シンポジウム開会の挨拶
阿部守一 長野県知事
シンポジウム開会の挨拶
阿部守一 長野県知事
こんにちは。長野県知事の阿部守一です。本日は「学校建築 脱炭素研究会シンポジウム」という大変素晴らしい企画を、前先生、竹内先生に主催していただきまして心から感謝申し上げます。長野県で行われている断熱改修ワークショップの具体例については、継続的に頑張っていただいている藤川まゆみさんからぜひお聴きください。私からは学校断熱改修の意味、そして本県としてどのように取り組みを進めているかについて少しお話しさせていただきます。
本県における学校断熱改修ワークショップは、竹内先生のご指導のもと2019年9月に県立白馬高校で実施されたものが最初です。現在では県内各校で同様の取り組みが広がってきており、大変歓迎すべきことと思っております。なぜなら、これは単に断熱対応ができて良かった、ということに留まらず、参加した若い世代が気候変動問題に対してしっかりコミットするきっかけとなり、また、施工業者の皆様をはじめ近隣の皆様を巻き込むことによって、地域全体で脱炭素への機運を高めていくことにもつながっているからです。長野県としては、これからも多くの皆様のご協力、ご指導をいただきながらこの取り組みをさらに広げていきたく、ぜひ皆様方にも引き続きご協力をいただければと思っております。
2019年、長野県は都道府県としては初めて「気候非常事態宣言」を行い、ゼロカーボン戦略においては2030年期で温室効果ガス実質6割削減という高い目標を掲げました。これは、並大抵のことでは達成できません。いろいろ知恵を出しながら進めていこうと思っていますが、中でも特に重要だと思うのは、建築物の断熱性能の向上です。
その方策の一つが「信州健康ゼロエネ住宅」という制度です。これは補助金で支援すると同時に、建築関係の皆様にもいろいろと学んでいただきながら、地域全体で高断熱性能の住宅づくりを進める取り組みです。国においては今後、省エネ基準の適合義務化を予定されているわけですが、本県はその基準よりもさらに高い目標を掲げて断熱性能を高め、高いレベルの基準を標準化していきたいと考えています。このような取り組みも私たちの力だけでは限界があります。今日お集まりの皆様方にも、ぜひお力添えいただければありがたく存じます。よろしくお願いいたします。
本日のシンポジウムが有意義なものとなり、学校建築における断熱性能の向上、そして断熱改修のプロジェクトが日本全体に広がっていくことを心から願って、私からのお祝いのあいさつとしたいと思います。本日はおめでとうございます。