Zakkan.

この場は,'Zakkan',「雑感」として,私が日ごろ考えていること,気づいたことなどを書き留める場です.

20191231

大晦日,論文の修正はゴーアラウンド.

- - -

20191226

ふきのとう,1974,白い冬,CBSソニー.

クリスマスの約束2019を視聴.委員会バンドによるカバーを聴いて感動.オリジナルを聴いてさらに感動.

- - -

20191223

二年ぶりに,長沼伸一郎さんの「経済数学の直観的方法 マクロ経済学編」を通勤時に読み進めています.ラグランジアンやハミルトニアンについて復習することに.久々に,力学や解析力学の教科書を熟読しました.

学部時代,戸田盛和先生の「いまさら一般力学?」にて,解析力学の存在を知りました.ちなみに,本書にて,力学系の存在も知りました.ロジスティック曲線の導出やその語源(兵站)を知りました.たぶん,ロジスティック回帰モデルよりも先です.岸本一男先生の「数理解析」の講義にて,ランチェスター戦略が連立一階線形微分方程式として定式化されることも教わりました.

当時の私は,微分方程式系に対して憧れていましたし,期待もしていました.単振動の問題を解く方法,定数係数連立一階線形微分方程式を解く方法,ラプラス変換とその逆変換,行列の固有値問題などを気が狂ったかのように解いていました.その根底には,都市の複雑な現象を微分方程式系で記述して解く野心がありました.

致命的に欠けていたのは,何を解くのかという目的です.

- - -

20191221

11月25日から開始した一連の追加分析(の下準備).約一か月間,laptopをぶん回し続けた末,本日未明に完了.一か月間,ほぼ連続でフル稼働してくれたlaptopに感謝.

- - -

20191219

今年もGIS演習の時期になりました.

- - -

20191207

つぶ入りの缶コーンスープを飲み終えて,残ってしまったつぶを確認したら,ありませんでした!長年の懸案事項は解消.

- - -

20191201

トイでないプードル,14号館前を大爆走.

- - -

20191127

ArcGISを使用した分析が終わらないと思ったら,ライセンスの借用期限切れ.そのアラームがアクティブウィンドウの裏に隠れてしまっていて,気づきませんでした.二日間を無駄に.

- - -

20191123

ISUF2019の各セッションでは,発表ごとに質疑応答はなく,セッションの最後に質疑応答の時間が集約されていました(以降,「質疑応答集約方式」と記します.).

私が過去に参加した国内外の学会において,質疑応答集約方式ははじめての経験でした.各セッションの発表終了後に,発表者がパネリストのように前に立ち並び(座ることも),聴衆と一体となって議論するスタイルです.とくに,セッションの内容が共通するテーマに基づくものであれば,質疑応答集約方式のほうが有効かもしれません.共通する質問もあるでしょうし,共通する質問に対する発表者間での相違見解も明らかとなります.こうした長所もある一方で,セッションの内容が共通するテーマとは言い難い場合,むしろ発表毎に質疑応答する方式のほうがよいかもしれません.そう考えますと,プログラム編成がとても重要です.

国内の学会においても,質疑応答集約方式を導入してみるとよいのではと,勝手に思っております.とくに,共通するテーマに通底する問題を議論する場として,5分ではできないけれど,5分 × 5 = 25分は十分な時間かと思われます.

- - -

20191121

赤を入れまくった紙原稿をベースに論文の修正に着手.燃料満タンかつ4000mの滑走路をフルに使わないと離陸できないくらいの重量.離陸したので,シベリア上空を不時着せず飛行しなければなりません.そういえば,ちょうど一年前の今頃は,まさにシベリア上空で論文の修正方針を考えながら,バルセロナに向けて飛んでいました..

- -

久々にGISを起動して手間のかかる空間分析に着手.毎度思うことは,分析に着手するまでのフットワークの重さ.やりはじめるとサクサク進むものの,分析手順やデータの在り処を確認する際に,データを保存してあるはずのフォルダになかったりすることも.

GISデータの管理は,データのデータを整理することで行方不明にならない対策を心がけています.それでも,過去にバタバタ分析してしまうと,未来の自分が困るわけです.だからこそ,一貫性のある方法できちんと管理すべきだと思います(自戒を込めて).

今回は,メインのlaptopに保存しておらず,サブのlaptopに保存していたため,行方不明状態でした.

- - -

20191118

フーリエ変換とラプラス変換を復習.10年前に購入したブルーバックスを再読.RC回路,LC回路,時定数など,久々に考えました.ディラックのデルタ関数を考案したディラックについては,2012年頃に伝記を読んだことがあります.

- - -

20191117

カレ・ド・ショコラ【ストロベリー】を購入。昨年はあっという間に市場から消えてしまい、食べることは叶いませんでした。

- - -

20191116

10年ぶりに,CSIS DAYSにてポスター発表.

- - -

20191110

関内駅の発車メロディーは横浜ベイスターズの応援ソング.昨日に聴いて以降,頭の中でエンドレスで流れ続けています.

- - -

20191109

都市計画学会に参加のため横浜へ.

- - -

20191108

ボレル集合体,σ集合体などの用語を見ては,なんだっけ?と思いつつ,そのままに.両者は完全加法族と同義であることを思い出しました.概念は理解しているものの,名称が同義であることを失念しては思い出すの繰り返し.

- - -

20191107

大竹文雄,2019,行動経済学の使い方,岩波新書.読了.

- - -

20191103

広中平祐,2018,学問の発見 数学者が語る「考えること・学ぶこと」,講談社ブルーバックス.読了.

本書は,1982年10月に,佼成出版社より「学問の発見」として出版され,2018年に講談社ブルーバックスとして出版されたものです.その内容は全く色褪せておりません.

