨川行き(外房線経由)と館山行き(内房線経由)の列車は,夕方以降に毎時1本程度の頻度で運行されていることを知りました.千葉駅22:11発の安房鴨川行き(外房線経由)と22:33発の館山行き(内房線経由)が気になりました.安房鴨川駅には24:15着.館山駅には24:14着.前者は,行川アイランド駅で24時を迎えます.千葉駅界隈で22時まで呑んでいてもok.
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20240526
ウグイスの鳴き声が聞こえてきては,本物かなあと疑ってしまいました.多分,漫画サザエさんの影響.
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20240521
朝から昼過ぎまで,論文の修正に専念.イントロの修正は一段落しつつあるので,文献レビューの節の新規執筆に専念しようとしたところで中断.イントロの修正と文献レビューの節の執筆が一段落すれば,カバンはとても軽くなるはず.経験上,その頃には,修正箇所を含めて,原稿の全体と部分のつながりの理解は深まります.この状態になると,攻めの姿勢で修正できます.Decision letterを受け取ったときの守りの姿勢とは対照的です.
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20240520
論文の修正に専念.朝から昼過ぎまでは一本目,夕方からは二本目に専念.どちらも,イントロの修正です.これからが山場.
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20240519
今週はじめから,喉の違和感,倦怠感に続き,金曜日から鼻水が止まらず.金曜日の夜から,総合風邪薬を服用.昨日の夜から今朝まで静養したところ,何とか快復した模様.風邪の一歩手前の症状が続き,気合で何とかしようとしたのが災いしたかもしれません.
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20240515
論文の修正に専念.論文の修正をしていると,カバンが重くなる傾向にあります.
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20240513
Networks and Spatial EconomicsのThe latest article.アブストの最後を読んで,FORTRANを勉強したくなりました.
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20240512
ほぼ終日,論文の修正に専念.文章を溶かすために膨大な融解熱を投入.融解熱ゆえ,見た目の拙稿の状態はほとんど変化せず.経験上,いったんは満足して固体となった拙稿の見え方が,シャーベット状になると,修正しやすくなります.
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20240511
測量の屋外実習にて,距離測量の「精度」の計算ができません!という趣旨の質問を受けました.冷静に考えれば難しくないものの,今日のように強風の現場で教科書を読みながらだと,冷静に計算できないという意味で,興味深いと思いました.
距離の最確値をa,較差をbとすると,教科書における「精度」の定義式は,1/(a/b)と記載されています.これ,屋外で読むと,1/a/bに見えなくもなく,そうすると,較差bが0.000の場合,計算できないやんけー!という状況に直面します.較差bが0.000というのは,学生の懸命な距離測量の成果なので,計算できないというのは皮肉なオチです.
要は,1/(a/b) ≠1/a/b であるものの,かっこの存在を忘れ,混乱するのです.1/a×bと記載すれば,屋外でも混乱せずに済むのではないだろうかと,強風の最中に思いました.
追記:専門家に相談したところ,較差bが0.000の場合,「精度」は1/∞と記載するのが通例のようです.数学的には,1/(a/b) = 1/a×bなので,b = 0ならば,1/(a/b) = 0となります.数学的ではない,というところに,サイエンスとエンジニアリングの違いを感じます.
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20240507
相変わらずの強風ではあるものの,雨がやむと,東京湾を眺望できるようになりました.房総半島は見えません.改めて,雨天時に東京湾方面に見えていたものは何であったのか,考えてしまいました.東京湾はもちろん,幕張新都心の摩天楼すら眺望できません.かわりに,大気中に無数の雨粒がほぼ一様に分布しているものを見ていたというのが答えだろうと思います.理屈はわかるけれど,見えるべきものが見えない,その逆,不思議です.
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20240504
未明にDecision...ではじまるメールを受信.私が投稿した論文ではなく,査読した論文に関する,editorの判定とほかの査読者のコメントでした.ジャーナルやeditorによっては,査読者に対しても判定に関して通知してくださる場合もあります.
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20240501
今日から5月.連休の中日,今年の1月半ばに某国際誌へ投稿した論文の査読結果の通知.結果は'revise'.ジャーナルによっては,majorかminorかを明示しない場合もあります.実は,4月半ばからdecision in processの状態でしたので,4月後半の懸案事項でした.査読者のコメントは(とても)厳しいものの,修正する機会を与えて頂き感謝です.
