2011年の活動記録

兵庫県立大学環境人間学部・宇高研究室 研究室学生の地域での活動

GiN  Gin-no-Bashamichi institute for Heritage Network

銀の馬車道ヘリテージネットワーク研究機構

まちづくり部門 2011年度 活動記録

GiN-FPU: Field Project Unit 2011

以下はこの年度に実施した主な活動の記録です。このサイトでは、GiNの活動の一部を紹介しております。

サイトの移転の都合でリンクが切れている場合もあります。ご了承ください。

兵庫県 人間サイズのまちづくり賞 受賞

兵庫県 人間サイズのまちづくり賞 奨励賞 2011年

銀の馬車道プロジェクト PRポスター作成

兵庫県立大学環境人間学部住宅計画研究室(宇高研究室)では平成18年度から、銀の馬車道ネットワーク協議会から「銀の馬車道活用方策調査研究」の委託を受け、「銀の馬車道研究会」として、地域住民と協働しながら、銀の馬車道沿線の地域資源の把握や歴史的遺産の活用方策の検討を行うなど馬車道を活かしたまちづくり活動に取り組んできました。

今年度はより多くの人に、銀の馬車道とJR播但線の沿線の魅力を知っていただきもっとご利用いただくために、学生がデザインをしたPRポスターを作成しました。このポスターは、JR播但線の生野駅から姫路駅までをつなぐ14種類のシリーズ形式になっています。また、関心を高めるために、新たなPRキャラクターを学生がデザインしました。これは、銀の馬車道が大好きな少年が馬になりきろうとする姿をイメージしました。馬の被り物にランニングウェア姿と、とても親しみやすいキャラクターです。さらに、みなさんに身近に感じていただく為、名前の募集を行うことにしました。

ポスター掲示の場所

JR播但線各駅のホームやコンコースなどに各一枚。(生野駅・長谷駅・寺前駅・新野駅・鶴居駅・甘地駅・福崎駅・溝口駅・香呂駅・仁豊野駅・砥堀駅・野里駅・京口駅・姫路駅)

製作者

兵庫県立大学環境人間学部 宇高研究室3回生 5名

奥銀谷まちあるき

参加学生レポート 2011.6.17

この生野での調査では奥銀谷地区の人の話を聞く前に井筒屋と生野銀山に行き、その途中の町並みも歩きながら見て回りました。奥銀谷地区の町並みを紹介していただく前に、口銀谷地域を見ていたことで、どのような違いがあるのかということを考えながら、奥銀谷地区の町並みを見ることができました。

奥銀谷地区の人の説明で、口銀谷地区は県の景観条例によって改修が進んでいるとおっしゃっていたのですが、確かに口銀谷地区では井筒屋をはじめとして、鉱山が稼働していたころの名残がいろいろ残されていて、それらが生野の町づくりの拠点になっていると感じました。奥銀谷地区では軒を連ね、大山師、吹屋、住居、作業場などがあった、という歴史がありました。

口銀谷地区と奥銀谷地区を両方見てみて、生野駅からも近く歩いて散策しやすいこと、2つ目の写真の井筒屋など見て回る場所も比較的多いこと、またそのポイントごとに説明書きもありマップを見ながら自分たちで見て回れること、といった点が口銀谷地区が観光地としてやっていけている理由なのではないかと思いました。奥銀谷地区で聞いたお話では、口銀谷地区と生野銀山はにぎわっていて、観光客が生野に来てもその間をバスで移動してしまうため、奥銀谷地区は通り過ぎられてしまう、とのことでした。その理由として、口銀谷地区から生野銀山までは微妙に距離があり、途中周囲に何もない道路や銀山への坂を通らなくてはならないため、一気にバスで登ってしまうということも考えられると思います。実際に私も、一回生の時のフィールドワークで訪れた際はバスで銀山から口銀谷地区に移動しました。しかし、今回の調査で口銀谷地区から銀山まで歩いてみたのですが、歩けない距離ではありませんでしたし、歩いて見て回るのが好きな人にとっては、苦になるような距離ではないと思います。そこから、私は奥銀谷地区に必要なのは観光客が歩いてでも見てみたいと思うような魅力と、その観光の拠点となるような場所だと思いました。

これから景観形成にもっていき、観光客にも来てもらおうと考えているのなら、住民と行政が一体となって、新たな資源の発掘やさらなる調査をし、町並みの保存、町づくりをしていく必要があると思いました。

