Zakkan.

この場は,'Zakkan',「雑感」として,私が日ごろ考えていること,気づいたことなどを書き留める場です.

20221231

逸見功,2018,統計ソフト「R」超入門 実例で学ぶ初めてのデータ解析,講談社ブルーバックス.読了.R コマンダーのお勉強に最適です.

- - -

20221230

立山秀利,2018,入門者のPython プログラムを作りながら基本を学ぶ,講談社ブルーバックス.読了. 

- - -

20221109

International Journal of Geographical Information Scienceに論文が掲載されました.

Usui, H., 2022, Automatic measurement of building setbacks and streetscape widths and their spatial variability along streets and in plots: integration of streetscape skeletons and plot geometry, International Journal of Geographical Information Science

建物壁面後退距離や街路幅(道路幅+建物壁面後退距離)をほぼ自動的に計測する方法を開発するとともに,「街並みの美学」でおなじみのD/H(街路幅/建物高さ)やF/D(敷地間口/街路幅)なども計測し,歩行者目線からみた街路景観構造(streetscape skeleton)の変化をきめ細やかに可視化するとともに,建物敷地単位での変化も可視化できます.サブタイトルのintegrationの意味です.

建物ポリゴン(building footprint)を生成元とする面ボロノイ多角形は,主に都市形態学の分野で,morphological cellsとして定着しつつあります.さらに,面ボロノイ多角形を生成する過程で生じる中間生成物(点ボロノイ多角形)もうまく活用することで,上述のintegrationを実現しました.

修士課程の頃,路地景観構造を分析・評価するために,建物壁面後退距離やD/HなどをGIS上でマニュアルに計測して以来,いい方法がないかどうか模索し続けておりました.その意味では,この方法を一番欲していたのは,私自身かもしれません^^; ちなみに,対象地は中野区上高田2丁目であり,修士論文の対象地でもあります.

ちょうど,PLATEAUデータがリリースされ,高精度な建物高さのデータを属性にもつ建物ポリゴンも無料で使用できるようになったことも,モチベーションになりました.ところが,実際に取り組んでみると,概念整理と自動化で難航.やりながら,複雑すぎて,宮崎駿監督が「風の谷のナウシカ」を映画化するのを渋った気持ちに,妙に共感しました.

- - -

20221104

Networks and Spatial Economicsに論文が掲載されました.

Usui, H., 2022, Cost-efficient urban areas minimising the connection costs of buildings by roads: Simultaneous optimisation of criteria for building interval and built cluster size, Networks and Spatial Economics. (view-only version)

建物の連坦性に基づいて市街地の範囲をbottom-upに画定する方法です.建物当たりの道路等インフラ維持管理に係る平均費用最小化問題を定式化し,最寄りの建物までの距離の上限r_cと集落サイズの下限m_cを最適解として設定することに成功しました.(31)式と(34)式からなる,'the simultaneous equations determining the criteria for building interval and built cluster size'をr_cとm_cについて解くことで,r_cとm_cは同時最適できます.

今後,市街地の拡大と縮退を評価するためには,過去,現在そして将来における市街地の範囲を,建物の分布に基づいて画定する必要があります.そのためにも,建物の分布に基づく一貫性のある市街地の範囲の画定方法は必要不可欠であり,インフラ維持管理費用とその変化の視点も欠かせません.ところが,これらすべての視点を兼ね備えた方法は皆無でした.

平均費用を最小化する市街地の範囲を示すことで,現状の市街地の範囲(建物の分布)との比較ができるようになるとともに,両者の範囲の差分に着目することで,インフラ維持管理費用の観点から市街地の範囲をコンパクトにするための諸施策を検討することができるようになります.

- - -

20221030

原研哉,2022,低空飛行ーこの国のかたちへ,岩波書店.読了.  

- - -

20221025

都市計画論文集に下記論文が掲載されました.

薄井宏行・寺木彰浩, 2022, 想定する壁面間距離分布の違いが延焼リスク評価に及ぼす影響-壁面間距離分布による地域の空間構成の定量化とその応用-,都市計画論文集,57(2),306-319. 

本論文は,2018年に都市計画論文集にて発表した論文をさらに精緻化した内容であり,2018年の学会発表にて頂戴したコメントに対する,いわば宿題の回答(解答)です.