広中先生の主要な業績は,代数幾何学における特異点解消の定理の証明です.pp.20-28において,代数幾何学と本定理について概説されています.興味深いのは,広中先生が代数幾何学とこの定理(当時は問題)に出会った経緯,本定理に取り組み続けた理由です.取り組み続けた過程を通じて,三つの教訓が示されています.第一は「柔軟性」.普段研究をしていると,壁に直面することは多々あります.長期的には取り組み続ける姿勢は重要であるものの,短期的には一歩距離を置いてみる姿勢も重要という教訓です.第二は「ウォントは自分自身の中から生まれたものでなければならない」こと.そうでないと,研究を持続させる原動力とはなり得ないという教訓です.そして第三は「ものは創ってみてこそ初めて価値を生む」こと.研究の必要性を批判され,面と向かって「役に立たない」と言われることもあります.そこでめげずに,「ウォント」を原動力に研究を達成すれば,役立つかもしれないという教訓です.

上述の三つの教訓は,研究に限らず,人生にも当てはまると思います.本書では,三つの教訓に至るエピソードが散りばめられています.

できれば,学生時代に読みたかった一冊です.当時は本書の存在を知りませんでした.偶然にも,昨晩に書店で発見し,衝動買い.研究者となったいま,本書を読むことで,これまでの研究生活を振り返るとともに,多くの気づきを得ることができました.感謝.

- - -

20191027

古山正雄,2016,安藤忠雄 野獣の肖像,新潮社.再読了.

- - -

20191026

三菱総研の手帳を購入.

- - -

20191022

毎度,Air Indiaの機材を見ては,窓枠が赤色で縁取りされている意匠からいろいろ考えます.1/144スケールで塗装で仕上げようとしたら,発狂すること間違いなし.デカールの有難さ.(搭乗予定,制作予定はありません.)

- - -

20191018

GIS学会へ参加のため,徳島市へ.徳島空港からリムジンバスを利用したところ,徳島市内までの道路は渋滞.空港から徳島駅まで約二時間を要しました(渋滞がなければ約30分間).金曜夕方かつ吉野川大橋に交通が集中したためかと推察.リンク先の解説を読みますと,「本県の幹線道路である一般国道11号,55号,192号が徳島市中心市街地でT字状に交差し,1点集中型の道路網となっており」とあります.地図を見ながら,まさに!と実感.

バスの中で,岡山経由で高徳線で来ても良かったかも,と何度か思いながら,久々にネイマン・ピアソンの補題などをお勉強.とても捗りました.

- - -

20191010

To do listがゼロになったと同時に,国際誌より査読依頼.一つは新規,もう一つはR1.後者について速やかに対応.ほかの査読者のコメントとそれらに対する著者の回答を読むことで,多くを学びました.感謝.

- -

大正6年9月24日に東京湾沿岸で高潮による甚大な被害を受けた際に,「大海嘯」という表現が用いられています.海嘯とは津波のことです.先ほどまで,なぜ高潮を海嘯と呼ぶのか謎だったものの,リンク先の解説を読んで納得しました.引用すると:

昔は津波と高潮の区別がはっきりしておらず、すべて津波と呼んでいた時期もありましたが、昭和9年(1934年)の室戸台風(高潮で大阪湾沿岸地域の被害が大きかった)以後は、地震を原因とするものを津波、それ以外に主に台風(や低気圧)を原因とするものを高潮と区別するようになりました。 (引用終わり)

海水のかたまりが押し寄せるという点において,津波も高潮も同じですから,むしろ区別しないほうが,正しく恐れることができるのではと思います.

- - -

20191008

久々に,芦原義信,1986,隠れた秩序 21世紀の都市に向かって,中央公論社を再読.亜全体という概念を知ったのは本書を通じてでした.pp.123-125を引用すると:

われわれが見出すのは,次第に複雑性を増していく一連のレベルの上における中間的な構造,即ち「亜全体」である.それは見方に従って,全体の性質も示し,部分の性質も示すものである.(中略)この「亜全体」には必ずある種の普遍性があって,次の上位の「亜全体」へのつながるのである.(中略)われわれは,一軒の建築に対しても,一つの街並みに対しても,「亜全体」をもっともっと強く意識してみるのがよいと思う.(引用終わり)

博士論文の序論にて,「亜全体」に言及した記憶があります.最終提出版では言及していないので,より平易な表現に言い換えたかもしれません.博士論文の序論を執筆していた当時,ベノワ・B・マンデルブロ(著),田沢恭子(訳),2013,フラクタリストーマンデルブロ自伝ー,早川書房を読んでいました.p.28にて,「私が挑み続けた難題の一つは,部分と全体を正当にとらえることだった」という記述を読んで,当時の(いまも)私がまさに取り組んでいた(いる)難題であると再認識しました.

同旨のことは,腰塚武志先生も雑誌「都市計画」,no.153でも言及しています.部分と全体にある種の「独立性」の仮定を置くことができれば,複雑な都市空間を見通しよく議論できる,という趣旨だったはずです.

- - -

20191005

ラジオ深夜便にて,五輪真弓さんの「恋人よ」を聴きました.イントロのピアノを聴くたびに,ジーンとこみあげてくるものを感じます.

- - -

20191004

ちょうど25年前の1994年10月4日に発生した北海道東方沖地震では,震源域を波源とする津波だけでなく,オホーツク海沖を波源とする津波も発生していたようです.下記論文では,後者の要因として,北海道東方沖地震によりオホーツク海沖で発生した海底地すべりという仮説が提示されています:

中村浩二・荒井賢一,1996,北海道東方沖地震時にオホーツク海沿岸で観測された津波,地震 第2輯,48(4),451-461.

- - -

20190927

首都大学東京,筑波大学,東京大学の都市解析系研究室で合同ゼミを開催.9時から18時頃まで,学部四年生から博士課程の学生さんの研究発表を拝聴.多くを学ばせて頂きました.閉会式にて,実は今年で20周年であることが判明.幹事のみなさまをはじめ,みなさまに感謝.

- - -

20190926

昼過ぎから演習の見学のため都心から三浦半島へ.

- - -

20190924

Eテレの2355にて,トビまるの存在を知る.