飾磨まちあるき+ワークショップの実施運営

参加学生レポート 2011.12.7

12月7日飾磨公民館で飾磨の住民のみなさんと、兵庫県立大学宇高ゼミ銀の馬車道研究会の3、4回生と院生15名で町歩きの班分け、打ち合わせをした後8班にわかれて飾磨の町を歩いてきた。町歩きの目的は飾磨を外部の人に紹介するために、何を見てもらいたいか、伝えたいかを再発見することである。そのため、町歩きをするときは外部の人の目になったつもりで飾磨を歩き、普段見慣れたものを改めてじっくり見て、飾磨に住まない私たちに説明しながら歩いた。町歩き後は各班でワークショップを行った。

町歩きは全部で8班にわかれ、飾磨の西と東に4班ずつわかれて歩いた。さらに右回りと左周りにわかれ飾磨全体を効率よくまわれるようにした。

西回りで、飾磨を訪れる人に是非伝えたいポイントとして数多く挙げられたのは浜の宮神社だった。ここでは、台場差しという祭りが秋に行われ地元で1番盛り上がるイベントであり、飾磨でも一番境内が広い。他にも神社が数多くあり、住民の生活と関わりが深い。珍しい神社として門構えが二階建てになっている救鱗寺も紹介したいとのことだった。神社以外では様々な造りの格子や町家が続く町並み、かつては汽車が走っていた旧国鉄飾磨線跡、家島で採れた新鮮な魚が運ばれる魚市場、銀の馬車道の面影が残る点在する石柱など様々な飾磨ならではのポイントがあげられた。

東回りでは赤レンガ倉庫から始まり、有本芳水の詩碑や石碑など歴史に触れるきっかけとなるようなものが挙げられた。有本芳水の詩碑のそばに建つ恵比寿の宮も見事な鳥居が建っており、地域の祭りの開催場所にもなっていて、住民の方々にとっても飾磨の中の大切な建物の一つであるようだった。これらの他にも飾磨には吉村低などをはじめとする古民家が多く残っている。その多くが今の塗り壁とは違い、白壁と焼き板で出来ているとのことだった。ただ見ただけでは分からない工夫がそこにはあり、住民の方々はそういったことも外部の人に紹介したい点として挙げていた。

町歩きの後のワークショップでは、実際に歩いてみて感じた、外部の人に見てもらいたいこと、紹介したいことについて班ごとに話し合った。ここには明石高専の学生も参加し、住民の方々と学生が混ざって意見交換をした。それぞれが町歩きの内容を思い出しながら、1枚のマップにポイントを書き出した。そして最後に全体で班ごとの意見を発表しあった。ここでは、マップに載っている情報以外にも、そこに実際住んでいる住民の方々だからこそ分かるような意見が多く出て、学生にとってはとても勉強になることが多かった。また、住民の方の中には、今回の町歩きの中で初めて見たものがあったという方もいて、学生と地域の方々両方にとって意味がある町歩きとなったように感じた。全体を通して、地域の方々がとても熱心にわたしたち学生に対し様々な事を説明し、紹介してくださり、自分たちが住んでいる場所をとても大切に思っていることが伝わってきた。私たち学生も、地域を外から見て考えるだけでなく、その土地の人々と関わり共に考えていく大切さがわかった。今後の飾磨の住民主体のPR活動に向けて、意識の高まる良い機会となった。飾磨まちあるき 概要

兵庫県立大学人間環境学部住宅計画研究室(宇高研究室)では平成18~20年度にかけて、銀の馬車道ネットワーク協議会から「銀の馬車道活用方策調査研究」の委託を受け「学生による銀の馬車道探検隊」を結成、沿線各地域のフィールドワーク等を実施してきました。

今後は、探検隊を「銀の馬車道研究会」と改称し、地域住民にも参加を呼びかけながら、銀の馬車道沿線の地域資源の分布や数量把握、活用方策の検討を行うなど馬車道を活かしたまちづくり活動に取り組んで行く予定です。

今年度はその継続的な取組として、銀の馬車道の終点である飾磨地区で歴史的建造物の分布状況などを把握する現地調査を以下のとおり実施します。

日 時

平成23年12月7日(水) 14:00~17:00(予定)

場 所

姫路市飾磨区(栄町・御幸・東堀・大浜・宮・天神などの地区)

調査員

約20名(兵庫県立大学宇高研究室学生等)

スケジュール

14:00 飾磨公民館(姫路市飾磨区宮16)集合

・学生と地域住民のグループでまちあるき

15:15 休憩

15:30 飾磨公民館

・ワークショップ:飾磨の街への訪問者に案内する際に魅力のある場所について話しあい、案内マップを作成する。

16:30 飾磨公民館

・意見交換会(発表と地域の方からのコメント)