2018年の論文では,壁面間距離と建物棟数密度および建蔽率制限値の関係をシンプルに定式化することでうまくいきました.ところが,壁面間距離を実測しておらず,実データとの当てはまり具合など,やるべきことも山積しておりました.

精緻化するにあたって,壁面間距離の計測とその分布の理論モデルとしての定式化が最大の課題でした.この点において,今年の4月に都市計画論文集に掲載された論文は理論的にとても重要な基礎になります.さらに,青木義次先生の延焼確率関数と連立することで,2018年に導出した分布を,壁面間距離の最小値分布(ワイブル分布)と連立した場合,最大値分布(フレシェ分布)と連立した場合で「はさみ打ち」してみたのが,今回の論文のアイデアです.宿題に回答(解答)するために,約4年を要したものの,その間で多くのことにチャレンジし,学びました.感謝.

壁面間距離とその分布の理解は,延焼リスクに限らず,市街地の複雑な構成に基づく住環境について,建物棟数密度,道路(延長)密度や敷地建蔽率を介して見通しよく理解するうえで,縁の下の力持ち的な役割を演ずると思います.

- - -

20221012

慶應義塾大学の河端瑞貴先生からお声かけ頂き,共著でQGISの書籍を出版することとなりました.10/12に発売開始予定です.


河端瑞貴(編著),2022,事例で学ぶ経済・政策分析のためのGIS入門QGIS,R,GeoDa対応 ,古今書院.詳細はコチラ


薄井は,3-4章にて,「建物と道路の位置関係に基づく市街地構成の分析:ボロノイ分割の応用」を執筆しております.もともと(2010年頃から),建物-敷地-街区-道路網で構成されるurban formの分析の研究にて,ArcGISでやっていたことを,QGISでもできるかどうか確認しつつ,手順を詳述いたしました.小ワザ満載です.敷地分析という点では,書籍「あいまいな時空間情報の分析」の第13章の内容について,QGISでの分析手順を詳述したものとなり,一緒にお読み頂くと,市街地構成の理解は深まります.


演習用データページも公開されております.Pythonスクリプトも用意しました.ツールボックスに追加しますと,ワンクリックで実行することもできます.

- - -

20221009

ベン・グリーン(著),中村健太郎(訳),酒井康史(訳),2022,スマート・イナフ・シティ テクノロジーは都市の未来を取り戻すために,人文書院.読了. 

- - -

20220915

牟田都子,2022,文にあたる,亜紀書房.読了. 

- - -

20220902

ベノワ・B・マンデルブロ(著), 田沢恭子(翻訳),2013,フラクタリスト―マンデルブロ自伝―,早川書房.再読了.

- - -

20220822

長沼伸一郎,2022,世界史の構造的理解 現代の「見えない皇帝」と日本の武器,PHP新書. 読了.

- - -

20220814

安藤忠雄,2022,仕事をつくる 私の履歴書|改訂新版,日本経済新聞出版.読了. 

- - -

20220811

Environment and Planning B: Urban Analytics and City Science 論文が掲載されました.

Usui, H., 2022, Comparison of precise and approximated building height: Estimation from number of building storeys and spatial variations in the Tokyo metropolitan region, Environment and Planning B: Urban Analytics and City Science.

建物高さと階数の関係については長年の疑問であり,とくに階高の設定についてはきちんと実証したいと思っていました.アイデアはあったものの,データがなかったので実証を見合わせていました.国土交通省のPLATEAUデータの高精度な建物高さデータを使用できるようになり,実証することができました.

- - -

20220804

Environment and Planning B: Urban Analytics and City Science 論文が掲載されました.

Usui, H., 2022, How to harmonise variations in streetscape skeletons under zoning regulations: Considering their external diseconomies, Environment and Planning B: Urban Analytics and City Science.  

