小学四年生の文集
1990年著
文明の発達とともに環境が破壊されてきたこと、
地球温暖化の脅威、リサイクルの重要性を小学生にも分かりやすいように解説した。
今なら環境を守るのが「簡単で少しの力で出来る」なんてことは言わない。
2150年に二酸化炭素濃度を現在の倍、2075年に三倍にしないためには
次の十五の政策の「簡単で少しの力で出来る」ものから八つを今すぐしなければならない。
20億台分の車の燃費を現在の2倍の25km/リットルにする
車1台当たりの年間走行距離を半減させ、8000kmにする
冷暖房や電気器具の効率を25%向上
石炭火力発電の発電効率を40%から60%に向上
CO2の回収・貯留 CO2の回収・貯留システム(CCS)を石炭火力発電所800基または天然ガス火力発電所1600基に導入
車10億台分の燃料を生産する石炭使用の水素工場に、CCSを導入
1日48億リットルを生産する石炭使用の合成燃料工場に、CCSを導入
1400基の大型の石炭火力発電所を、天然ガス火力発電所に転換
原子力発電所の効率を現在の3倍にし、石炭使用の火力発電所を削減
風力による発電量を25倍に増加
太陽光による発電量を700倍に増加
風力による発電量を50倍に増やし、自動車用燃料電池の水素を生産
世界の耕作地の約6分の1を使ってバイオエタノール燃料の生産を50倍に
森林伐採の全面停止
不耕起農法などの環境保全型農業をすべての農地に拡大し、土壌からのCO2放出を減らす
スティーブン・パカラ、ロバート・ソコロウ2004年「サイエンス」
簡単で少しの力で出来るものはない、だが政治と経済と科学の力を集結すればぎりぎり可能だと思う。
(上の試算はスマートグリッドやセルロース系バイオ燃料の話が入っていないのでいささか古い気がする)