- - -

20190923

ゴッタルド峠や清水トンネル,碓氷峠についてあれこれ思考.経緯は,「アルプス登山鉄道」のpp.86-87にて,Furka-Oberalp(FO)鉄道の支線に関する記述です.アンデルマット駅からゲッシェネン駅の3.8kmの区間はアプト式の支線であり,勾配は最大179‰.ちなみに,箱根登山鉄道の最急勾配は80‰です.ゲッシェネン駅はゴッタルドトンネルの入口にある駅です.

2016年に全長56.7kmのゴッタルドベーストンネルが開通.それ以降も,上述のゴッタルドトンネルは現役.前者は主に高速対応,後者はそれ以外という使い分けでしょうか.ここまで書いていて対比させたくなるのは,清水トンネル,新清水トンネル(それぞれ上越線の上りと下り専用トンネル),大清水トンネル(上越新幹線),関越トンネル(関越自動車道)の清水越えトンネルです.碓氷峠についても,1956年に,当時の碓氷峠の窮状を記した「碓氷白書」を受けて,新線敷設が検討され始め,最大勾配66.7‰の直線ルートのほかに,最大勾配を25‰に緩和するかわりに多数のループ線を敷設する案もありました.当時は,貨物輸送に占める鉄道の分担率は高かったこともあり,速達性よりも,輸送力を稼げる後者の案も有力だったようです.

20年前に,専門誌でこうした経緯に関する記事を読んだとき,上述のゴッタルドトンネルを想起しました.ゴッタルドトンネルの開通は1881年.長大トンネルを掘削する技術はなく,曲率半径の小さいループが連続する線形を採用.99年後の1980年にゴッタルド道路トンネルが開通.関越トンネル(1985年開通)と同様,道路トンネルでの危険物輸送はできません.関越トンネルの場合,その迂回路として国道17号線の三国峠越えがあります.ゴッタルド道路トンネルの場合,そうした迂回路はないようで,鉄道貨物として峠越え.

このように書いていると,もし碓氷新線として勾配緩和ルートが採用されていたら,と考えました.そして,横川駅あたりから上田駅までの長大トンネルを「碓氷・浅間ベーストンネル」として掘削する幻想も.横川と上田の標高は概ね同じだからです.碓氷峠は「壁」だと実感します.

- - -

20190921

9/5にCDGにてコンコルドが静態保存されている様子をみました.コンコルドは日本にも飛来したことがあるものの,私は実機を見る機会に恵まれませんでした.羽田に数回,関空に一回,長崎空港にも一回飛来しているようです.

実機を見たときの第一印象は,主断面の丸さと小ささです.周辺のBoeing737などと比較しても小さい.機内は2 + 2シートですべてファーストクラス.定員は確か96.いまにも離陸しそうな雄姿を見てとても嬉しく思いました.足元はコンクリートの台で固定されているのをみたときに,静態保存であると実感するほどです.

もう一つは,実機が静態保存されている場所です.付近にエールフランスの本社屋があります.おそらく,本社屋からは,コンコルドがいまにも離陸しそうな後ろ姿を眺望できるはずです.引退してから10年以上は経過しているはず.ところが,遠目から見る限り,きちんとメンテナンスされているようです.もちろん,日本のように温暖湿潤でなく,寒冷乾燥な気候も幸いしているかもしれません.

- - -

20190914

My paper has been published in the Environment and Planning B: Urban Analytics and City Science.

Usui, H., 2019, ​Statistical distribution of building lot depth: theoretical and empirical investigation of downtown districts in Tokyo, Environment and Planning B: Urban Analytics and City Science, 46(8), 1499-1516.(published online 20190914) (doi: 10.1177/2399808319840366).

- -

建物敷地の奥行の確率密度関数を導出した論文です.

普段,街路を歩いていますと,建物敷地の奥行の程度を実感する機会はほとんどないと思われます.ところが,実質的には,建物敷地の奥行に応じて,建物の奥行方向の配置が決まります.目に見えない量(奥行)が目に見えるもの(壁面位置のばらつきなど)を規定する.後者を考察する際に.建物敷地の奥行の統計分布は重要な情報です.困ったことに,①建物敷地の奥行を測るのはいろいろ厄介ですし,②その確率密度関数を導出する手がかりもありませんでした.そこで,①については,奥行=面積/間口と定義し,②については,敷地面積と敷地間口の確率密度関数から,対数正規分布に関する逆定理を応用することで,課題をクリアしました.この論文をはじめ,敷地に関する拙著の論文は,建物棟数密度と道路延長密度からみた敷地の規模・形状の多様性に関する研究という点で一貫しております.

- - -

20190913

OR学会@東広島市西条での発表を無事に終えました.

会場のみなさまから、さらに研究を発展させるためのアドバイスを頂きました.感謝.

国際学会と国内学会の発表を無事に終えて安堵.帰路,瀬野八の美しい車窓を楽しみました.

- - -

20190911

土屋信行,2014,首都水没,文春新書.読了.

- - -

20190909

European Colloquium on Theoretical and Quantitative Geography (ECTQG) 2019 in Mondorf-Les-Bains (Luxembourg)にて発表しました.

- - -

20190826

朝七時からがっつり手計算.ベータ関数をこんなにこねくり回したのは初めてです.漸化式的な性質をうまく使うと,解析的に陽にできないと思われたパラメータが陽となってくれて,少々感動いたしました.

これから,計算結果を論文として書かなければなりません.山場は越したはず.

- - -

20190825

大澤昭彦,2014,高さ制限とまちづくり,学芸出版社.概ね読了.

- - -

20190824

中華屋にて、店内の時計をみると私の腕時計と同じ時間。私の腕時計は5分早めに設定しています。

理由は、かつてNHK総合の「小さな旅」にて、上野駅の近くの酒場の女将さん曰く、お客さんが列車に乗り遅れないようにするための配慮を知ったから。お店の時計が夜行列車の出発時刻を示していても、実はあと5分余裕がある。走れば間に合う。そんなやりとりがいまでも印象に残っているとともに、とても大事なことを教えて頂いた気がします。

- - -

20190822

朝から晩まで研究.帰宅時に歩きながら,3つの着想を得ました.光陰矢の如しなので,草稿にメモ.