7日間で3本の論文の査読結果の通知がありました.過去にも査読結果の通知が集中したことはあるものの,7日間で3本の論文の査読結果の通知ははじめてです.うち1本はrejectのため,速やかに修正し,他誌へ投稿.急いだ理由は,もう2本の査読結果がほぼ同時期に通知される可能性を想定したためです.想定通りとなりました.
ここまで書きながら,7日前は確率微分方程式のお勉強が楽しくなってきた頃であったのを思い出しました.1本目のreject対応で,それどころではなくなりました.今回,約一か月間で2本の論文の修正をする必要があるため,EMアルゴリズムとその先のお勉強どころではありません.しかし,せっかく波に乗りはじめたので,乗れるところまでお勉強を楽しみます.
毎度のことながら,outputとinputの両立は容易でありません.
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20240428
買い物をしていると,trfの'masquerade'が聞こえてきました.しかし,明らかにオリジナルではなく,しばらく聴き入ってしまいました.たぶん,30周年リアレンジヴァージョンと思われます.フルで聴いてみると,1:37~のドラム演奏がなくなり,YU-KIさんのメインボーカルにビートをメインに進行する変化が耳に心地よい作品です.この変化を何というのか,知識が乏しく,わかりません.instrumentalを聴いてみると,1:37の手前でDJ KOOさんもコーラスに加わっていること,ビートとコーラスとともに,エレキギターもあることに気づきます.
オリジナルは,「銀座じゅわいよくちゅーるマキ」のCMタイアップ作品であったことを,いま知りました.時期は1995年.まったく記憶にありません.当時のCMって,コピーがシンプル.
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20240422
国際誌からの査読依頼が急激に増加.数日おきに来るように.
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20240421
長沼伸一郎,2016,経済数学の直観的方法 確率・統計編,講談社ブルーバックス.再読了.名著です.
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ふと,宇多田ヒカル,2002,SAKURAドロップスを聴きたくなり,土曜日の未明に購入.2014年と2024年のヴァージョンもあるなか,オリジナルの音源を購入.とくに,終盤のエレキギターと宇多田さんのセルフコーラスが秀逸です.最近リリースされたベスト盤の収録バージョンでは,エレキギターとセルフコーラスがやや弱められています.オリジナルのカラオケ版は,メインのヴォーカルこそないものの,セルフコーラスだけでも十分に聴きごたえあります.
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20240420
難航していた論文査読その3を終えて,締め切りから四日遅れで,査読報告書をsubmit.
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20240418
大学受験生向けの研究室紹介サイトです.こういうサイトがあると,高校生にはわかりやすいと思います.キーワード選定にやや難航.「都市計画」と「まちづくり」(いまは「まちづくり」にしています),「最適化」や「モデリング」の説明が狭義であったり,「社会インフラ」を入れたいけれど,5つまでという制約がある.変更するかもしれません.難しい.
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20240412
昨年度末に,論文査読を多めに(国際誌からの依頼4本分)引き受けてしまい,期限を延ばしてもらいました.昨日と今日で二つの論文の査読報告書をsubmit.
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20240410
結局、wifiの問題は自力で解決できず、Panasonicのカスタマーセンターのお世話になりました。エンジニアの冷静な対応に終始惚れ惚れ。まさに、プロフェッショナルな仕事ぶりに感動。wifiのアダプターを遠隔操作で再インストールして頂き、問題は解決しました。人生で二度目のリカバリーに係る36桁の数値列を参照する必要が生じ、慌てました。ご覧のみなさん、日頃からこうした情報を必要なときに即時に参照できるようにしておくことを強く推奨いたします。
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20240409
ほぼ終日,wifiの接続に難航.大学の居室でwifiに接続しようとすると,laptopは勢いよく唸りはじめ,再起動すること十数回.
いろいろ試行錯誤の末,原因はわかってきました.非常に弱いwifiについて,「このネットワークが接続範囲内に入ると自動的に接続」という設定にしたのが主因と推察.居室のあるフロアには(他研究室専用を除き)ルーターはなく,上下階にあるようで,中途半端に遠いルーターからの非常に弱い電波を強制的に拾おうとしているのが悪さをしていると推察.自室に限り,laptopは唸り始めるので,呪われた居室なんじゃないかと,疑心暗鬼になりました.着任して間もなく,wifi難民ならではの問題かもしれません.そんなわけで,研究室予算ではじめて購入したのはwifiルーターです.
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20240405
所用のため一年ぶりに池袋へ。東口にあるタカセ洋菓子店のはちみつパン、本店は売り切れで17時に入荷とのこと。グリーン大通りの分店を思い出し、足を伸ばしてみると、ありました。
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20240404
研究室に配属済の学生と初顔合わせ.私以上に,学生のほうが不安であっただろうと思います.
