投稿日: Dec 28, 2015 4:50:4 AM
2015年11月19日、教育と自治・埼玉ネットワークと子どもの人権埼玉ネットとの連名により、県教委の育鵬社版歴史・公民教科書採択の理由を問う公開質問状を提出しました。それに対する県教委からの回答とともに紹介します。また、これに先立ち、日本教育再生機構『教育再生』2015年9月号に掲載された埼玉県教委高木康夫委員長の採択理由に関する発言をもあわせて紹介します。なお、公開質問状については、上記の二つの市民団体の共同代表、代表委員氏名など一部を、本ブログに掲載するに当たって省略していることを申し添えます。
また、この機会に、県教委回答に対する藤田のとりあえずの感想を記すと、つぎのとおりです。
1 『教育再生』9月号にある高木委員長の採択理由に関する発言とはずいぶん違った内容で、高木委員長発言は多分に私見に属するものと考えられる。
2 育鵬社版歴史・公民教科書を使用する県立伊奈学園中学校の「校訓」や「中高一貫校」としての特性をいうのであれば、どうして事前に同校の教師の採択希
望を聴かないのだろうか。2005年採択時までは同校の希望を聴いていた。
3 回答にあるどの「観点」も一般的なもので、育鵬社版を選ぶ「理由」を具体的に説明するものとはいえない。
4 結論的にいうと、この程度の回答しかできない協議・審議過程であったということになる。肝腎なことはすべて、委員による「無記名投票」という闇に包まれて
いるのだから。審議の根底にあるのは、これまで「つくる会」系教科書を後押ししてきた知事の意向や、2013年、高校日本史教科書の採択に当たってみられ
た県議会からの圧力へのおもんばかりではなかったか、との疑いを禁じ得ない。
5 このような審議と採択をゆるしてよいのか、広く県民に訴えること、そして県民の批判が必要である。
資料1 公開質問状 PDF
資料2 その回答 PDF
資料3 『教育再生』9月号から PDF