17:00 解散

景観タウンウォッチングへの参加

参加学生レポート 2011.11.20

今回の飾磨のタウンウォッチングでは、一般市民の方約50人と飾磨駅を出発し、飾磨公民館までを途中5つのポイントを見ながら、約1時間半をかけて歩きました。

私は赤レンガ倉庫の説明を担当しました。事前に調べた際、あまり説明できるようなことが見つからず、煉瓦の積み方について説明しました。事前に調べているときに煉瓦造りの倉庫が日本にはいくつかあることが分かったので、それらと比較検討してみるのも面白いかと思いました。

このタウンウォッチング全体を通して、住民の方々が自分の町や、古い街並みというものに興味を持っていらっしゃることがよくわかりました。日曜日の朝にもかかわらず、50人もの方が参加してくださり、それぞれの場所での説明に熱心に耳を傾け、学生である私の話もしっかり聞いてくださり、勉強になったとおっしゃってくださる方もいらっしゃいました。また、メモを取っていらっしゃる方もいらっしゃり、私の中では建築に興味があり、勉強しているからこそこのような街歩きは面白く感じるのかなと思っていましたが、それだけではないのだなと思いました。街歩きの途中、市の職員の方と住民の方と少しお話させていただき保存していけたらおもしろいとおもいました。町のこれからについて、市と住民とが一緒に考え、意見を交換し、協力していくことが大切なのだと感じました。またそのための一つの手段として、今回のような街歩きを市と住民で行い、地域の新しい一面を知ったり、様々な視点から見ることによって出てくる新たな発見を双方が得ることで、よりよい街づくりや保存をしていくことができるのではないかと思いました。

今回のタウンウォッチングで、今まで知らなかった飾磨の町や、飾磨だけでなく銀の馬車道自体、まだまだ調査してみるべきところがあること、住民との街歩きの良さを知り、勉強になりました。

いちかわ商工祭:「銀の馬車道」写真展示

参加学生レポート 2011.11.20

市川町文化センターで行われた「いちかわ商工祭」において、過去に研究会が撮影した銀の馬車道関連の写真を展示した。学生が撮影した銀の馬車道の写真を展示し、いちかわ商工祭の来場者に銀の馬車道沿道の風景を知ってもらうことを目的とした。写真は、2007年に兵庫県立大学住宅計画研究室「銀の馬車道探検隊」が、「銀の馬車道100選」としてピンホールカメラを使って撮影したものの中から15枚を選んだ。展示した写真は、人参役所や柳田國男の生家といったような、比較的知名度の高いスポットを撮影したものだけでなく、銀の馬車道沿道での何気ない景色を撮影したものも選んだ。パネルの配置場所は、文化センター内、銀の馬車道ラッピング電車と水車をとる写真教室の参加作品や、過去に播但線で運行されていたSLの写真の展示場所の隣で、通路に沿って展示されていたため、多くの方の目に留めてもらうことができた。

いちかわ商工祭には子供から年配の方まで多くの人が集まり、とても賑わっていた。地元の幼稚園児や中高生によるステージパフォーマンスや、職業体験のブース、地元の団体や小中学生による出店もあった。また、「銀の馬車道交流館」のブースもあり、普段は交流館内に置かれている馬車の模型も屋外に展示されていた。ブースでは「銀の馬車道」の紹介パネルの展示や関連商品の販売も行われていた。

ピンホールカメラによる写真は普段あまり触れることのないものであるため、多くの人にとって、不思議な写真として興味を持って見てもらうことができたのではないだろうか。展示した写真は、観光マップなどに載っている写真とは異なる視点から撮ったものなので、「銀の馬車道」をよく知る人にとっても新鮮な印象を与えられたように感じる。また、これまで「銀の馬車道」を知らなかった人にとっては、今回の写真展が興味を持つきっかけになることを望む。今後に向けての課題としては、「銀の馬車道交流館」のブースとの連携があげられるのではないだろうか。互いの展示場所の工夫や展示内容の連携によって、来場者にとってより魅力的で、より宣伝効果の高い展示を実現することができると考えられる。

朝来市文化的景観シンポジウム

兵庫県立大学での「銀の馬車道」を題材とした講義

「兵庫の近代化遺産の保全とまちづくり:銀の馬車道を事例として」

(2011.6.30)

学部講義の「環境と人間」の一環で、6月30日(木)14:40-16:10担当をします。

兵庫県の銀の馬車道プロジェクトの担当にお越しいただき県の施策について講演をいただく予定です。

講義のポイント

パワーポイントの一部