投稿日: Nov 03, 2013 8:44:23 AM
埼玉新聞編集部の依頼により執筆、同紙2013年10月28日付の文化欄に掲載されたものである。タイトルをはじめ見出しはすべて編集部による。これに先立ち、埼玉県では、8月22日、県教育委員会が、2014年度から埼玉県立高等学校において使用する教科書を採択。その際、日本史教科書(日本史A,日本史B)としては、延べ82校中、実数にして8校について実教出版の日本史教科書<新版>が採択されている。各校が学校のカリキュラムや生徒の実情にもとづいて検討し、提出した希望を尊重した結果である。
しかし、同教科書には国旗掲揚・国歌斉唱について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」との注記があることから、県議会文教委員会が9月2日と13日との2回にわたって異例の閉会中審査を行い(特に13日は8校の校長をも呼び出し)、同13日には「高校日本史教科書採択の再審査を求める決議」を自由民主党、刷新の会、無所属の議員の賛成により採択するにいたった。さらに、9月20日から始まった県議会の最終日、10月11日には本会議において、議員提案「高校日本史教科書採択の再審査を求める決議」を賛成多数により採択した。
他方、県教育委員会は、これらの決議を重く受け止めるとしながらも、採択の変更を行うことはなかった。ただし、この過程で9月19日、清水松代教育委員長が辞意を表明、9月24日、千葉照実委員長職務代理者が新委員長に選任されている。