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20240401
千葉工業大学 創造工学部 都市環境工学科に教授として着任いたしました.今後も,研究と教育に精進してまいります.
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20240331
東京大学を退職しました.2016年1月から8年3か月間,最高の環境で研究と(微力ながら)教育に専念できました.お世話になったすべての方々に感謝.
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20240324
デイヴィッド・シュピーゲルハルター(著), 宮本寿代(翻訳),2024,統計学の極意,草思社.読了.
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20240322
卒業おめでとうございます.
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20240321
修了おめでとうございます.
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20240304
岡野原大輔,2023,大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界,岩波書店.読了.
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20240302
今井翔太,2024,生成AIで世界はこう変わる,SB新書.読了.
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20240226
伊集院静,2011,大人の流儀,講談社.読了.
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20240217
財津和夫,2023,じじぃは蜜の味,中央公論新社.読了.
心地よい読後感です.本の構成は,最近の「じじぃ」として生活する財津さんの日々のエピソードにはじまり,中盤の「じじぃは思い出す」「じじぃが見た夢」「じじぃ咲く」は,自伝として人生を振り返る内容,そして終盤は様々なテーマについて論が展開されています.自伝を中盤で述べることで,時間を現在からいっきに過去に戻し,過去から徐々に現在へ進む構成です.
序盤のテーマで興味深かったのは,「目眩しないマナー」の一例として,街の景観に言及していることです.けばい看板や旗に閉口しつつも,「日本人は概ね繊細だから街の景観がもっとすっきり気持ちよくなれば,と願っている人も多いのではないかと思う.でも我慢するのが日本人だ.私も目眩を我慢しようっと.」と締めくくっている部分は,半分同意です.反面,なんとかしなければならないという,私の専門家としての問題意識も再認識しました.
とくに興味深いのは,「心の旅のレコーディング」と「ヒットする曲しない曲」です.私の中で,この二つのエッセイは大いに関連します.チューリップの大ヒット曲「心の旅」は,財津さんが歌うつもりであったとのこと.ところが,レコード会社の戦略により,姫野さんが歌った結果,「心の旅」は大ヒット.
何らかの目標を達成する場合,この方法がベストであると信じて止まないことってあると思います.しかし,結果は意に反することもしばしば.むしろ,他人の意見を素直に受け入れてそれに従うのも,長い目で見れば賢明な選択であることを学びました.なかなか難しいです.
「ヒットする曲しない曲」の内容も,私自身心当たりはなくもありません.財津さん曰く,ヒット曲は,「私でない私が作った」ものであり,ヒットしなかった曲は「私が作った」という意識が残っているとのこと.自信作ほど売れないわけです.言い得て妙です.
研究者の場合,それこそ何年(何十年?)もかけて研究を進めて,その成果を論文として投稿し,幾多の批判を経て,晴れて掲載されます.たいてい,ヒットしません.ヒットしないどころか,リリースすらできないことも(論文がリジェクトされることのたとえです).自信作だけに,リリースは無論,相手にすらされないと,自信喪失することも多々.
そうかと思えば,一週間程度でゼロから論文にして投稿すると,minor revisionで採用され,意外と頻繁に引用されることもあります.ビギナーズラックにも似ており,苦労せずにうまくいくことってあります.しかし,その何十倍は苦労しており,その過程での経験が糧となり,極まれではあるものの,トントン拍子でうまくいくこともあるのかなあと,理解しています.
そういえば,卒論の恩師は,100やって98は捨てるべし,1を得るのに100はやれと,学生を激励していました.コスパもタイパも悪いなあと思った時期もあったけれど,これも長い目で見ると,悪くはないです(良いとは思わない).短期コスパやタイパを重視すると,短期的に得られるものはある反面,長期的には得られない重要な何かもあるはず.「心の旅のレコーディング」の話にもつながるのです.
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20240211
松任谷正隆,2023,車のある風景,JAF Mate Books.読了.
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20240201
隈研吾,2023,日本の建築,岩波新書.読了.聴竹居に訪れてみたいです.
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20240131
NHK NEWS WEBの記事にて,拙稿の論文の図を載せて頂きました.1/15朝7時台のNHKおはよう日本にて放送された内容です.
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20240115
NHK総合の朝7時台の「おはよう日本」にて,2019年に論文発表した研究成果が使用されました.
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20240101
あけましておめでとうございます.