- - -

20190820

道東テレビのトップファンに認定された模様.

- - -

20190818

未明に国際誌のeditorよりメール.

モヤモヤを感じながら美容室にて散髪.地図好きなオーナーのために,キプロスの地図を持参.改めて,キプロス島とその周辺諸国の位置関係から多くを考えました.

恐る恐るメールを開いてみると,内容は図の改善(色合い)等に関するもの.午後から作業に専念.困ったことに,描画した地域を失念してしまい,図上で探すこと数分.特定することができました.あと一つ修正を終えれば,resubmitできるかな.焦りは禁物です.

- - -

20190817

福和伸夫,2017,次の震災について本当のことを話してみよう.,時事通信社.読了.

- - -

20190811

Hollander, J. B., 2018, A Research Agenda for Shrinking Cities, Edward Elgar Publishing. 読了.

- - -

20190808

腰塚武志先生の新刊を購入.

腰塚武志,2019,応用のための積分幾何学 図形の測度:道路網・市街地・施設配置,近代科学社.

2009年以来,出版されるのを楽しみにしていました.学部生の頃から,OR学会誌の「積分幾何学について(1)~(5)」を何度も読んでから,2007年頃に,Santalo(1976)のリプリント版を購入し,part 1をほぼ独学.前職時代,青地に黄色文字のソフトカバーを携帯しては,「これ何の本?」と聞かれました..

不定形な図形の集合とその量を扱う基礎理論です.都市は平面的には不定形な図形の集合で構成されているだけに,その基礎たる積分幾何学は都市工学の基礎だと確信しています.

- - -

20190806

終日文献レビュー.reviewersから紹介して頂いた約40本のpapersのうち約1/4を読み終えました.文献を紹介して頂くことは大変有難いことです.

運動はしていないものの,低血糖症状のため,ガムシロップを流し込みました.以前,ドラマ「ドクターX」のエンディングにて,米倉涼子演じる大門未知子がオペ後に大量のガムシロップ水溶液を飲んでいたのを思い出しました.岸部一徳の「メロンです,請求書です,リーズナブルですよ,イ・タ・ダ・キ・マ・シ・タ!,(ダンス)」の流れとともに,印象に残っています.

- - -

20190803

今年の正月に,'Just Like Paradise (expo overdub mix)' (TMN) × 'I HAVE NEVER SEEN' (安室奈美恵)のmashupを試みました.それなりのフリーソフトで十分にmashupできることを確認したものの,全体的なtuning upは必要です.

最近,前者をヘビロテで聴いているのですが,前者の宇都宮隆さんのメインボーカルと女性コーラスを残しつつ,安室奈美恵さんのvocalをmashupすると面白い作品に仕上がりそうなことに気づきました.

両作品とも,後半で転調するので,そこをクライマックスに,盛り上げていくmashupに仕上げたいですね.

- - -

20190802

午前中は京都の中学生の研究室訪問.

本郷六丁目を俯瞰しながら,インタラクティブなミニ講義を実践しました.何か気づいたことはありますか?との問いかけに,斜線規制に気づいてくれた生徒さんもいました.その後,ガワアン構造について概説.演習室の雰囲気も感じ取ってもらいました.一人でも都市工に進学してくれれば幸いです.

- - -

20190801

桐生市を訪れました.

桐生新町伝建地区を南北に貫く本町通りとその界隈の空間を実態認識.興味深い特徴は,道路と沿道建築物の壁面との位置関係です.一般的には,両者は互いに平行となる傾向にあります.ところが,桐生新町伝建地区の場合,本町通りに対して,南から北に向けて壁面後退距離は短くなります.

桐生市作成の資料によると,「雁行型配置」と記載されていました.まさに,本町通りを軸に雁の群れが天満宮に向けて飛行しているかのような配置です.「雁行型配置」との記載はあるものの,その理由は記載されていません.そこで,本町通り沿いの店舗にヒアリング.ところが,その理由を知る方はいませんでした.

私の仮説としては,前述の天満宮の位置と関係するのではないかと思います.雁行型配置にすることで,天満宮の「奥性」を演出しようとした試みです.

- - -

20190731

7/31から8/1まで,学部三年生の実習旅行の引率を務めました.

主要な見学地は八ッ場ダムと道の駅八ッ場ふるさと館でした.前回,吾妻渓谷を車で走行したのは約10年前です.国道145号線やJR吾妻線の架け替え工事の最中でした.いまは堤体のコンクリート打設が完了し,試験湛水の目前です.私自身も非常に多くを学ぶ見学でした.関係者の皆様に感謝.

- - -

20190722

2019年3月6日にacceptされた下記論文:

Usui, H., 2019, ​Statistical distribution of building lot depth: theoretical and empirical investigation of downtown districts in Tokyo, Environment and Planning B: Urban Analytics and City Science. (accepted)

掲載予定は2019年10月頃とのことです.

- - -

20190721

新海誠さんの小説「言の葉の庭」を読了したのは2016年4月30日のようです.その後,地上波で映画作品を鑑賞しました.最新作「天気の子」も,まずは小説を読んでみようかと思っているところです.そこからどんなシーンをイメージするか.「言の葉の庭」でその楽しみを知ってしまったゆえ,です.

小説「言の葉の庭」のあとがきの一部(pp.386-387)は,何度読み返しても考えさせられる一節です.引用すると,

たとえば「情緒」のようなもの.街の夜景の絵を描くとする.そこに,切なさを含んだ音楽をかぶせる.どのタイミングでも良いので,どこかの窓の光をひとつ灯す,あるいはふいに消す.それだけで,情緒としか呼びようのない感情を観客に抱かせることが,映像ならばできる.引用終わり.

先日の学部四年生の最終ジュリーにて,「気配」の説明を聞きながら,新海さんの上述の「情緒」の一節を想起しました.たとえば,雨上がり,植木鉢の若葉から雫が滴り落ちそうな小径にて,煮物の香りがしてくる瞬間があります.地区の実態認識をしていると,帰るのが嫌になることもあります.「気配」って,演出できるものではなく,生活の表出のようなものです.プランナーに求められることは,「気配」や「情緒」が表出しうるように,かなーり間接的な仕掛けを考えることだと,学生さんの説明を聞きながら思っていました.