タイトルに記載のとおり,街路景観の調和を図る制度設計に資する理論研究です.2011年頃から,「現行のゾーニング制における街路景観の調和度の改善 -敷地の規模・形状の多様性及び個々の建物形態の自由度(形態の外部不経済)と街路景観の調和度のトレード・オフに着目して-」と題して,地道に研究を続けてきた成果です.建物の壁面後退距離と高さのばらつきの関係について,敷地面積と敷地建蔽率のばらつきとの関係に着目し,理論的(数理的)にどこまで緻密にできるのか,追求した成果です.敷地の規模・形状の多様性から街路景観の調和まで,見通しのよい理論を構築することができました.本編に載せることができなかった模式図「Schematic illustration of the relationship between the vertical and horizontal views of the building shape and changing plot size, shape, and building coverage ratio (BCR).」に描いたとおり,建物の高さと壁面位置のばらつきを分析するには,敷地建蔽率の扱いが重要であると考えております. 

- - -

20220622

腰塚武志先生の新刊「距離分布からみる空間」が出版され,手元に届きました.私自身,とくに,本書の第6章の内容である,腰塚・大津(2001)と腰塚(2002)の大ファンです.はじめて読んだときは,基礎となる数学(積分幾何学)についてまったくわからず,以降も繰り返し読むも,理解に苦しみました.それでも,繰り返し読みたくなる面白さがあり,積分幾何学を独学するモチベーションとなりました.

上述の二本の論文には,不定形な図形を定型な図形を介して捉えるアイデアがちりばめられています.円盤領域や矩形領域における距離分布の式であれば,解析的に導出することができます.ところが,不定形な領域の場合,どのように扱えばよいのか,見当もつきません.そこで,解析的に導出可能な円盤領域の場合について,敢えて半径方向に三分割することで,各領域における距離分布を足し合わせたものが円盤領域の場合と一致することを確認しています.そして,敢えて三分割したものを足し合わせるという発想を,不定形な領域の場合に適用し,うまくいくことを確認しています.いったん細かくしてから足し合わせるという,分析と総合ー解析ーのお手本です.

さらに面白いのは,不定形な領域の場合に関する上述の扱いをベースに,解析的に近似式を導出する一連の過程です.積分幾何学の様々な定理や公式を駆使することで,美しい近似式が導出されます.

私が学生の頃(そして就職してしばらく)は,論文や原著(Santalo, 1976)の文献を読み解く必要があり,そこに面白さがありました.今日,「応用のための積分幾何学」とともに,冒頭の書籍も出版され,当時の私からすればうらやましい環境です^^

- - -

20220620

Applied Spatial Analysis and Policyに論文が掲載されました.

Usui, H., 2022, Furthest neighbour distance distribution function: an application to evaluate the relationship between the density of city benches and the required continuous walking distance distribution, Applied Spatial Analysis and Policy. (published online 20220620)

2016年頃から,継続歩行距離を考慮したシティベンチ(以降,「ベンチ」と略記.)の設置密度及び配置基準について研究を進めております.今回,あるベンチと隣接関係にあるベンチのうち,最も遠いベンチまでの距離(furthest neightbour distance)の分布とベンチの設置密度の関係をきちんと定式化しました.2019年9月にOR学会@東広島にて発表した内容がベースです.第6近隣距離でもある程度近似できるものの,理論的にきちんとやったのが本論文です.続いて,最も遠いベンチまでの距離をなるべく短くしようとすると,最も近いベンチまでの距離が短くなりすぎてしまうという悩ましい問題を定式化.具体的には,ベンチの設置密度に関する多目的最適化問題を定式化し,継続歩行距離の観点から,少なすぎずかつ多すぎないベンチの設置密度を計算.東京駅周辺(大手町・丸の内地区)の場合,現状の約100地点から580地点まで増やす必要があります.

査読者より,walkabilityに関する文献を多数ご教示頂き,レビューを充実させることができました.感謝.今回はベンチへの応用例ではあるものの,ベンチに限らず様々な都市施設の配置問題へ応用できると思います.

- - -

20220607

出勤時,自宅を出てから数十メートルの区間を歩いただけで,二羽の野鳥が目の前を横切って飛んでいきました.一羽はムクドリ,もう一羽はヒヨドリです.毎日,この区間Lを歩くときに,目の前を横切る野鳥の羽数n(L)を数えます.記録はしていません.もちろん,Lの位置や設定にもよりますが,n(L) = 0となる場合の数は意外と少なく,n(L) = 2の場合が最頻値のように思います.今日も,n(L) = 2です.

