日本技術者教育認定機構(JABEE)は 1999年11月に技術者教育を認定する団体として設立され、今年で20年を迎えます。2002年3月に3つのプログラムが日本で初めて認定され、これまでに172教育機関の505のプログラムが認定され、プログラム修了生も30万人になりました。技術者教育に関係のある話題を提供してゆきますのでよろしくお願いいたします。
建築教育認定団体の国際的な団体としてキャンベラ協定(Canberra Accord) があります。8月29日南アフリカ共和国にて開催されたキャンベラ協定の総会でJABEEの正式加盟が承認されました。JABEEは2014年にキャンベラ協定へ暫定加盟を果たし、その後の認定審査に対する取り組み等が評価され、今回正式加盟が認められました。
カナダ、中国、英国(注)、韓国、メキシコ、南アフリカ、米国、香港、日本の各団体が正式加盟しています。(注)英国の認定団体は、英連邦王国の国々のプログラム認定も行っています。
本年度に実地審査をお願いする審査員の方々を対象とした1泊2日のJABEE審査員研修会7月13/14日と7月27/28日の2回にわたり船橋市の研修施設にて開催しました。実際に審査員をしていただく61名の方と、今後審査員となっていただく審査研修員13名の参加がありました。
研修内容は、初日に認定基準改定の内容を中心とした解説等と、架空プログラムの自己点検書による模擬審査を行うグループワークを実施した。2日目にグループワークの結果発表と質疑応答を行いました。
研修を受けられた方の多くは大学、高専の先生方ですが、民間企業や個人事務所の方も11名(約15%)いらっしゃいました。企業に所属される方に審査員となっていただくことで、企業が求めている人材像がより明確になってゆくことが期待されます。
審査員研修会
JABEEが行っている工学分野以外でも医学、獣医学、薬学、看護学などの専門分野では、その教育についての認証評価が行われるようになってきています。短期大学を含む私立看護系大学が会員となっている日本私立看護系大学協会の主催で、看護学の分野での評価の意義や課題、協力体制などを討議・検討するため講演会が7月12日に東京で開催されました。専門分野の異なるJABEE、薬学教育評価機構とリハビリテーション教育評価機構の3団体からそれぞれの分野での歴史や現状の課題等についての説明を行いました。地方の看護系大学では学生数が定員割れして、財政的に厳しいところもあり、評価費用や実地審査の方法、その効果などについても議論されました。
(注)看護学教育の評価は日本看護学教育評価機構が行っています。
日本私立看護系大学協会の講演会場
JABEEでは日本工学教育協会と共催でワークショップを開催しております。今回は、コミュニケーション実践道場(その3)として東北工業大学ライフコミュニケーション学部 大石加奈子准教授に講師をお願いして9月21日に開催しました。研究室活動の効果的マネジメントを学ぶとして、研究室で先生が学生のタイプに合わせた指導の技術をテーマとしました。学生を4つのタイプに合わせて、それぞれの対応方法をロールプレイイングで学びました。今回は教育機関の先生のみの出席でしたが、企業の方に参加いただいても職場管理で役立つ内容でした。
開催ごとにJABEE Webページでワークショップのご案内をさせていただきます。
ワークショップ
進学を希望する高校生を対象とした学校説明会やオープンキャンパスなどが各地の大学などで行われています。企業の方にJABEEのことが知られていないというアンケート結果に基づき、JABEEでもPR活動を展開しています。認定プログラムを運営する高等教育機関や進学をサポートする教育機関等で、受験生にJABEEのことを知ってもらえるようパンフレットを作成しました。JABEEのWebページでPDF形式ファイルをご覧いただけます。 高校生向けパンフレット
また記載データを更新した2019年度版JABEEパンフレットも作成しました。JABEEパンフレット
高校生向けパンフレット
昨年度新規認定された長浜バイオ大学 蔡学長にJABEE認定を受けるまでの経緯などをインタビューさせていただきました。
またアフリカでの公共工事受注案件でのJABEE認定プログラム修了が求められたことが日刊工業新聞に紹介されことを夏号でお知らせしました。建設・コンサルティング会社のプロジェクト部長の方にインタビューをさせていただきました。
JABEEは1999年11月に発足し、本年で20年を迎えます。グローバル化する国際社会とAIなどに代表される技術革新の進むなかで、技術者に求められる知識、能力も変わりつつあります。専門知識のみならず、地球環境、技術者倫理などを含むJABEE認定プログラムは、未来社会を担う技術者の育成を目指しています。また、技術者の国際的な流動化が進み、海外から日本に留学し、卒業後母国に戻って技術者として活躍するために、認定プログラムの修了生であることが求められるケースもあり、JABEE認定プログラムの意義が大きくなってきています。
このような状況を踏まえ、『未来社会を担う技術者像と国際標準の技術者教育』をテーマとする記念シンポジウムを11月26日に港区芝の建築会館ホールにて開催いたします。ご参加を希望される方はJABEE事務局までお問い合わせください。⇒ E-mail: koho@jabee.org
7月中旬、関西のある大学を訪問し、JABEE認定プログラムの責任者をされている先生と面会させていただきました。先生は大学やご自身の研究分野について高校生に興味をもってもらえるように、他学科の先生と共に出前講義として高校に行かれて、講義をされているそうです。高校生がJABEEについて知る機会は少なく、そのような機会にJABEEについてもPRしていただけるように先生にお願いさせていただきました。今回作成しました高校生向けのパンフレットもいろいろな場面で配布してゆきたいと思います。
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