「情緒」は遠景に見ることもできます.いまでも印象に残っているのは,金沢から夜行急行「能登」で上野に向かう途中の,上越線の河岸段丘から見た集落の夜景です.まさに,光がランダムに灯る様子を見ながら,写真撮影しても伝わらない,動画として記録しても何か違う.

「情緒」,考えるだけでも飽きません.

- - -

20190714

本州最南端の地,潮岬を訪れる機会に恵まれました.

紀伊半島を訪れるのも今回が初めてです.

たまに,紀伊半島と房総半島の類似性を考えることがあります.大阪市と東京都,和歌山市と千葉市または木更津市,串本町と旧白浜町(現南房総市の一部)の地理的な対応関係です.

実際に訪れてみると,和歌山市以南がとてつもなく長い!という実感です.紀勢自動車道はすさみ南I.C.まで暫定開業しているものの,それ以南は国道42号線をくねくねと走行しました.串本町の中心部に入って,新宮市まで数十キロの表示を見たときに,新宮市の遠さを改めて実感しました.

国道42号線の海岸沿いを走行していると,至るところで「津波注意区間」という標識を目にしました.標識を見るたびに,万が一に備えて,ナビ上で高台へのアクセス路の有無を確認するものの,急峻地形ゆえ,なかなかありません.

昨日,湯浅町の伝統的建造物群保存地区を訪れた際に,町営駐車場の片隅にて,「津波救命艇」を見つけました.2011年の東日本大震災の後,国交省の四国運輸局が検討・普及を進めていたところ,現在は本省の業務として移管されたようです.今回,現物を見るのは初めてでした.

寺田寅彦の有名な警句の一つに,「天災は忘れたころにやってくる」があります.普段は静穏な沿岸部の集落にて,非常時を如何に意識するか.非常時に関わる様々な備え(上述の津波救命艇や津波避難タワーなど)と平常時のまちなみとの関係など,集落の実態認識をしながらアレコレ考えたことを忘れないうちに記録しておきます.

- - -

20190710

My paper has been published in the Computers, Environment and Urban Systems.

Usui, H., 2019, ​A bottom-up approach for delineating urban areas minimizing the connection cost of built clusters: Comparison with top-down-based densely inhabited districts, Computers, Environment and Urban Systems. 77, 101363. (published online 20190710)

2018年11月27日のバルセロナ滞在中にfirst decision letterを受け取り,2019年7月2日のニコシア滞在中にacceptance letterを受け取った思い出深い論文の一つとなりました.

- - -

20190705

International Seminar on Urban Form (ISUF) 2019 in Nicosia (Cyprus)にて発表しました.

気づいたことを忘れないうちにこの場に書き留めます.想定内のことは,時間にルーズなところです.想定外のことは,各発表の終わりに質疑応答の時間を設けず,セッションの最後にdiscussionの時間を割いていることです.セッションの終わりに,発表者がパネリストのように並んでフロアの聴衆と議論します.まさに,discussionでした.

初日の午後はニコシアのバッファゾーンに貸し切りバスで移動し,ラウンドテーブルなどの企画セッションに参加.テーマは,urban morphologyをどのように教育するか.欧州ではすでに教育方法が確立されていると思っていたので,教育方法について喧々諤々と議論している様は意外でした.議論の過程を聴く限り,主眼は都市デザインへの応用にあるようです.この点,日本の教育機関も十分にキャッチアップできそうに思えました.

Alan Penn先生,Stephan Marshall先生,Karl Kropf先生,Kim Dovey先生,Vítor Oliveira先生とお話する機会に恵まれたことは幸いでした.

- - -

20190702

My paper has been accepted for publication in the Computers, Environment and Urban Systems.

Usui, H., 2019, ​A bottom-up approach for delineating urban areas minimizing the connection cost of built clusters: Comparison with top-down-based densely inhabited districts, Computers, Environment and Urban Systems. (accepted)

既成市街地の定義と画定方法,居住誘導区域の画定,市街地の縮退の評価,全く新しい研究テーマに取り組みました.居住誘導区域の画定を考える前に,現行の既成市街地をきちんと確定しなければ,施策前後の評価はできないと考えています.現行と将来において,一貫したアプローチを示すべく,上述のようなタイトルの研究に取り組んだ次第です.掲載されましたら,ご高覧頂けますと幸いでございます.

- - -

20190603

目下査読に専念していたところ,4月にresubmitした論文の査読結果の通知メール.何ともなタイミングです.

- - -

20190531

朝から晩までGIS三昧な1日を過ごしました。

- - -

20190525

本日のサラメシは、中華そば青葉本店。

初めて訪れました。すこし長めの行列に並んだせいか、明大茶を購入する余裕はなく。明大茶、美味です。

- - -

20190524

ECTQG 2019に投稿していたアブストが採用されました.

- - -

20190522

終日,QGIS研究に専念.

- - -

20190518

今年も明大茶を飲む時期になりました.

- - -

20190517

一昨年末から取り組んでいる研究に専念するも,なかなか捗らず.からまった糸をほぐすかのように,思考を紙に書き下すことで,前に進めそうな手応えを得たところ.都市空間の部分と全体の関係を如何に捉えるか.この問いに真摯に向き合うほど,頭はいよいよフリーズ.正攻法は全体としてのglobalな性質を明らかにするとともに,localな性質を如何に記述するか.アレコレ思考実験する余裕は生まれつつあるものの,議論の発散は避けたい.

- -

部分と全体の関係を把握する方法の一つとして,部分の総和としての全体の変化に着目する方法があります.全体の量そのものが重要となることもあれば,部分をその量の小さい順に積み上げた量(累積量)の変化率(微分)に意味があることもあります.後者を知りたいけれど,ダイレクトに知るのは難しいので,前者を計算(積分)したうえで,前者を微分により知る.腰塚武志先生が,「建築雑誌」の座談会にて,「概念としての積分はやさしい,計算は四苦八苦だけど..」という趣旨の発言をなされたいたことを思い出しました.