少し数学的に考えてみると,区間L,時間tにおいて,野鳥の飛行経路が交差する確率となります.この問題,針の長さが一定でないビュフォンの針の問題の応用例として解くことができそうです.ビュフォンの針で検索すると,ビュフォンの麺という問題もあることを知りました.

- - -

20220603

論文を新規にsubmit.当初,2021年度中を目標にしていました.ところが,年度末に論文のrevision(修正)×4が重なってしまい,やむを得ず中断.論文を投稿すれば,いずれrevisionしなければならないのは明らかです.問題は,投稿時期は選べても,reivisionの時期を選べないこと.この点において,都市計画論文(発表付)の査読対応スケジュールは何と素晴らしいことか. 

- - -

20220602

ランチにて、今月より、おかわり自由終了とのこと。これまで、たまに、味噌汁をおかわりしていたものの、今月からは¥50です。原材料費などの高騰を鑑みれば、やむを得ないというか、むしろ当然だと思いました。身体のことを考えると、味噌汁をおかわりしなければ、余計な塩分を摂らずにすむ利点もあります。 

- - -

20220526

ツバメの巣を発見.たまたま,親鳥が巣に帰る様子を見ました.普段,ツバメの姿を見ることはほとんどないため,嬉しくなりました. 

- - -

20220525

この数年間、都市間比較の論文を読んでは、面白いとは思う反面、比較対象地区や範囲の選定について疑問に思うこともあります。扱うデータサイズの制約を考えると、一都市や地区を対象に高精度にやるか、他都市を対象に精度をある程度ラフにするか、トレードオフの関係にあります。時間軸を考慮すると、データサイズと必要な計算能力は桁違いになります。

計算すれば結果は出るものの、問題はそれをどう考察するかです。もちろん、得られた結果を適切に縮約することで、比較考察はできます。しかし、縮約する過程で見えなくなる面もあり、縮約と精度のバランスをとるのに苦慮します。飛行機の離陸時に対地高度が増加するにつれて、窓から見える都市空間のディテールがわからなくなっていくのと類似します。

要は、部分と全体の関係をどう捉えるかという問いにどう向き合うかです。全体をうまく反映する部分に着目すれば、全体を理解したことにすることはできる場合もあります。さらなる厄介な問題は、部分をどう決めるかであり、これがうまく決まれば、前述の問いに答えたに等しいはずです。現実はそう単純ではなく、そこに面白さがあります。

- - -

20220520

instrumentalを繰り返し聴いていると,あるときから,特定の音と旋律が際立って聴こえるようになることがあります.たとえば,ピアノとビートとベースギターとエレキギターで構成される場合,あるときはエレキの旋律が際立ったり,またあるときは,ベースギターの旋律が際立って聴こえることもあります.気づくと,ほかの音も聞こえるけれども,ベースギターの音色しか聴いていない状態になることもあります.この一連の過程において,頭のなかで何が起こっているのか,よくわかりません.たとえるならば,完成品の模型をパーツに分解して,部分から全体をイメージすることを楽しむ感覚と似ています.毎度,安室奈美恵,1998,I HAVE NEVER SEENとそのinstrumentalを聴き入って思うことです.

- - -

20220515

午後から論文執筆に専念.とても重要であるものの概念整理とそれに基づく分析に難航.チャレンジングという意味で,宮崎駿さんが,風の谷のナウシカを映画化するのに反対したときのエピソードを思い出します. 

- - 

駅前広場近くの交通信号機や路上や中央分離帯にて、普段はいないドバトの群れが羽を休めている様子を見て、なぜだろうと思いながら歩き進めると、普段の居場所がイベント会場になっていました。交通信号機の上や路上に代替的な居場所を求めたものと推察。それにしても、クルマにひかれそうな場面もあれば、そんなことお構いなしかのごとく、ついばんでいるさまは滑稽。 

- - -

20220508

Yann LeCun(著),松尾豊(監訳),小川浩一(訳),2021,ディープラーニング 学習する機械 ヤン・ルカン,人工知能を語る,講談社.読了. 

書籍の内容を振り返ってみて,印象に残っている,かつ,好きな一節は,「私は読書によって直観を養った.(中略)アイデアはすでに存在している.ただ休眠状態にあるだけなのだ.時が熟せば,誰かの頭の中でそのアイデアが目覚める.科学的欲求とはそのようなものだ(p.11)」です.「アイデアはすでに存在している」という一文から,公平かつ無限の可能性を感じます. 

- - -

20220502

カティ・マートン(著),倉田幸信,森嶋マリ(訳),2021,メルケル 世界一の宰相,文藝春秋.読了. 

購入したきっかけは,本書の帯に記載されている疑問文でした(疑問文は敢えて明記しません).この疑問文の答えについて,メルケル前首相はどのように向き合ってきたのか.知りたいと思い,本書を購入しました.1954年に西独で生まれ,その後は東独で育ち,物理学の博士号を取得し,30代半ばの頃にベルリンの壁が崩壊すると,政治の道へ.冷静沈着かつ忍耐強く,課題と向き合い,強い信念をもって解決策を見出していく姿勢から,多くを学びました.とくに,各国の歴代首脳との対談や駆け引きの様子は迫力です.また,本書を通じて,第二次世界大戦後から今日にかけての世界情勢(とくにヨーロッパ情勢)を勉強することもできました.大部な歴史書を紐解くのは大変であるものの,メルケル前首相の生い立ちとともに勉強すると,歴史上の出来事にリアリティーが伴います.評伝を通じて歴史を学ぶ楽しみの一つです. 

- - -

20220430

石原慎太郎,2018,天才,幻冬舎文庫.読了. 

- - -

20220429

2月半ばから続いた論文の修正ラッシュは一段落.読書に専念.

- - -

20220425

都市計画論文集に下記論文が掲載されました.

薄井宏行・寺木彰浩, 2022, 建物壁面間の距離の最大値分布と最小値分布 ―建物棟数密度と建蔽率制限値による推定と市街地への適用 ―,都市計画論文集,57(1),52-64.

ある建物と隣棟関係にある建物を定義し(Usui et al., 2020),隣棟関係にある建物の壁面間距離(以降,「建物壁面間距離」と記します.)を建物壁面線上にて1m間隔で計測し,各建物について,建物壁面間距離の最小値,最大値,範囲(=最大値ー最小値)を計測しました.地区(町丁目)スケールにおいて,建物壁面間距離の最小値分布と最大値分布をワイブル分布とフレシェ分布でモデル化し,論文副題にあるように,地区の建物棟数密度と敷地ごとの建蔽率制限値から各分布を簡便に推定する方法を構築し,実市街地に適用しております.

この論文は別の側面をもっております.ワイブル分布とフレシェ分布のテクニカルな導出を詳述することで,各分布のパラメータの解釈に努め,地区の建物棟数密度と敷地ごとの建蔽率制限値から推定する道筋をつけたことです.

都市計画の分野では,極値分布モデルとしてガンベル分布が大活躍しております.ガンベル分布の定義域は実数全体ですので,建物壁面間距離のように定義域が非負の実数の場合に適用するのは適切でありません.そこで,極値分布モデルである,ガンベル,フレシェ,ワイブルの各分布がどのような条件のもとで導出されるのか,きちんと整理しました.主要な条件は,「安定条件」と呼ばれるものです.既存の文献は二冊ほどあるのですが,とても難解な内容であり,私自身も修士課程の頃から繰り返し理解に努めてきました.その成果を論文として共有することは重要だろうと思い,ややテクニカルな内容ではあるものの,論文の本編にて記述しております.

- - -

20220423

都市のORスプリングセミナー2022に参加. 

- - -

20220325

卒業おめでとうございます.

- - -

20220324

修了おめでとうございます.

- - - 

20220322

Hiromi,2021,Silver Lining Suite,Universal Musicを購入.上原ひろみさんの作品をはじめて聴いたのは,2009年の'Flashback'という作品です.今回,track01: 'Silver Lining Suite: Isolation'の一部(イントロ)を聴いたのがきっかけで,アルバムを購入.アルバムを通しで聴き終え,感動いたしました. 

- - 

3/22の13時台,東京電力管内の電力使用率は106%. 