二年前の研究会にて,積分した量の意味について云々という議論をしたことを思い出しました.確か,重力とポテンシャルのアナロジー云々であり,何らかの量を微分して求めるときに,微分して得られる量には意味があるものの,「何らかの量」の意味は如何,という趣旨だったと記憶しています.次元解析を適用できれば物理的な意味づけも可能であるものの,そうでない場合はどうでしょう.前段の話と関連付けると,累積分布関数=ポテンシャル,確率密度関数=重力というアナロジーもできなくはなりません.そう考えると,後段の冒頭で述べた「積分した量」は,概念としてのポテンシャルであると割り切って理解しても良いのかなと,いまさらながら思う次第です.

- - -

20190514

吉見俊哉,2017,大予言: 「歴史の尺度」が示す未来,集英社新書.読了.

- - -

20190508

Batty, M., 2018, Inventing Future Cities, The MIT Press. 読了.

- - -

20190502

休暇の前半は読書に専念。

Batty先生の新刊と吉見先生の「大予言」を同時期に読んでいると、時代を如何に切り取るかについて、共通するテーマに出会いました。前者はほぼ読了しつつあるものの、繰り返し読んで理解を深めながら、新たな発見を得る文献です。後者は読み始めたばかりです。

本日は研究に専念。しばらく放置した原稿と対峙して終了。結局、laptopを開くことはなく。

- - -

20190501

山室恭子,2015,大江戸商い白書 数量分析が解き明かす商人の真実,講談社選書メチエ.読了.

山本紀夫,2016,トウガラシの世界史 辛くて熱い「食卓革命」,中公新書.読了.

- - -

20190430

五神真,2019,大学の未来地図 —「知識集約型社会」を創る,ちくま新書.読了.

- - -

20190425

下記論文が,日本都市計画学会の2018年の年間優秀論文賞を受賞することになりました.

薄井宏行・寺木彰浩, 2018, 建物棟数密度の減少による延焼確率の減少効果 ―正方形敷地の仮定に基づく延焼確率分布の導出及び密集市街地における延焼リスク評価への応用―,都市計画論文集,53(3),pp.1507-1514.

今後も一層,都市計画学における都市解析研究の可能性を追求してまいりたいと思います.

- -

都市計画論文集に論文が掲載されました:

薄井宏行, 2019, 消防活動困難区域の定義再考,都市計画論文集,54(1),pp.64-71.

消防活動困難区域については,修士課程の頃から賛否両論の立場で考え始めたものの,考えるための道具がなく,道具を開発する頭もなく,悶々とした日々を過ごしました.2009年のジョイントセミナーにて発表した内容がベースですから,約10年を要しました.ご高覧頂けますと幸いです.

- - -

20190424

論文が採用されました.

薄井宏行・樋野公宏, 2019, 高齢者の歩行特性を考慮した休憩施設の密度と最長継続歩行距離 ―東京駅および大手町駅周辺地区を対象に―, 日本建築学会計画系論文集, 84(762), 掲載決定.

樋野先生との共同研究の成果です.査読者より数多くの建設的なコメントを頂戴し,論文をより良いものにすることができました.論文の内容については,2018年度のGIS学会でも発表し,数多くのコメントを頂きました.感謝.ちなみに,「休憩施設」はベンチのことです.東京駅周辺にはベンチが少ないことを嘆き始めて早二年少々.あるベンチからの(目的地の)方向を気にしなければ,現状でもそれなりにあります.あらゆる方向にとなると,ベンチの密度は十分とはいえません.「あらゆる方向」を考えるのに,解析的な工夫が必要でした.本論文の貢献の一つはこの工夫にあると考えています.

- - -

20190412

日本橋交叉点で信号待ちしていたところ,目の前でハトが着地.羽をばたつかせて着地しては,瞬く間に羽を閉じて,何事もなかったかのようにトボトボと歩きはじめます.

- - -

20190407

喫茶店にて,ハトがトボトボとテラスにあるテーブルの周りを歩いている様子を,窓越しに観察.お客さんが飲食していても躊躇せずに歩くものの,箒を持った店員さんが現れるや否や,ソレーッと全速力で,だけど飛ばずに,逃げていく様子をみては,微笑んでしまうわけです.

- - -

20190406

いわゆる教養課程(学部一年次程度)で学習する数学や物理学と,その後の専門課程で学習する内容との関連性については,いまもむかしも議論されている問題です.こと数学に関しては,数学者から教わるよりも,数学を道具として使う人,さらには数学を苦手とする人から学んだほうが,初学者には好都合という話を聴いたことがあります.言い得て妙です.

久々に,書棚にある奥平耕造先生の「都市工学読本ー都市を解析するー」をパラパラっと目を通してみました.1976年刊行の書籍であるものの,その内容はまったく陳腐化しておりません.そのこと自体に驚きます.私が学部一年次の頃,冒頭の教養課程の数学やらを学習しながら,専門として考えていた都市計画への応用を模索していました.筑波大学付属中央図書館にて,「都市工学読本」を発見したときの,「これだ!」という感動は今でも鮮明に覚えています.もし,本書に出会わなければ,私の進んだ道も異なっていたかもしれません.そのくらいに私に影響を与えた書籍です.

目下の関心事の一つは,学部生に必要最低限の解析的なものの考え方を如何にしてインストールするかです.現実離れしすぎず,かつ,複雑すぎず.簡潔でなければならないと思います.昨日,学部三年生と都市空間を実態認識しながら,重要なことを伝え忘れたことに気づきました.鳥瞰的な都市空間の捉え方と街路空間の捉え方を相互に意識することです.GIS演習では前者に主眼を置く一方,実態認識演習では後者に主眼を置くものと理解しています.いずれにおいても,分析と総合を繰り返しつつ,複雑な都市空間の理解を少しづつ,深めているのだと思われます.