- - -

20220317

2022年3月16日の23時36分頃に福島県沖で発生したマグニチュード7.4の地震(以降,地震Bと記す.).気象庁作成の震源要素更新に係るプレスリリースを読むと,23時34分頃にほぼ同じ場所にて,マグニチュード6.1の地震(以降,地震Aと記す.)が発生していた模様.

推察するに,初期微動と思っていた地震動は,実は地震Aの主要動であり,それに混じって地震Bの初期微動も到達していたものの体感では判別できず,そうこうしているうちに,周波数低下リレーが作動し,停電とともに地震Bの主要動が(私に)到達したのではないか.

地震学の専門家を指摘するように,おそらく,地震Bは地震Aに誘発されたのかどうか.マーク・ブキャナンの「歴史は「べき乗則」で動く」の一文を思い出さずにはいられません.地震は発生してみないとそれがどの程度の規模(震源域)になるかわからないという一文です.今回は,まさにそうであったのかなと.地震Aのみで終わったかもしれないし,結果として,地震Bも発生したことは事実です.

- - -

20220316

主要動が到達するまえに停電となり、懐中電灯を探すのに一苦労。ラジオが頼りになります。 

- - -

20220315

桃の花。満開です。 

- - -

20220304

21世紀になって,伝説の北回りや南回りを目下航行中とは何ということか.JLは北回り,ANAやAFは南回り.ある意味,とんでもない時代に突入してしまった感が否めません. 

- - -

20220303

西村幸夫,2019,都市から学んだ10のこと まちづくりの若き仲間たちへ,学芸出版社.読了. 

- - -

20220302

芦原義信,1986,隠れた秩序 二十一世紀の都市に向って,中央公論社.再読了. 

増田直紀,2019,海外で研究者になる 就活と仕事事情,中公新書.読了. 

- - -

20220301

3/1に成田を発ったAF275がブダベストにダイバードしようとした理由は,乗務員の交代のためとのこと.結局,ダイバードせずに,パリへ直行した模様.飛行経路の変更を余儀なくされ,いろいろ模索している様子がわかります. 

- - -

20220213

駅ホームにて、雪片らしきものがキラキラしていると思ったら、塩カルでした。滑り防止の措置に感心しながら列車に乗ると、オーバーラン。雨もあり、ブレーキ調整は難しいのだと推察。 

- - -

20220201

空の旅をすることは叶わない今,季刊「航空旅行」を読みながら,気分はエミレーツ航空です.エミレーツ航空がA380の最終生産機を受領した旨の記事を読みながら,ドバイ国際空港のターミナルにてA380がズラリと並ぶさまは伝説となるのだろうと思うと,儚いです.その一方で,鉄道ファン2022年3月号の「夜行列車復興への軌跡」の後編を読むと,「2021年12月12日に,ヨーロッパ全域のダイヤ改正が行なわれ,かつての"オリエント急行"走行区間でも,定期列車が復活」とあります.飛行機に変わる移動手段として復活とあり,これはこれで嬉しく思います.日本国内においても,伝説となってしまった寝台特急「はやぶさ」が東京駅~西鹿児島駅間(・・・違う,鹿児島中央駅か..)で復活するのではないかと,根拠もなく期待したくなります.

- - -

20220120

editorial managerがリニューアルされたようで,以前よりもフォントサイズが大きくなり,視認性は格段に向上. 

- - -

20220119

大館駅の鶏めし弁当.パリのリヨン駅に出店したのですね.NHKのnews webの記事で知りました.2012年11月10日に,朝の大館駅ホームにて購入し,寝台特急「あけぼの」の車内で食べました.ちょうど,矢立峠区間を走行中かと思います.予約をすれば,乗車している車両の乗降口まで配達してくれました.当日も寒かったのですが,一分程度のやりとりはとても印象に残っています. 

- - -

20220118

2021年度のGIS演習は無事に終了.ほぼフルオンライン形式での演習を乗り切ってくれた受講生,そして,それを支えてくれたみなさまに感謝.初日と二日目はハイブリッド形式であったものの,年明けの三日目からはフルオンライン形式に変更.対面形式で傍に誰かがいるという環境はとても重要であると,改めて認識しました. 