- - -

20190403

普段から読んでいる国際誌(IFあり)より査読依頼.review reportの提出まで一か月間あるため,快諾.double-blindのはずが,なぜか,author nameが記載されています.勉強させて頂きます.

- - -

20190401

大手町ビル改修工事のため,「リトル小岩井」は,9月30日まで一時休業とのこと.一瞬,エイプリルフールであることを願ったものの,事実のようです.楽しみ半分,従来の店の雰囲気が過去のものになってしまった寂しさ半分.半年後,ナポ油少なめ別盛,または,イタ油少なめ別盛のオーダーが厨房に入る様子を聞くのを楽しみに.

- - -

20190328

2月半ばに購入したアレルギー専用眼科薬(15ml).残すところあと数回分.意外にも,目薬をすべて使い切ったことはなく,途中で使用を止めることが多かったように思われます.今シーズンは,それだけ厄介な粉が飛散しまくっているゆえ,点眼はマストです.問題は,黄金週間前に向けて,点眼を継続するかどうか.ちなみに,飲み薬も同様であり,素直に一か月分購入すればよかったものの,二週間分を二回購入しました.

- - -

20190327

目下の関心事は,いわゆるbig dataという原石から何を知りたいのか.知りたいことの多くは,諸量の関係性に関する統計的な性質(Aという量が変化したときに,Bはどう変化するか)や何らかの規則性(法則)に帰着するように思われる.これを狭義の「知る」の定義だとすれば,知るという能動的な態度は,経験則に基づいて,AとBという量に着目することを意味する.着目すると同時に,着目しない量もあるため,能動的な態度は,同時に多くの知らないままの情報を副産物として廃棄してしまう.実は,この副産物のなかに,知りたい情報が含まれている可能性がある.知るという能力を効率的に高めて,かつ,「副産物」を最小化する可能性を秘めているのが,人工知能に関する一連の情報処理技術であると理解している.

数ある成功例の一つとして,ティコ・ブラーエが遺した惑星の観測データとヨハネス・ケプラーによる第三法則の発見は今日においても多くの示唆を与えるように思われる.遺された観測データと対峙する過程は,ヒトの知能による情報処理そのものであり,能動的に知ろうとする営みを諦めずに継続した成果である.この点において,ケプラーの偉業には畏怖の念を禁じ得ない.もし,ケプラーが,「あーやってらんねー」と諦めてしまったら,その後に第三法則が発見されることはあったのだろうか.今日であれば,諦めることを知らないlaptopが,あらゆる関係性の可能性を一つずつ検証し,第三法則を「発見」するかもしれない.

そう考えてみると,「発見」という偉業は多分にギャンブルな性質を備えている訳で.ギャンブルな性質を限りなく小さくする可能性を秘めているのが,人工知能に関する一連の情報処理技術であると理解している.その反面,研究者はこうしたギャンブルを楽しむ性の持ち主である.「あーやってらんねー」といって喫茶店で美味しいコーヒーを飲んでは,「今度こそブレークスルーかな」と意気込む.この繰り返し.やはり,ギャンブラー以外の何物でもない.

まとめると,「発見」の背後にある「知る」の選択肢集合を手に入れたときに,big dataという抽象名詞に対して具体的な規則性ないし法則として'rename'できるかどうかが重要なのかなと思うのです.

- -

ほぼ終日,論文の修正に専念.やっとゴールが見えてきました.不思議なもので,難所を越えつつあると,修正前の内容に対する執着は皆無となります.毎度,この変化を不思議に思います.エスキースの後でbeforeの状態に対する執着がなくなるのと似たような感覚かもしれません.これを「成長」というのかもしれません.

- - -

20190326

卒業おめでとうございます.

- - -

20190325

修了おめでとうございます.

- - -

20190324

田園調布、たまプラーザ住宅、美しが丘を散策しました。

- - -

20190322

鮮魚コーナーをうろうろしていたところ,メジマグロが成長するとクロマグロになることを知りました.

- - -

20190311

気分転換に確率過程のお勉強に専念.毎度,ランダムウォーク(離散モデル)から拡散方程式(連続モデル)への変形に感動します.'scaling'という変数変換を考えるものの,'scaling'という用語は学問分野によって異なるため,混乱します.以前,論文にて'scaling'という用語を使用したところ,refereesを混乱させてしまったことがあり,そのdefenseに苦労したこともあります.もちろん,きちんと定義して使用すれば問題ありません.厄介なことに,既往研究をレビューしていても,明確な定義もなく'scaling'という用語が使用されていることもあります.それを安易に引用すると,refereesから「はあ?」と言われてしまう訳です.

- - -

20190306

My paper has been accepted for publication in the Environment and Planning B: Urban Analytics and City Science.

Usui, H., 2019, ​Statistical distribution of building lot depth: theoretical and empirical investigation of downtown districts in Tokyo, Environment and Planning B: Urban Analytics and City Science. (accepted)

- - -

20190305

International Seminar on Urban Form 2019に投稿していたアブストが採用されました.

- - -

20190213

一月末から開始したジュリー期間は本日で終了.毎度,この期間は私自身の研究の視野を広げる絶好の機会でもあります.学生さんの発表,質疑応答でのやりとりから多くを学びました.感謝.卒論生のみなさん,おつかれさまです.

実は,今年度から,主担当で二名の学生さんの卒論を指導する機会にも恵まれました.それぞれ都市交通分野と都市防災分野の研究です.

私自身は,あまり分野に対する拘りはありません.よくばりかもしれませんが,都市〇〇分野の全般に興味があります.T字型(ジェネラリスト(横棒)とスペシャリスト(縦棒))の成長は,等積変形と面積そのものの増大の両立です.実際には,両者は同時進行しているものと思われます.

学生時代から,都市の総合診療医のような存在の必要性を認識しており,現在の立ち位置にいます.総合診療医の「そ」の部分も担えていない,まだまだな部分はあります.今後も,教育と研究を通じて,微力ながら貢献して参りたいと思います.

- - -

20190204

International Regional Science Reviewに論文が掲載されました.

Usui, H. and Asami, Y., 2019, Size distribution of building lots and density of buildings and road networks: theoretical derivation based on Gibrat’s law and empirical study of downtown districts in Tokyo, International Regional Science Review. (published online 20190204)

本論文では,建物棟数密度と道路延長密度が都市の街割を記述する可能性を徹底的に追及いたしました.当初,街割をstaticに捉えていたものの,dynamicに捉えないと街割を記述できないことを理解しました.当たり前といえばそうなのですが,当たり前なことに気づくのに四苦八苦しました.

具体的には,Gibrat's lawに基づいて,正方格子状パターンから,地区スケールにおける建物敷地の面積の統計分布を対数正規分布として導出したものです.対数正規分布の母数は主に建物棟数密度と道路延長密度から推定できます.

建物と道路は地区スケールの都市平面を構成する主要な要素です.一見すると,都市の街割の多様さのなかに,対数正規分布として発現するメカニズムがあるようには思われないかもしれません.理論的にも実市街地においても,対数正規分布に従うという「宿命」からは逃れられないようです.

ご高覧頂けますと幸いでございます.

- - -

20190123

論文が採用されました:

薄井宏行,2019,消防活動困難区域の定義再考,都市計画論文集,54(1),掲載決定.

現行の消防活動困難区域の定義の妥当性について,①格子状の稠密な道路網を想定する妥当性,②直線距離を想定する妥当性,③隣接交叉点間の道路区間を捨象する妥当性の観点から確率論的に検証したものです.

修士時代から取り組み続けた問題に答えを出すことができました.ご高覧頂けますと幸いでございます.

- - -

20190122

都市計画セミナー@東洋大学に参加.計画的に開発された住宅地にて,ランダムに発生する(と言われている)空閑地と菜園利用の絵を見ながら,公団住宅の間取りとのアナロジーを考えました.

公団住宅の間取りは,同じ3DKであっても,ダイニングと寝室が押入で仕切られている場合もあれば,通路となっている場合もあります.小学生の頃,友達ん家(ち)に遊びにいくと,あるはずの押入がない代わりに,通路がある意外性を素直に面白いと思いました.

確かに,公団住宅の間取りは,標準設計を端緒とした大枠は同じです.この点において,計画的であり一様です.そのなかに,上述のような意外性もあります.

とある文献にて,uniformity amidst varietyという概念を知りました.上述の計画的に開発された住宅地と公団住宅の間取りは,むしろvariety amidst uniformityかもしれません.

- - -

20190117

ラジオ深夜便にて、宇多田ヒカル特集。アナウンサー曰く、最年少とのこと。Automatic、リリースから20年が経過するも、色褪せを感じさせません。

- -

昨晩から丸一日,ほぼ思考停止の状態に.解析的に導出した結果と数値計算の結果が異なるため,どちらかに誤りがあるはず.解析的には,パラメータの変化に対して最適解は不変であるところ,数値計算をしてみると変化してしまいました.結局,後者に誤りがあることが判明.

こうした状況に直面することは珍しいことではありません.数値計算の結果から,理論の不備に気づくこともあります.今回,もし理論に不備があるとすると,論文の大部分を修正しなければならなかったので,上述の原因が判明するまで,生きた心地がしませんでした(大汗.

これで安心して前へ進めます.

- - -

20190115

数年ぶりに、缶入りの濃厚コーンポタージュを飲んでは、最後の数粒を如何にして食べようか頭を使います。

- - -

20190114

たぶん,約一年ぶりに論文修正のto do listがゼロになりました.仕掛け品に着手できる喜び.

- -

低血糖症状に対処すべく、オレオを補食。血糖値の急上昇を緩和すべく、オレオのクッキー部分をクリーム部分から剥離(?)して徐々に食べるのが習慣。毎度興味深いのは、クッキー部分を剥離するときの力のかかり具合の可視化です。このとき、連続量、アナログを実感します。

- - -

20190110

大衆酒場で飲食して帰ろうとしたところ,靴入れにあるはずの私の革靴がなく.どう探しても見当たらず,少々焦りました.結局,ほかのお客さんが誤って履いていってしまったとのこと.幸い,店を出た直後だったらしく,私の革靴とともに店へ戻ってきてくれました.そのお客さんと何故か握手することに.悪い気はしませんでした.こうした経緯もあり,温もりのある履き心地に違和感を抱きつつ,帰宅した次第です.

- - -

20190106

年明けから論文の修正に専念.1/4に集中力が途切れてしまい,実質的に論文たちを寝かせることに.氷から水への状態変化(融解)に相応のエネルギーを必要とするように,紙媒体に施した修正を電子媒体に反映する際にも,融解熱ー過去の自分が書いた文章を解体するためのエネルギーの意ーが必要です.1/4は融解熱を蓄えることに.昨日に再開したものの終日頭痛.今日は頭痛も治りスッキリ.

受験生の頃,「問題文をよく読め」と言われた記憶があります.同様のことは,「査読コメントをよく読め」とも言えそうです.査読コメントも様々であり,箇条書きで詳しくコメントしてくださるレビュアーもいれば,ざっくりとしたコメントをしてくださるレビュアーもいます.decision letterを受け取ったときは,前者のほうが面食らうものの,対処しやすいのは前者です.

久々に,都市計画運用指針を熟読しました.

- - -

20190105

映画「風の谷のナウシカ」を観賞.改めて,トルメキアの大型船のゴツさをカッコよく思いました.あの重々しさ.アントノフ225が離陸する様子よりも重々しいだろうと.もう一つ気づいた点は,腐海の底にて,枯れた木立ちが空間を支える様を見て,サグラダファミリアの屋内を思い出しました.

あのシーンは,いろいろ考えさせられます.腐海の底は,流砂に吸い込まれた先にあります.問題は,吸い込まれるときの,重力と垂直抗力のバランスです.砂が落下する様子から,抗力はほぼないように思われるので,落下時の衝撃は相当なのではと,毎度ハラハラしながら見守りたくなります.

- - -

20190101

あけましておめでとうございます.