- - -

20220117

今年に入ってから,Air FranceのCDG - NRT路線にB789が充当されるようになりました.コロナ禍に入っても,B777-300が充当され続けてきただけに,このダウンサイジングからいろいろ推察します. 

- - -

20220115

TM NETWORKの'screen of life'を聴いていたら,globeの'angel's song'を思い出しました.共通部分を発見したためです. 繰り返し聴き込むと、冨田勲さんの新日本紀行のテーマ曲のメインパートを思い出します。angel’s songを聴いたときにも気づいたことです。郷愁を感じる主要なエレメントがあり、一見すると無縁に思われる三曲であっても、実は共通項がある。その真偽は小室哲哉さんに聴いてみなければわかりません。こうした発見と仮説をもつのは、それはそれで面白いです。DJ Firstさんに感謝。

- - -

20220114

映画「紅の豚」を鑑賞.エンドロールを見ながら気づいたことは,久石譲さんの作品「狂気」が挿入曲としてクレジットされていたことです.公開当時の1992年,サントラのカセットテープを購入してもらい,「狂気-飛翔-」を繰り返し聴きました.サントラを構成する作品であると思っていただけに,意外な発見です.当時,久石譲さんはオリジナルアルバム「My Lost City」を発表しており,「狂気」も収録されています.「狂気」のバージョンとして,「狂気-飛翔-」があり,後者は映画「紅の豚」のサントラに収録されています.何百回と聞いたのは後者.後者の音源を購入しようとしたところ,iTuneでは,なぜか,「狂気-飛翔-」のみありません(track14は欠番).ほかのアルバムに収録されている'Madness'の音源はリリースされているものの,「狂気-飛翔-」とはまた違う. 

- - -

20220109

ラジオ深夜便「ラジオ文芸館」にて,近藤史恵作「迷宮の松露」を聴きました.主な舞台はモロッコ王国の最大都市カサブランカです.カサブランカと聞くと,花を思い起こします.ラジオドラマを聴きながら,旧市街メディナの様子,主人公と現地の人々とのやりとりの様子が頭の中に描かれていきます.カサブランカに訪れたことはないものの,頭の中に何かそれらしきシーンが描かれるのは面白いです.(旧市街メディナを最大限に想像してから,画像検索してみました..)

頭の中に描かれるシーンは人それぞれです.その多様性について考え始めると,2021年4月1日の未明にラジオ深夜便で放送された,国村隼さんによるラジオドラマの可能性を思い出しました.当時の雑感を振り返りつつ再掲すると,とくに興味深いのは,国村さん曰く「具体都市」を音声のみで表現する難しさと面白さです.映像であれば,具体都市を示さなければならないものの,音声だからこそ,聴き手によって思い起こす「絵」は異なる.具体的な映像を押しつけない良さであり,だからこそ,個的なコミュニケーションが成立する.個のイメージを喚起するためのモノローグとナレーションに,ラジオドラマの奥深さがある.

まさに,その通りであると,改めて思いました.

- - -

20220108

ドラマ「王様のレストラン」の第9話を無料で視聴できるとのことで,フルで視聴してしまいました(汗.「本気だぜー,好きなのさー」と,青ではなく黄色いひよこ(名前は「ありさ」)を思い出しました.演出にひよこが大活躍するドラマの一つかもしれません. 

- - -

20220102

鉄道ジャーナル2022年2月号を購入.特集は,「アフターコロナの新しい鉄道とは,」です.鶴副編集長によるルポ「九州・山陽新幹線みずほ」にて,妙に既視感のある記述に目が留まりました.引用しますと,「(前略)熊本では下車客の数倍のビジネス客が乗車した.車内の総勢も1.5倍程度に膨れ,定員比では50%を超えた模様である.50%という数値だけで見れば半数しか乗車していないことになるが,実際の感覚では窓側席がほぼすべて埋まり,座席購入時に自由な選択はむずかしい状況.決して空いていると見える車内ではない(後略)」.定員比を地区建蔽率に変えてみても,文脈に違和感はありません.地区建蔽率50%の市街地では,自由に敷地を選べる状況ではありません.たとえば,東京都墨田区京島3丁目の地区建蔽率はグロスで約45%です.腰塚先生と古藤先生の論文を思い出します.